お笑い業界関係者が指摘「ダウンタウンプラス」の厳しい勝算…コンテンツの質・量・更新頻度が当面の課題に

更新日:2025-10-08 17:03
投稿日:2025-10-08 17:00

 ダウンタウンの松本人志(62)と浜田雅功(62)による、インターネット配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」が11月1日夜に配信スタートすることが正式発表された。

 同サービスは、月額1100円、年額1万1000円(いずれも税込み)の2つのプランが選べる定額制。すでに、松本による大喜利や「笑ってはいけない」のようなコンテンツが収録されたと報じられており、さらにはダウンタウンの過去の番組のアーカイブも配信されるという。

 松本にとっては、「週刊文春」による“性加害疑惑報道”以降、1年10カ月ぶりの芸能活動再開となる。しかし、なんの説明もないままの復帰に違和感を抱く視聴者も多いはず。その一方で、「DOWNTOWN+」の公式Xの登録者は現段階で7.2万に達しており、“ファン待望”などと、期待感をアオる報道も目立つようになってきた。

 果たしてその“勝算”はどうなのか。お笑い関係者に本音を聞いてみた。さるお笑いバラエティー番組関係者は声をひそめてこう話す。

「率直に言って、現段階ではダウンタウンプラスが成功する見込みは薄いでしょうね。成功のカギはコンテンツの質・量・更新頻度でしょうけど、それらを満たせるかは疑問です。質に関しては実際に見ないとわからないですが、量や更新頻度に関しては、月会費が同程度のネトフリやアマプラの足元にも及ばないでしょう。課金ユーザーを定着させるには、ここでしか見られない画期的な面白さのある企画をやり続ける必要があるわけですが、どんなに松本さんの企画力が優れていても、格別な面白さのあるものを量産し続けるのは容易なことではありません」

 地上波のバラエティーであれば、たまたま見て面白いと思う人もいるかもしれないが、閉じた有料のコンテンツは表に出ることがないので、新たなファン層が広がっていくことは簡単ではないのではないかとこの関係者は言う。

「話題性はあるので最初に加入するユーザーの数はある程度多くなると思いますが、それを長く維持するのは難しいのではないでしょうか」

 さらに地上波から配信番組までに携わる、別のお笑いメディア関係者の見立てはこうだ。

「料金設定については妥当だと思います。テレビでは見られないもの、しかも海外を意識した日本独自のプラットフォームでの配信という意味では非常に画期的。成功する、しないにかかわらず、この動きそのものを見る価値はあると思います」

「女性からの支持は得られると思うか」という問いにはこう答えた。

「ネットのコメントを見ると松本さんに対する批判が多いんですが、お笑い好きと話していると意外と気にしていない女性が多かったりもする。芸能プロのマネジャーに『オファーがあったら出ます?』と聞くと、『即決で出ます』とだいたい答えますから、タレントが出演を渋ることも考えにくい。お笑い芸人に倫理を求める方がどれだけいるのか。今回、そこも具体的な数字として表れるのではないでしょうか」

 さらにこう続けた。

「こういう配信サービスが始まることは、すごく今の時代を反映していると感じます。SNSや動画配信サービスが普及し、世界的にテレビを見る人は減少傾向にあります。失言やスキャンダルによって芸能活動ができなくなったり、そんな空気感を打破しようともがくコメディアンがいたりする現状も同じです。だからこそ、能動的な視聴者をターゲットとする有料の配信メディアが支持されやすい。その意味で、ダウンタウンプラスは今後のエンタメ業界を占う意味でも注目の存在だと思いますよ」

 果たして、結果はどうなるのか。

  ◇  ◇  ◇

「テレビの絶対王者」だったはずのダウンタウンの凋落の始まりなのか? 関連記事【もっと読む】迫り来る「ダウンタウンが地上波から消えるXデー」…「ダウンタウンDX」に続き「浜ちゃんが!」が突然終了…では、その兆候の有無について分析している。

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」のぶの“嵩の二倍好き”に見える負けず嫌いっぷり…。ノロケを聞く八木、いい人すぎるよ!
 のぶ(今田美桜)は嵩(北村匠海)にひどいことを言ってしまったと、八木(妻夫木聡)に愚痴をこぼしていた。一方、元気のない...
桧山珠美 2025-07-26 11:23 エンタメ
「ダブルインパクト」は“成功”だったのか? 現役芸人が感じる優れた点と3つの不満
 漫才とコントの両方で競う新たな賞レース『ダブルインパクト〜漫才&コント 二刀流No.1決定戦〜』(日本テレビ系)が7月...
帽子田 2025-07-25 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)の“言葉”に心が動かされた…。トンデモ演出にちょっとだけ不安
 地震から2日後。未だ高知と連絡がつかず、居ても立っても居られないのぶ(今田美桜)。そんなのぶに、八木(妻夫木聡)はあい...
桧山珠美 2025-07-24 16:39 エンタメ
【写真特集】天海祐希の美デコルテにうっとり♡ 粋な着物姿も
【この写真の本文に戻る⇒】教師になってほしい有名人、第2位は天海祐希! 第1位は野球選手がランクイン。GTOやヤンクミは...
夏ドラマ、何見てる? 斎藤工『誘拐の日』には“顔面偏差値が高い”の声。TV版『ちはやふる』の評判は?
 2025年夏、注目の新ドラマシーズンが開幕しました。話題の続編や名作のリメイク、そして新感覚のオリジナル作品と、見逃せ...
「あんぱん」のぶと八木にラブコメ展開の予感がする…! 嵩には“ジェラシー”がよく似合う
 ハンドバッグを渡しそびれた嵩(北村匠海)に、蘭子(河合優実)はなぜのぶ(今田美桜)に気持ちをぶつけないのかと尋ねる。羽...
桧山珠美 2025-07-22 18:32 エンタメ
「あんぱん」ヤムさん(阿部サダヲ)の変わらぬ風貌が謎だ。釜じいの“一言”が今回のハイライト
 釜次(吉田鋼太郎)の葬儀が営まれる中、草吉(阿部サダヲ)が姿を現す。またあんぱんが食べたいと言うのぶ(今田美桜)たちに...
桧山珠美 2025-07-19 11:15 エンタメ
「あんぱん」紅白未出場、浅田美代子の歌唱をここで聞けるとは。吉田鋼太郎の笑顔もグッとくる
 三姉妹揃っての朝田家ご帰還。朝ということは、蘭子(河合優実)は昨夜、のぶの家にお泊りしたのでしょうか。ならば、久々の三...
桧山珠美 2025-07-17 17:39 エンタメ
選挙 行ってみなきゃ言えなくね? 人気男性グループが“ラップ”で投票を呼びかけ「最高!」「こんなアイドルいる?」と反響
 7月20日に行われる第27回参議院議員通常選挙(以下、参議院選挙)を控え、11人組ボーイズグループ・INIの池崎理人さ...
「あんぱん」薪鉄子が持つ“小道具”の細かさに気づいた? すれ違いコントは見なかったことにします
 鉄子(戸田恵子)からの電話に出た東海林(津田健次郎)は、ひとり考え込んでいた。鉄子がそんなに怒っていたのかと、慌てて謝...
桧山珠美 2025-07-16 17:31 エンタメ
もはや『M-1』は芸人だけのものじゃない? 万博、地方創生…吉本が目指す“次のフェーズ”
 6月25日、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2025』(テレビ朝日系)の開催会見が東京・渋谷よしもと漫才劇場で開かれ...
令和ロマン・高比良くるまが“騒動”で得た「天下を獲る」ために必要な武器
 オンラインカジノ問題をめぐって活動を休止していた令和ロマンの高比良くるまさんが4月28日、約2か月ぶりに復帰しました。...
田原俊彦よ、「※ただしイケメンに限る」はもう通用しない。世のオジサンは彼の“勘違い”から学ぶべし
 6月15日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)にて、ゲスト出演した田原俊彦が、女性アナウンサーにセクハラを...
堺屋大地 2025-07-14 11:50 エンタメ
【募集】夏ドラマ何見る? 期待してる&ガッカリを教えて!『ひとりでしにたい』『ちはやふる』『しあわせな結婚』etc
 コクハクでは2025年名夏ドラマを対象としたアンケートを実施します。7月よりスタートする夏ドラマ、「期待している」「面...
「あんぱん」嵩らの“腹痛”は史実とちょっと違う? 懐かしい2人の登場には狂喜乱舞! 生きていてよかった…
 東京に到着したのぶ(今田美桜)たちは、さっそく聞き込みを始めるが「ガード下の女王」はなかなか見つからない。みんなで屋台...
桧山珠美 2025-07-11 18:33 エンタメ
「あんぱん」メイコ、夢はお嫁さんでいいのか? 健太郎(高橋文哉)ともう1人の“三角関係”を妄想する
 東京出張の前日。みんなで取材する代議士の資料を確認していたのぶ(今田美桜)は、岩清水(倉悠貴)が話す「ガード下の女王」...
桧山珠美 2025-07-10 18:34 エンタメ