横浜流星、『国宝』はここから? “圧巻の演技”を見せた出演作4選。吉沢亮とは2012年に共演、肉体美の披露も

zash
更新日:2025-10-21 11:45
投稿日:2025-10-21 11:45

鍛え上げられた肉体美『きみの瞳が問いかけている』(2020)

 2011年の韓国映画『ただ君だけ』を『アオハライド』(2014)などで知られる三木孝浩監督がリメイクした本作は、過去に大きな罪を犯したキックボクサーのアントニオ(横浜流星)と事故で視力を失いながらも懸命に生きる柏木明香里(吉高由里子)の姿を描いています。

『国宝』で血のにじむような役作りを敢行し、歌舞伎役者としての苦悩と葛藤、そして女形としての圧巻のパフォーマンスを披露した横浜さん。その役にかける情熱が形成された作品が本作なのではないでしょうか。

 日本の映画やドラマというのは、他国に比べて役作りの期間が短いと言われています。そんな中で、横浜さんはキックボクサーという役どころに説得力を持たせるため、約2か月にわたり、ジムに通いプロキックボクサーからの指導を受けました。

 特訓に次ぐ特訓の日々を送った横浜さんは、撮影開始前に10kgの体重増量に成功。劇中では鍛え上げられた肉体美を惜しみなく披露しています。

 特訓の甲斐あって、格闘シーンにおけるフォームだけに限らず、歩き方や仕草にまでボクサーらしさが現れるようになり、しっかりとリアルなボクサー像を体現することに成功しています。

国宝監督とタッグ『流浪の月』(2022)中瀬亮役

『国宝』の監督を務めた李相日監督と横浜さんは2022年の映画『流浪の月』でもタッグを組んでいます。

 本作は、第17回本屋大賞を受賞した凪良ゆうによる同名小説を原作に、誘拐犯の男と誘拐された少女の恋愛とも友情とも言えない関係性を描いた一本。横浜さんは、広瀬すずさん演じる誘拐された過去を持つ女性・更紗のボーイフレンドである中瀬亮役に扮しています。

 比較的、悪役のイメージが弱い横浜さんが、本作では女性に対して暴力をふるい、更紗をいつまでも束縛し続ける最悪の彼氏を見事に演じ切っています。実家は農家で土地持ち、上場企業の正社員というハイスペック男が携える凶暴性を体現しているのです。

 李監督は俳優のイメージにとらわれない新たな境地を魅せることに長けた監督であり、横浜さんも本作で俳優として一つ成長できたと後に語っている通り、物静かでクールな印象だった横浜さんが声を荒げ、感情的になる姿は必見!

 本作は第46回日本アカデミー賞において、優秀作品賞を含む6冠を達成。横浜さんも優秀助演男優賞を受賞する快挙を成し遂げましたが、当時、李監督からは「まだ早い」という言葉をもらったそうです。

子どもの頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…
 8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。竹中(高橋努)は渾身の記事を書き、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純...
桧山珠美 2024-09-12 16:53 エンタメ
岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
この投稿をInstagramで見る 映画『ラストマイル』公式【大ヒット上映中】(@...
【写真特集】若っ!金髪姿の岡田将生。浴衣、くるんくるんパーマヘアも…
【この写真の本文に戻る⇒】岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ