トキの「知っちょるけん」は優しい嘘?
「どういうことじゃ、説明せい」と三之丞に詰め寄る傳。「無理です。いつも兄ばかり優遇されて何も教わっていない三男坊が、いまさら都合よく駆り出されても!」
感情が爆発してしまった三之丞。「なのにおトキは…。長男でも、雨清水家の子どもでもないのに目をかけられて…。何故かと思えばなんのことはない。うちの子だった。うちの…私の…姉上だった」。ついに秘密を暴露してしまいました。
そんな三之丞を見つめるトキの目には涙があふれているようにみえましたが、まるで聞こえなかったかのように、三之丞を無視。「もう少しの辛抱ですからね」と傳に声を掛けました。
止まらない三之丞。傳に近づき、「手放したぶん愛おしくなるのなら…。だったら私もよそで育ちたかったです」と三之丞。「何をいうんじゃ…」と傳の手が三之丞の顔を優しく撫でました。
少し冷静になった三之丞。トキに、「急にこんな話をして、ごめん」と謝りました。
意を決したようにトキが口を開きました。「もう知っちょるけん。知っちょります、すべて」。誰かに聞いたわけでなく、なんとなくそうではないかと思っていた、と語るトキ。
これがその場を収めるための優しい嘘なのか、ほんとうのことなのかはわかりませんが、トキが誰よりも一番おとなだったということでしょうか。
そして、傳は亡くなりました。松野家では、いつものように明るく振舞ってトキを気遣います。
「ちょっと一人になりたい。一人になって取り乱したい」とトキ。「いくらでもいくらでも取り乱してらっしゃい」「好きなだけ取り乱してこいよ」そんな声に送られて、いつもの手洗い場で、ひとりで泣きます。そこに幼なじみのサワ(円井わん)が現れ、サワに抱きついて、思いっきり泣き叫び、感情を爆発させることができました。
辛く悲しい場面でしたが、「取り乱したい」の応酬がコミカルで、可笑しさがあり、救われました。
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