NHK朝ドラ“女房もの”はいつも話題になるが…今度の「ばけばけ」は大丈夫?

更新日:2025-10-05 17:03
投稿日:2025-10-05 17:00

 著名人の妻がヒロインの「女房もの」は、NHK連続テレビ小説の人気ジャンルとして、すっかり定着した。9月29日から始まった「ばけばけ」も、作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツをモデルにした夫婦物語である。

■「何も起きない」ジミ~な物語

 明治半ば、まだ国際結婚という言葉もないころに、島根・松江の没落士族の娘・トキ(高石あかり)は“異人さん”と結婚し、子どものころに祖母や母、近所の人から聞いた怪談や説話を夜な夜な夫に語り、夫のハーンはそれをせっせと読み物としてまとめていくという、実はかなりジミ~な朝ドラらしい。脚本家のふじきみつ彦も「何も起きない物語」と言っちゃったりしているのだが、大丈夫なのか。

 八雲はのちに再話文学の作家として評価されるが、セツと結婚していたころは現在の島根大、熊本大、東京大などを英語教師として渡り歩き、狭心症で早世する。だから、セツもとくに何かを成したり、世に知られたりするわけでもない。ドラマではそんな「名もなき人々」を描くという。

「でも、退屈させない仕掛けはいろいろあるようですね。たとえば、『耳なし芳一』『ろくろ首』などのお化けが小芝居で登場したり、ハーンはかなりの変わり者で、日本の食事はいっさい受け付けず、癇癪もちで周囲と衝突ばかりというエピソードで笑わせるはずです。また、夏目漱石とは熊本大や東京大で英語教師の先任・後任の関係なので、おそらく劇中にも登場するのでしょう。誰が漱石役をやるのかも興味あります」(テレビ情報誌編集デスク)

 これまでも「女房もの」は、いずれも話題になっている。作詞家・なかにし礼の「てるてる家族」(主演=石原さとみ)、漫画家・水木しげるの「ゲゲゲの女房」(松下奈緒)、日本のウイスキー製造の草分け・竹鶴政孝の「マッサン」(シャーロット・ケイト・フォックス)、インスタントラーメンの開発者・安藤百福の「まんぷく」(安藤サクラ)、そして前作の漫画家・やなせたかしの「あんぱん」(今田美桜)もそうだ。好評だった作曲家・古関裕而の「エール」(二階堂ふみ)、植物学者・牧野富太郎の「らんまん」(浜辺美波)は女房の話ではなかったけれど、メインキャストは実は女房だった。

「『ばけばけ』はちょっと不気味な世界も描かれるわけですが、高石あかりは若いのに演技力に定評があり、元気なだけじゃない新しいタイプの女房ものになりそうです」(前出の編集デスク)

 まさに大化けするかもしれない。

(コラムニスト・海原かみな)

エンタメ 新着一覧


【芸能クイズ】松本人志が福山雅治と「HEY!HEY!HEY!」で作った“オリジナル料理”の名前は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」羽多子らの“あの言葉”にあんぐり…のぶも感動してる場合か。落語家の年齢も気になる
 嵩(北村匠海)は「まんが教室」という番組に出演してほしいという健太郎(高橋文哉)の頼みをしぶしぶ承諾する。そして第1回...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
「あんぱん」のぶ、議員のコネ入社なのに“クビ”の謎。急成長したアキラ君と老けないオトナ達に酔いそう…
 嵩(北村匠海)が書いた詞にたくや(大森元貴)がメロディーをつけて生まれた「手のひらを太陽に」は、「みんなのうた」でも紹...
桧山珠美 2025-08-28 15:06 エンタメ
スキャンダル続出の花田優一、美女にモテまくるのは何故? 不誠実男に学ぶ「悪名は無名に勝る」メリット
 元横綱・貴乃花光司と元フジテレビアナ・花田景子を両親に持つ“親の十四光り”の花田優一。  現在、元テレビ東京アナ...
堺屋大地 2025-08-17 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか
 舞台公演は成功裏に幕を閉じる。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩(北村匠海)。そこに、また一緒に楽しい仕事をしようとた...
桧山珠美 2025-09-04 12:26 エンタメ
カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
 カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&...
帽子田 2025-08-15 11:45 エンタメ
島崎遥香31歳、40代を迎えても「幸せの更新」方法は変わらない。カテゴライズせず“ぱるる”として生きていく
 昨年、初めての著書『ぱるるのおひとりさま論』(大和書房)を出版するなど、このところ「ひとりが好き」「結婚願望はナシ」と...
望月ふみ 2025-08-14 11:45 エンタメ
ドラマ『しあわせな結婚』の奇妙な違和感。松たか子らの“ちぐはぐさ”は計算どおりなのか?
『光る君へ』『ふたりっ子』『大恋愛』などで知られるベテラン脚本家・大石静さんの完全オリジナル作品として、夏ドラマの中でも...
「あんぱん」六原永輔=永六輔の“言葉”に違和感が…。いせたくや(大森元貴)らの記憶力も凄すぎる
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は互いに隠していたことを打ち明け、新たに前を向く。それから7年の歳月が流れ――、未だ漫...
桧山珠美 2025-08-13 18:06 エンタメ
【芸能クイズ】ヒントは有名コンビ!「佐藤嘉彦・粋子」が本名な芸人は誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
空前のオカルトブーム! 大人も楽しめる「夏のホラーアニメ」3選。平成の“トラウマ級”作品が令和にリメイク
 近年、小説や映画を中心に巻き起こっているホラーブーム。Web記事から単行本化された小説を原作とし大ヒット映画となった「...
ヒカキンは本当に“聖人”だったのか? 炎上騒動で見えたトップYouTuberの人間くささ
 日本を代表するYouTuber・HIKAKIN(以下、ヒカキン)が、パクリ動画を公開したことで炎上しました。  ...
堺屋大地 2025-08-14 10:37 エンタメ
「あんぱん」のぶの不器用設定はどこへ? ボツ原稿を持ち歩く嵩…まだまだあるクエスチョン
 独立した嵩(北村匠海)は独創漫画派という集団に所属し、そこで割り振られた仕事をこなしていた。だが、決して順調とは言えな...
桧山珠美 2025-08-11 17:03 エンタメ
キンプリ岩橋玄樹、A.B.C-Z戸塚祥太ら夏の深夜ドラマ、極上イケメン4選。“フェミ男”の二世息子も俳優デビュー
 常夏の国、ジャパン 日本列島沸騰中です! 連日、熱中症警戒アラートが発令し、無駄な外出はしないようにと呼びかけます。コ...
1位の道枝駿佑を抜いた!2025年上半期「国宝級イケメン」を検索数でランキング。最も調べられた日の出来事は
 7月15日、「ViVi国宝級イケメンランキング 2025年上半期」(以下、「ViViランキング」)が発表されました。N...
こじらぶ 2025-08-10 11:45 エンタメ
「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?
 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った...
桧山珠美 2025-08-09 10:38 エンタメ