「味噌汁の味を覚えないのよ~」義母の“昭和な価値観”に苦しめられ…28歳新妻が取った静かな逆襲

おがわん ライター
更新日:2025-09-22 11:45
投稿日:2025-09-22 11:45

夫に相談するも「悪気はない」取り合ってもらえず

 さらに姑は親戚の前で、A子を“気が利かない嫁”として冗談交じりに話すこともあった。

「この子、うちの味噌汁の味を覚えるのに3回もかかったのよ~」と笑いながら言うと場は盛り上がるが、A子は恥ずかしさで顔が真っ赤になった。

 私が驚いたのは、A子が本当に頑張っていたということだ。普段から料理も家事も得意で、むしろ「いいお嫁さん」タイプなのに、それでも姑には認めてもらえなかった。

 結局、A子は夫に真剣に相談した。

「私、あなたの家に行くといつも辛い。結婚したのはあなたであって、家政婦になるためじゃない」

 勇気を出して伝えたのだ。ところが夫の答えは、「母さんの世代はそういう考え方なんだよ。悪気はないんだし、うまくやってよ」と取り合わないものだった。

 むしろA子のほうが“わがまま”だと言われたような気がして、深く傷ついたらしい。

 それ以来、A子は夫の実家に行くのを極力避けるようになった。年末年始やお盆も仕事を理由に短時間だけ顔を出し、料理や片付けをすべて引き受けることはなくなった。

「私だって、無理に笑顔で奉仕する必要はないんだって気づいたの」

 そう話す彼女の顔には、少しだけ吹っ切れたような強さがあった。

嫁姑問題の分かれ道は

 この話を聞いて、私は心底ゾッとした。結婚すれば“家族”になれると思っていたけれど、実際には“お嫁さん”という立場が古い価値観に縛られて、気づかぬうちに“家政婦”のように扱われてしまう現実がある。

 しかもそれを一番近くで見ているはずの夫が何もしてくれないのは、想像以上に心細いことだ。

 A子は最後に、「姑との関係よりも、夫がどう向き合ってくれるかが一番大事だと思う」と語った。その言葉に私は深く頷いた。

 嫁姑問題の分かれ道は、結局のところ夫がどれだけ妻の味方でいられるかどうかにかかっている。

 結婚はゴールではなく、始まりだ。姑の価値観に縛られず、自分の人生を大切にすることが、A子にとって本当の意味での“新婚生活”の第一歩だったのだろう。

おがわん
記事一覧
ライター
かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


生きる伝説、“スター★にゃんたま”の貫禄あふれるポージングを見よ!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「自慰行為」の語源になった人物の悲劇。“悪いこと”と罰された本当の理由
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...
「イラつく顔ね」にグサッ…義母が放った“ひどい言葉” 5選。離婚すればってそりゃないよ~
 嫁姑の関係が悪化する原因の1つに、姑の悪意ある発言があるのかもしれません。こんなことを言われたら、姑への憎悪が膨らむの...
【動物&飼い主ほっこり漫画】連載特別編「ハルちゃん 幼少期の思い出」
【連載特別編】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!  11月下旬発...
「うちはもっとヤバいよ!」え、不幸話で勝負してる? 聞いてて疲れる“愚痴LINE”3選
 人に不幸話をするときは、いくつか気をつけるべきポイントがありそう。なぜなら「それって不幸自慢?」とウザく感じる人が少な...
「着飾るのは何もないから」偽セレブがマウントを取る理由。“本物の令嬢”の前で見つけた本当の自分
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉に2年前に引っ越して来た。セレブ気取りの綾乃は同じマンション住人でさえない ...
「あの人が…なんで?」地味ママの“富豪人脈”に呆然。勝ち組を演じていた女の勘違い
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉へ2年前に引っ越して来た。以前の土地では、富裕層中心のママ関係に居づらさをお...
「世帯年収1500万じゃ恥ずかしい」御茶ノ水からの“都落ち”…武蔵小杉のタワマンを選んだ女のプライド
 リビングの大きなガラス窓の向こうには、大樹のようなマンションがいくつもそびえている。  その景色はまるで都会の森...
ママ友の悪口を誤爆!「このLINE、共有しますね☆」やっちまった…恐怖の誤爆エピソード3選
 子どもを介した友達“ママ友”。それぞれ性格が違うので、合う合わないがあるのは当然です。でも裏で悪口や愚痴を言っていると...
昭和や平成にいた“カタカナ職業”とは何だった?バブルを生きた男が思う「総クリエイター時代」の清々しさ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
長渕剛に20代女性との熱愛報道。60代や70代を好む「桶専女子」の生態とは?“枯れ専”との微妙な違いも
 芸能界ではシニアの恋愛・結婚が話題になっている。8月27日配信の文春オンラインはシンガーソングライターの長渕剛(68)...
100均の“お掃除グッズ”でチャレンジ!夏の水回りは「凄腕くん」でピカピカになるか?
 夏は“大掃除向き”の季節だと思っています。冬のように水が冷たすぎないので、特に水回りの掃除は今がチャンス。  気...
大阪万博だけじゃない!行列で起きた“地獄と奇跡”8連発。推しの神対応、彼氏との悲劇…
 2025年4月にスタートした大阪万博も、残すところあと僅か。今回の万博は、何かと大行列ができることで話題になっていまし...
捨てにくい…!困った引き出物、賢い処分方法は?タオルは保護猫に寄付、2人の写真はリメイクで
 結婚式や祝賀会などの引き出物で、「正直いらない」と思ってしまったものはありますか? 折角の品物だと分かっていても、いら...
“にゃんたま”様の背後に潜む怪しい影…おわかりいただけただろうか
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「飲み=仕事」の時代を生きた酒豪おばさん、ついにリタイアか? 老化で変化した飲酒との付き合い方
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...