福山雅治は「不適切会合」参加を即座に謝罪し騒ぎを最小限に抑えた 中居問題のトバッチリのようなもの
【芸能界クロスロード】
フジテレビと中居正広の一連の問題を審議していた第三者委員会から「不適切な会合」と認定された懇親会。新たに福山雅治が参加していたことを所属事務所が発表した。時期は2005年ごろから年に1、2回、フジの元専務・大多亮氏主催の会合でのことだ。女子アナが多く参加していたこの会で福山は下ネタ発言していたことを指摘され書面で認めた。先週発売の「女性セブン」誌上では「深く反省しております」と謝罪と経緯を説明した。
福山の対応は最近の社会状況を鑑みれば的確な判断だろう。真偽不明の話がネットで独り歩きする時代。沈黙は逆に大きなダメージを受ける可能性もある。特に中居の性加害事件はいまだに関心が高く、ちょっとしたことでもネットでネガティブな話として拡散する。その前に自ら事情説明するのは賢明な選択だが、福山側の事情も垣間見られる。
9月12日に福山主演の映画「ブラック・ショーマン」が公開される。宣伝のスケジュールも組まれているはず。製作したフジへの番組出演。ファンと直接、顔を合わせる舞台挨拶。連日、宣伝活動が続く。その前にガス抜きしておく必要があった。もし、懇親会の件をスルーすれば、ネット報道は過熱していた可能性もあり、宣伝どころではなくなる。
永野芽郁と田中圭の不倫報道直後にも主演映画「かくかくしかじか」の舞台挨拶があった。出席も危ぶまれたが、永野はメディアを入れずに行った。混乱を避ける意図だが、「逃げた」との見方が大方を占めた。
先人から学ぶのがスキャンダル対策の基本。福山は事前に謝罪。騒ぎを最小限に抑え、宣伝活動に備えた。
そもそも20年も前の話である。今よりも「セクハラ・パワハラ」が緩い時代だ。
俳優や歌手を交えたお酒の入る懇親会は半ば無礼講。セクハラ・パワハラは少なからずあった。
映画関係者らとの懇親会で、ある俳優が横に座った女性記者のおしぼりを折り紙でも折るように男性自身の形にしてそっと置いた。やがて女性が手にした瞬間、「いやー」と悲鳴を上げた。それを見て我々、男性陣は大笑い。女性もあまりのリアルさに「お上手ですね」と感心していた。今なら完全にアウト。
福山の下ネタも独身時代の話。ラジオでお馴染みだったとはいえ、下ネタを嫌う女子はいる。当然、その場では不快な思いになった人もいたと思うが、委員会から昔の話を聞かれ、福山に対し「不快だった」と強く言ったのだろうか? 彼女たちが怒りの矛先を向ける相手は福山ではなく、「女子アナは上質なキャバ嬢」と強制的に集めた大多氏のほうにある。
フジと福山の間の懇親会は、平たく言えば接待だ。一般社会でも行われている接待は、取引先との潤滑な関係を継続するのが目的。テレビ局が人気俳優を接待するのは「お礼と、今後の付き合いもよろしく」との意味合いも含まれている。
逆に新人を売り出したい事務所が番組の担当者を接待するケースもある。個室のある店を利用するのが大半だが、クラブなど女性のいる店に行くこともある。ただ、顔が知られている俳優はクラブを嫌う人もいる。大多氏は女子アナをホステス代わりにした。ここが一番の問題点だ。接待された福山にハラスメント行為はなく、リップサービスで下ネタを話したのだろう。今頃になって20年前の下ネタ発言を蒸し返される。昔「立ちションしていた」ことを告発されたようなもの。福山も中居問題のトバッチリのようなものである。
(二田一比古/ジャーナリスト)
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