所ジョージも捨てセリフ? テレビ局の番組改編があまりにセコすぎる…オワコンの始まりか
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
秋の番組改編期を経て10月から新番組が続々と始まっているが、華々しくスタートというよりは経費削減に伴うセコさが気になる「セコ番組」が目立つ。
たとえば9月29日(月)からフジテレビでスタートしたのが「旬感LIVEとれたてっ!」。2年前に始まった関西テレビ制作のローカル番組をこの秋から関東地方でも見られるようになった。MCは元日テレ青木源太。なんでもこの番組が決まった時に関西に一家で移り住むという気合の入れようだ。退路を断って挑んだが、関西人はそういう人に優しい。
おかげで番組は好調のようだが、今回フジテレビに相乗りされ、フジに忖度したのか、途中で東京のフジテレビからアナウンサーがニュースを読み上げたり、天気も東京方面まで拡大し、おそらく関西色強めな番組を気に入っていた視聴者からすれば噴飯ものでは。
そんな事態になったのもフジのせいだ。しかも放送は後半の1時間だけの中途半端さ。「ぽかぽか」終了後の1時間はドラマの再放送枠だからのようだが、やるなら2時間丸々乗っかれよだ。
さもなくば、キー局の矜持をもって、新しく昼の情報番組を立ち上げろよって話。「3時のあなた」の森光子が天国で泣いているぞ。
もう一つ。土曜の朝のTBS系で放送されていた「所さんお届けモノです!」。9月で終了、最終回、所ジョージが「ま、私は他にもいっぱい番組に出ていますんで、そちらをご覧ください」と捨てゼリフ!?
■薄いカルピスを“水増し”
問題はここから。新番組は何になるのかと思ったらなんと、後番組「サタデープラス」を30分早めて拡大、タイトルを「サタプラ」に変更するとのこと。どちらも同じ毎日放送制作だが、ギャラの高い所さんを切ることで制作費を浮かそうという考えはわかるが、セコいのが後番組をうっすら伸ばすやり口だ。
そもそも薄いカルピスを、まだいけると水でかさ増しするようなやり口に呆れるばかりだ。
土曜といえばNHKも9月で「土曜ドラマ」の枠を終わらせた。「クライマーズ・ハイ」や「ハゲタカ」「足尾から来た女」「64(ロクヨン)」など数々の名作ドラマを輩出した枠がなくなってしまうのは本当に残念だ。もっともNHKはNHKスペシャル「未解決事件シリーズ」をレギュラー化するとのことで、そちらも楽しみだが。
テレビ朝日も「激レアさんを連れてきた。」を終わらせ、後番組は堂本光一と加藤シゲアキがMCの「光一&シゲのSHOWマン!!」に。2026年春にオープン予定のテレビ朝日の複合型エンタメ施設「東京ドリームパーク」内の劇場宣伝を目的とした番組らしいが、旧ジャニーズタレント頼みの番組がまた一つとため息しか出ない。
セコ過ぎる。テレビが自ら「オワコン」に向かっている証しではないか。
(桧山珠美/コラムニスト)
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