妻が大プロジェクトメンバーに抜擢
「家事は分担制で、いずれは子どもも…と考えていた矢先、聡子に大きなプロジェクトの選抜チーム入りの話がきたんです。半年間の長丁場でしたが、彼女は『このプロジェクトに懸けてみたい。家事などの負担は英二さんにかけるかもしれないけれど、どうか理解してほしい』と頼みこんできて。
内気だった彼女が目を輝かせている。これは夫として応援せねば、と快く送りだしました。もちろん、『妻に先を越された複雑な思い』はありましたが」
その日から聡子さんは仕事にまい進するようになり、夫婦のすれ違いは徐々に深刻化していく。
「聡子は休日出勤もして、平日は夜遅く帰宅してベッドに直行。夫婦の会話は格段に減りました。僕は料理が下手なので、夕食はコンビニ弁当か外食です。
聡子はプロジェクトチームでの会食も増えて、慌ただしいなりにも生き生きとしていましたね。僕も表向きは妻を応援しているため、あまり不満が言えなかった。でも、同じ会社で活躍している妻に、ときおり嫉妬心が湧くこともありました」
英二さんの心に芽生えた苛立ちと不満は、さらに膨らんでいく。
29歳の派遣社員の女性との出会い
そんなとき、ある女性との出会いがあった。
「派遣で来た里香(当時29歳・独身)という女性です。聡子とは正反対の華やかな容姿とあけっぴろげな性格で、とにかく話しやすい。仕事もそこそこできるし、何よりも女性としての魅力にあふれていました。
「気軽に話せる間柄になって、僕がたまたま『妻のプロジェクトが終わるまで、夕食はコンビニ弁当か定食屋なんだ』とこぼすと、里香は『健康第一ですよ。今度、私がお弁当を作ってきます。料理は得意なんで』と、手作り弁当を差し入れてくれたんです。
これが驚くほど美味しくて、肉や野菜がバランスよく詰め込まれ、もう一つのタッパーにはフルーツまで。感激しました。明るく大らかな性格なので、他の社員からの評判もいい。
もちろん、手作り弁当の件は秘密です。帰宅して弁当を食べ、洗ったタッパーを翌日返す。深夜に帰宅する聡子にはバレませんでした」
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