フジテレビのプロ野球“軽視”また露呈…ナイター開催中に「ジャンクSPORTS」でプロ野球OB特集放送の違和感

更新日:2025-08-20 17:03
投稿日:2025-08-20 17:00

 NPBのフジテレビへの心証が、さらに悪化しそうだ。8月9日、土曜のゴールデン帯で「ジャンクSPORTS プロ野球トーク日本シリーズOB戦 今ならアウトな昔の常識SP」(フジテレビ系)が放送された。東尾修(西武)、関本賢太郎(阪神)、元木大介(巨人)など12球団のOBが集まり、現役時代の話を繰り広げた。

「昭和の乱闘エピソードなどで番組は盛り上がりました。ただ、視聴率は世帯4.4%、個人全体2.7%、コア1.3%でした。テレビ東京の『土曜スペシャル ニッポン一周6000km!巨大貨物船に乗せてもらいました!』の世帯4.1%、個人全体2.4%、コア0.8%よりは高かったですが、3部門とも同時間帯の民放で4位です」(民放関係者)

 黄金期のフジを知る世代にとっては寂しい数字に思えるが、現在の同局のゴールデンタイムでは低視聴率とも言えないという。

「その週の19時~21時で比べると、『上沼&香取の『ずっと伝えたかった』初恋・恩人・憧れ…奇跡の大再会SP』(5日火曜)は世帯3.5%、個人全体1.9%、コア0.6%、『かまいまち2時間SP』(7日木曜)は世帯4.2%、個人全体2.5%、コア1.9%です。ですから、『ジャンクSPORTS』が悪いわけでもない。ダウンタウンの浜田雅功、上沼恵美子、元SMAPの香取慎吾、かまいたちという人気タレントを使っても、今のフジは数字が伸びてこない」(前出の民放関係者)

 一方で、「ジャンクSPORTS」の土曜19時から21時までという放送時間帯を疑問視する声が上がっている。

「同じ時間帯に、阪神対ヤクルトなどプロ野球のナイターが4試合開催されていました。地上波での放送はなかったですけど、BSやCSでは中継されていた。番組に出演していた佐々木主浩さんはBS-TBSでDeNA対巨人戦を解説していました。フジからすれば、『ジャンクSPORTS』は毎週土曜の17時から放送していますし、8月9日を語呂合わせで『野球の日』と位置付けて、この日のゴールデンタイムを選んだのでしょう。しかし、NPB(日本野球機構)の関係者からすれば、心証は良くないでしょうね」(テレビ局関係者)

なぜプロ野球と裏被りする時間帯に放送するのか?

 フジテレビは昨年、日本シリーズの裏でワールドシリーズのダイジェストを放送。ドジャース・大谷翔平選手の人気にあやかった。この行為に対し、NPBは「信頼関係が著しく毀損された」として、日本シリーズの取材パスを回収。今年6月、公正取引委員会はこの行動などを問題視し、NPBに再発防止を求める警告を出した。

「NPBがやり過ぎだったことは間違いない。ただ、今のプロ野球が開催されている時間帯に、『昔の野球は面白かった』的な番組の放送は、野球への愛を感じられない。制作陣ではなく、フジの編成部に違和感を覚えますね。なぜ、裏被りする時間帯に番組を配置したのか。自分たちが視聴率を取れれば、なんでもいいという考え方に映ってしまう。そんな気遣いのなさが積み重なって、昨年NPBを怒らせたのでは」(前出のテレビ局関係者)

 他局はどうなのか。テレビ朝日は8月2日、レギュラー番組「THE世代感」の特別編として「夏の高校野球 歴史的大逆転 ベスト10」をゴールデンタイムにオンエアした。同じ時間帯にプロ野球3試合がナイターで開催され、BSやCSで放送されている。

「高校野球とプロ野球は別枠ですからね。逆に、NHKが高校野球を中継している時間帯に、この番組は放送しないでしょう。今年の高校野球を盛り上げようという観点で、開幕前にオンエアしている。フジとは心意気が全く違う。日本テレビやTBSはプロ野球選手を招いた特番をゴールデンタイムで放送する時もありますけど、基本的にオフシーズンですからね。NHKは昨年、BSで『プロ野球誕生90年白球プレーバック! あなたが選ぶ名場面』という番組をゴールデンタイムに放送しました。ただ、両リーグのクライマックスシリーズが始まる前日でした。今までの歴史を振り返った上で、明日からのポストシーズンを楽しもうという配慮を感じます」(前出のテレビ局関係者)

 今年、セ・リーグは阪神が首位を独走。パ・リーグはソフトバンクと日本ハムのデットヒートが繰り広げられている。前出の民放関係者は「フジは日本シリーズの放映権を取りたいはず」と語る。

「新庄剛志監督の日本ハムが阪神と対戦するとなれば、視聴率は高くなるでしょう。阪神がオリックスを倒して日本一になった一昨年、フジテレビは1戦目と7戦目を中継し、関東地区の世帯は7.3%と18.1%、関西地区の世帯は21.8%と38.1%でした。今、フジのゴールデン、プライムタイムで世帯7%以上取れる番組はなかなか出てこない。局としては、日本シリーズの中継権をどうしても欲しい。そのために NPBにおべっかを使う必要はないですけど、編成が残念でした。『ジャンクSPORTS』自体は面白かっただけに、なおさらです。仮にナイターのない月曜日に放送すれば、視聴率はもっと上がったかもしれません」

 今回の出来事は、日本シリーズの放映権に影響を与えるのか。※視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。

  ◇  ◇  ◇

 フジテレビは筋違いのNPBへの意趣返しのつもりかもしれないが、さらに問題がこじれかねない番組編成ともいえる。関連記事【もっと読む】「NPBは取り上げていただく立場なのに筋違い」と専門家…フジテレビ取材パス没収騒動の波紋…では、問題の深層に迫っている。

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」紅白未出場、浅田美代子の歌唱をここで聞けるとは。吉田鋼太郎の笑顔もグッとくる
 三姉妹揃っての朝田家ご帰還。朝ということは、蘭子(河合優実)は昨夜、のぶの家にお泊りしたのでしょうか。ならば、久々の三...
桧山珠美 2025-07-17 17:39 エンタメ
選挙 行ってみなきゃ言えなくね? 人気男性グループが“ラップ”で投票を呼びかけ「最高!」「こんなアイドルいる?」と反響
 7月20日に行われる第27回参議院議員通常選挙(以下、参議院選挙)を控え、11人組ボーイズグループ・INIの池崎理人さ...
「あんぱん」薪鉄子が持つ“小道具”の細かさに気づいた? すれ違いコントは見なかったことにします
 鉄子(戸田恵子)からの電話に出た東海林(津田健次郎)は、ひとり考え込んでいた。鉄子がそんなに怒っていたのかと、慌てて謝...
桧山珠美 2025-07-16 17:31 エンタメ
もはや『M-1』は芸人だけのものじゃない? 万博、地方創生…吉本が目指す“次のフェーズ”
 6月25日、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2025』(テレビ朝日系)の開催会見が東京・渋谷よしもと漫才劇場で開かれ...
令和ロマン・高比良くるまが“騒動”で得た「天下を獲る」ために必要な武器
 オンラインカジノ問題をめぐって活動を休止していた令和ロマンの高比良くるまさんが4月28日、約2か月ぶりに復帰しました。...
田原俊彦よ、「※ただしイケメンに限る」はもう通用しない。世のオジサンは彼の“勘違い”から学ぶべし
 6月15日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)にて、ゲスト出演した田原俊彦が、女性アナウンサーにセクハラを...
堺屋大地 2025-07-14 11:50 エンタメ
【募集】夏ドラマ何見る? 期待してる&ガッカリを教えて!『ひとりでしにたい』『ちはやふる』『しあわせな結婚』etc
 コクハクでは2025年名夏ドラマを対象としたアンケートを実施します。7月よりスタートする夏ドラマ、「期待している」「面...
「あんぱん」嵩らの“腹痛”は史実とちょっと違う? 懐かしい2人の登場には狂喜乱舞! 生きていてよかった…
 東京に到着したのぶ(今田美桜)たちは、さっそく聞き込みを始めるが「ガード下の女王」はなかなか見つからない。みんなで屋台...
桧山珠美 2025-07-11 18:33 エンタメ
「あんぱん」メイコ、夢はお嫁さんでいいのか? 健太郎(高橋文哉)ともう1人の“三角関係”を妄想する
 東京出張の前日。みんなで取材する代議士の資料を確認していたのぶ(今田美桜)は、岩清水(倉悠貴)が話す「ガード下の女王」...
桧山珠美 2025-07-10 18:34 エンタメ
timelesz、新体制が“古参ファン”に受け入れられる日は来るのか? 旧ジャニ「シャッフルメドレー」不参加の賛否
 7月5日、櫻井翔(43)が総合司会を務める音楽特番「THE MUSIC DAY 2025」(日本テレビ系)が放送され、...
こじらぶ 2025-07-10 11:50 エンタメ
石田ひかり53歳、今を生きる女性に伝えたい“楽しく生きていく”ためのメッセージ|映画『ルノワール』
 1986年のデビューから、映画『ふたり』『はるか、ノスタルジイ』や、連続ドラマ『悪女』、連続テレビ小説『ひらり』、『あ...
望月ふみ 2025-07-10 11:50 エンタメ
『あんぱん』ツダケンの“にゃあ”が秀逸だにゃあ!「月刊くじら」には色々とツッコミどころもあるが
『月刊くじら』創刊号は2日で2000部を売り切り、好調な滑り出しを見せる。嵩(北村匠海)は『月刊くじら』編集部に異動に。...
桧山珠美 2025-07-09 17:00 エンタメ
【10万いいね】鈴木えみ、20年前→現在の比較写真が“美しすぎる”と絶賛「変わらなすぎ!」「今の方が可愛い説まである」
 ファッションモデルから俳優業まで、幅広い分野で活躍する鈴木えみさん(39)。2025年7月7日に自身のInstagra...
春ドラマの評判を調査!本命『最後から二番目の恋』は2位。1位は意外な快進撃。日常系が人気、刺激疲れか?
 2025年の春ドラマが、次々とフィナーレ。今期はSNSでバズった顔ぶれも多く、ドラマファンからしても楽しいシーズンだっ...
「あんぱん」嵩は受かるのか…って次週予告編でネタバレか? アンパンマン声優の姿もチラリ
 のぶ(今田美桜)の家で暮らすことになったメイコ(原菜乃華)は、夢に向かって一歩を踏み出す。そしてのぶも、月刊誌の刊行に...
桧山珠美 2025-07-05 08:00 エンタメ
『あんぱん』のど自慢といえば「ひよっこ」有村架純を思い出す。メイコが歌うのはどの歌なのか?
 夕刊の話がなくなり、時間を持て余すのぶ(今田美桜)だったが、夕刊の代わりに月刊誌を出せることに。岩清水(倉悠貴)と歓喜...
桧山珠美 2025-07-03 18:11 エンタメ