これぞロック! YOSHIKIのパクリ騒動、文句を言って何が悪い? “寛容”を強制する世間への反撃

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2025-09-06 11:45
投稿日:2025-09-06 11:45

器が小さい、ダサい、ガッカリの声

 ちなみに法的観点から説明すると、楽曲「紅」の権利はソニー・ミュージックパブリッシングが持っており、YOSHIKI様が権利を持っているわけではないそう。

 またアニメ『ダンダダン』を製作しているのが同社の関連会社で、グループ企業内では事前に許諾は得られていたと見られています。要するに、『ダンダダン』側は著作権侵害にもパブリシティ権侵害にもあたらない可能性が非常に高い模様。

 このように法的な“正義”もYOSHIKI様になさそうということが明るみになり、彼に対する失望感が広がってしまっているのです。

 こうして自身で口火を切ったパクリ騒動で“器が小さい”、“ダサい”、“ガッカリ”といったネガティブなレッテルを貼られてしまったYOSHIKI様でしたが、筆者が思うに彼はこうなることを承知のうえで、世の中の風潮に一石を投じたのではないでしょうか…!?

オマージュは受け止めろという強迫観念

 元ネタに対して失礼なパロディは視聴者たちから非難されやすいですが、元ネタへの愛があふれているパロディの場合は、真似されたご本人は“寛大に受け止めるべし”――という空気感が世間には浸透しています。

 さらに、リスペクトの念が伝わってくる愛あるパロディは、オマージュとも呼ばれるようになっており、真似されたご本人は“好意的な反応を示すべし”――といった強迫観念すら感じさせる時代です。

 そうやって寛大に受け止めないと、器が小さいと評され、ダサいと思われてしまう。

 つまりご本人側は、勝手に真似されたにもかかわらず、黙認するか好意的反応を示すのが、“かっこいい大人な対応”というような価値観になってしまっているのです。

 けれど、よくよく考えてみてください。

 法的にはYOSHIKIさんが「紅」の権利を持っていなくても、作詞・作曲したのは紛れもなく彼ですし、自身のバンドの代表曲として長年演奏してきた愛着たっぷりの歌なのは間違いないでしょう。

 そんな“我が子”のような歌について、自身が気に食わないことが起こったときに、不満の声をあげることの何がいけないのでしょうか?

堺屋大地
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コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。
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