「土下座してでもやり直したい」妻との昇進レースに負けた夫、33歳で無職に。女性部下との“関係”に逃げた顛末

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-09-26 11:45
投稿日:2025-09-26 11:45

大きすぎた不倫の代償

 離婚を選んだ2人は、後日、仲人を務めてくれた上司を交えて話し合うこととなる。その際、聡子さんは思わぬ発言をした。

「聡子は『離婚した夫とは同じ会社で働きたくない。夫が会社を辞めなければ、私が退職します』と言ったんです。

 会社で大きな実績を残し、今後も一大プロジェクトにかかわる妻の言葉は重く、結果、僕は退職する羽目になりました。懸命な就活で入社した広告代理店を辞めざるを得ない状況になり、放心状態でした」

 全ては不倫の代償だ。実家の両親とも絶縁状態になった。

 33歳にして無職。後悔と屈辱に包まれた英二さんを救ったのは、里香さんだった。

「里香は『私も会社を辞めるから、結婚してほしい。仕事は私の両親が経営するお店を手伝ってほしい』と涙ながらに言ってくれたんです。里香の親が飲食店を営んでいることを初めて知りました」

東北の小さな居酒屋で…

 結局、東北にある里香さんの実家に「入り婿」の形で行ったものの、英二さんの想像からは大きく外れていた。

「海沿いの町にある小さな居酒屋でした。里香も実家にいたころは手伝っていたそうで、だから料理も上手だったんですね。

 ただ、生活は肩身が狭いです。義理の両親と二世帯住宅で居場所はなく、あれほど尽くしてくれた里香は人が変わったように両親にべったり。

 僕は居酒屋の後継ぎとして働くことになったんですが、常連客に『よお、マスオ』と呼ばれる始末。東京の広告代理店で働いていた日々が夢のようで、聡子に土下座して『やり直したい』と謝りたい」

 ネットで検索すると、聡子さんは今、さらなる昇進を果たし、新しいパートナーと幸せに暮らしているという。一方、英二さんは「もう一度やり直したい」と悔やみながら、海沿いの小さな居酒屋で汗を流す日々だ。

 不倫の代償は「家庭が壊れる」だけでは終わらない。職も信頼も地位も、そして「自分の未来」さえ失う可能性がある――英二さんの後悔の言葉は、いま不倫に足を踏み入れている人たちへの痛烈な警告になる。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


妊活中の女性が抱えるお金より切実な悩み パートナーとの食い違い第1位は
 多様な価値観やライフスタイルが変化する中で、2022年4月より不妊治療の保険適用範囲が拡大し、人工授精等の「一般不妊治...
ミクニシオリ 2024-03-13 06:00 ラブ
気持ちいいな♡ 上手なキスと下手なキスの違いはなに?
 好きな人とのキスの相性がいいと、恋の気持ちも倍増するというもの。 でも、キスが苦手な女性もたくさんいるわけで…。「上手...
恋バナ調査隊 2024-03-13 06:00 ラブ
花粉症カップルにおすすめの屋内デート5選 おうちデートのマンネリ打破!
 花粉症の人にとっては、つらい季節になりましたね。花粉の時期の悩みといえば、「外でのデートが楽しめない」こと。とはいえ、...
恋バナ調査隊 2024-03-12 06:00 ラブ
60代で月1回の性交渉は17.7%の実態 我々はいつまで現役でいられる?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。普段からレスのつらさや...
豆木メイ 2024-03-12 06:00 ラブ
結婚に恋愛感情はいらない説を検証 家族愛のほうが大事?
 近年、「結婚に恋愛感情はいらない」といった考え方が広まりつつあります。特に、婚活中の女性からすると、紹介された男性に短...
恋バナ調査隊 2024-03-11 06:00 ラブ
私が48歳まで処女だったワケ。30代日本人女性の3人に1人が性体験なし
 はじめまして。今回、「コクハク」で「処女」に関するコラムを書かせていただくことになった、mirae.(みれ)と申します...
mirae.(みれ) 2024-10-08 11:39 ラブ
オンラインゲームは不倫の温床? 主婦が恋愛沼にハマるワケ
 近年、オンラインゲームがきっかけで、恋愛から不倫にハマる主婦が増えています。なぜ自宅でやるはずのオンラインゲームから、...
恋バナ調査隊 2024-03-10 06:00 ラブ
資産家なのに62歳まで独男のワケ 彼女からは別居婚を打診され五里霧中
「冷酷と激情のあいだvol.185〜女性編〜」では、付き合おうという話がないままに曖昧な関係が続いてきた62歳のトシオさ...
並木まき 2024-03-09 06:00 ラブ
62歳資産家からの求婚! もう結婚しないポリシーと打算で揺れるバツ1女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-03-09 06:00 ラブ
【画像あり】大谷翔平の結婚で注目されたメジャーリーガーの美人妻たち
 2月29日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(29)の電撃結婚発表は世界を驚かせ、興奮冷めやらぬ様子が続いている...
2024-03-08 06:00 ラブ
なんでも納豆がけって…夫が「バカ舌」すぎて料理作りたくない!
 家族のために手間暇かけたり、健康を考えて薄味に仕上げた料理も、夫の舌がバカ舌だと作る気がなくなりますよね(笑)。  ...
恋バナ調査隊 2024-03-08 06:00 ラブ
アラフォーが20歳年下と恋愛できるの? 占い師3人に聞いてみると…
 年下男性と恋愛する年上女性はかなり増えてきましたが、10歳以上の年の差となるとまだまだ少数派。  今回は20代男子に...
内藤みか 2024-03-07 06:00 ラブ
サバ読みした年齢で結婚は可能? いやいや、ちゃんと説明を
 大好きな彼に嫌われるのが怖くて、年齢をサバ読みしたまま付き合っているカップルたち。  でも、望んだはずの結婚の話が出...
恋バナ調査隊 2024-03-07 06:00 ラブ
今度こそダメ男に見切りをつける!事前に見抜くポイントとタイミングは?
 素敵な男性がたくさんいる一方で、女性を不幸にするダメ男もいます。でも、ダメ男の多くは、甘い言葉と巧みな会話術で女性がハ...
恋バナ調査隊 2024-03-06 06:00 ラブ
独身だと同窓会参加は気が重い? 40代の結婚は旧友がおすすめな理由3つ
 かつて苦楽を共にした仲間と再会できる「同窓会」。旧友の今を知れる楽しさもありますが、40代を過ぎても独身の人にとっては...
恋バナ調査隊 2024-03-05 06:00 ラブ
「不倫の第一歩」突然の雨、幼稚園、職場…当事者たちが振り返る瞬間5つ
 いけない恋愛だと分かっていながらも不倫に足を踏み入れてしまう男女。そもそもの出会いやきっかけはなんなのでしょうか? 不...
恋バナ調査隊 2024-03-04 06:00 ラブ