村上春樹またしても受賞ならずに「もう良くないか?」 ノーベル文学賞狂騒曲に向けられるネット上の冷ややかな視線
10月9日に発表されたノーベル文学賞の受賞者はハンガリー人作家、クラスナホルカイ・ラースロー氏(71)だったが、日本では一部の層がガックリ……そう、「ハルキスト」たちの間で落胆が広がったのだ。
ハルキストとは、もちろん作家の村上春樹氏(76)のファンのこと。村上氏をめぐっては、毎年、ノーベル文学賞の発表が近づくたびに「今年こそ受賞だ!」とハルキストの間で盛り上がるように。発表日には日本各地でハルキスト御用達のカフェなどで吉報を待つ“集会”が開かれるなどしている。
今年も例年通り、惜しくも(?)受賞ならずの結果となり肩を落としたわけだが、その一方で、X(旧ツイッター)では、《ところで毎年不思議なんだけど、『村上春樹はノーベル文学賞候補』って言ってるのは一体誰なの?》といった疑問の声が噴出。《村上春樹のノーベル賞受賞ならずのニュースはもうよくないか?》と、秋の風物詩となった空騒ぎを揶揄する投稿も多い。
“受賞狂騒曲”に対するネット上の反応は、総じて冷ややかなものと言えそうだ。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、そうしたクールな“目線”について、「自分が嫌いなアーティストのコンサートに向けられる目線に近いのでは?」と、こう続ける。
「例えるなら、そのコンサートが行われている球場近くのアウトレットに来ている客が、『あいつのコンサートか。うるせえなあ』と思いながら、音楽をまき散らすその球場に冷ややかな視線を向けているとでも言えばいいのではないでしょうか。端的に言うと、『いけすかねえな』という感情です。ハルキストは文学ファンの中でも非常にユニークな層と評されることが多いですが、それゆえに、他の文学ファンや一般人からは、『今年こそ受賞だ!』と信じて疑わない姿勢が、どこか“かたくな”に感じられ、その結果として冷ややかな視線を浴びせるということにつながっているのではないでしょうか」
部外者にとって受賞狂騒曲は“閉じた盛り上がり”なわけで、そんな謎めいたものに対するちょっとした不審感とでも言うべき感情なのかもしれない。
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