更新日:2025-09-19 11:45
投稿日:2025-09-19 11:45
「あの女に勝った」
文哉さんは語る。
「彼女は僕に妊娠を理由に結婚を迫ってきました。理沙は『もう、これ以上苦しまなくていい。お幸せに』と劇団を去ったんです」
その後、文哉さんも悦子さんとともに劇団Aを辞めて、悦子さんの故郷・北関東へ移住。
現在は地元の小劇団で演出家を務め、ライターや作家業もこなしている。長男が生まれたとき、悦子さんは「この子のおかげで文哉さんと結婚できた。あの女に勝った」と穏やかにささやいた。
一人の女は他界「悔やんでも悔やみきれません」
一方、理沙さんは「劇団R」を立ち上げ、演劇界に君臨。文哉さんは、ひそかにネットで彼女の活躍を見ていた。しかし…数年後、予想外の訃報が入る。
「理沙が闘病生活の末、ガンで他界したんです。驚きました。病気だなんて全然知らなかった。ただ、眠れないからと毎日のように酒を呑み、執筆中はたばこを離しませんでした。なによりも三角関係のストレスが彼女の心身を蝕んだのでは…と、悔やんでも悔やみきれません」
文哉さんは唇を噛みしめ、肩を落とした。
「理沙の命日に追悼公演が開かれる予定ですが、僕は足を運ぶ資格がありません…もちろん、この後悔を悦子には口が裂けても言えません」
運命の歯車は、いつどこで狂うかわからない――。
愛と才能、嫉妬と欲望が交錯する場所には、成功の影にも、いつも代償と後悔が潜んでいるのかもしれない。
関連記事
- 49歳女「28歳の彼は可愛いペットです」閉経後に酔いしれる甘美な恋愛。“結婚”以上に求めあえるもの
- 恋愛でメンタル崩壊→「ゴムに穴開けた」って何考えてんの? 女たちの“ヤバいLINE”エピソード
- 「世界が輝いて見えたんです」15歳年下男子に“ガチ恋”する46歳女性が、夢から覚めた残酷な瞬間
- ヒカルの“オープンマリッジ”宣言、結婚する意味ある?「自由が欲しい」に抱く違和感。妻の発言も本心なのか
- 話題の「オープンマリッジ」関係、“セカンドパートナー”と何が違うの? 特殊な結婚観に世間の風当たりが強いわけ
- 「特等席を予約したから」50代女性が20代イケメンと花火デートに興じた夜。大人の余裕で落とした作戦
ラブ 新着一覧
不倫していた男性と別れた後、女性はどのような心理になるのでしょうか? 自身が既婚者なのか未婚者なのか、立場によって抱く...
アラサー以上の女性が年下男性を好む傾向は前からありましたが、最近顕著なのは、20代男性がアラサー以上の年上女性を好むよ...
今やネット・メディアを通してそのワードを目にしない日はないというほどに深刻な、日本のセックスレス問題。しかし当事者だと...
世の中には不倫に興味がある人もいるでしょう。でも、どんな事態になるのか、どんなリスクがあるのか深く考えずに突っ走るのは...
好きな人との別れはどんな形であれつらいですよね。中でも曖昧な別れは未練が残るもの。この世の終わり…などと感じる時間も長...
フジテレビや中居正広さんの一件は、いろいろと考えさせられる機会となりました。そのひとつとして「お誘い」があった時です。...
「冷酷と激情のあいだvol.233〜女性編〜」では、同い年である既婚者のカズノリさん(43歳、仮名)と不倫関係にあるもの...
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】
アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】
アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
【『ナチュラリストなモラハラ彼氏~私の洋服、ゴミにされました~』あらすじ】
アパレルショップの店長として働く麻里奈は...
数ある不倫でも「純粋な婚外恋愛」から「ビジネス成功の手段」と割り切る女性も多いだろう。今回取材に応じてくれたのは悦子さ...
同じ結婚でも、子ありか子なしかでライフスタイルは大きく違ってきますよね。家族が増える幸せもありますが、子なし夫婦ならで...
あなたは男性に裏切られた経験があるでしょうか? 今回は“人生最大の裏切り”をテーマに、5人の女性に話を伺いました。
「推し」に課金することが当たり前になってきたこの頃、その流れに便乗する人が出てきています。「自分を応援してほしい」という...
「好きなのに別れた」という苦しい選択をした人たち。未練や後悔が残りそうな選択ですが、なぜそんなつらい決断をする必要があっ...