葛飾北斎の舞台で娘・お栄を演じる雛形あきこさんに聞く「枠に収まらない親子関係はすごく魅力的です」

更新日:2025-10-18 17:03
投稿日:2025-10-18 17:00

「富嶽三十六景」で知られる江戸の浮世絵師、葛飾北斎。今、北斎が舞台や映画、展覧会などで取り上げられ、ブームになっている。本日17日が初日の舞台「新 画狂人 北斎」が上演される。父・北斎とともに生きる娘・お栄を演じる雛形あきこさんに話を聞いた。

 今回の北斎の舞台は2023年にも出演した舞台の再演ですが、「新」とついていてほぼ新作のような内容です。私が演じる娘のお栄もまったく違う仕上がりで、1か0からのスタートのような感じです。

 北斎というと「富嶽三十六景」の富士山のイメージが強いですが、調べてみると北斎漫画、肉筆画もあります。90歳近くまで長生きして引っ越し九十数回、ダメなところやチャーミングなところもあって調べれば調べるほど面白い人物です。お栄は一度結婚したけど、頭にあるのは絵のことばかりで離婚し、父親の元で絵を描く不思議な親子関係ですが、枠に収まらない2人がすごく魅力的です。

 西岡德馬さんとは10代から仕事でご一緒させていただいています。この間、79歳になられたけど、エネルギッシュでそれこそ北斎みたい(笑)。宮本亞門さんはこうして欲しい、ああして欲しいというと何でも取り入れてくれる方です。「ここはお栄の心境として無理がないか」と繊細に話を聞いてくれます。今回、北斎と対立するキーマンの鳥居耀蔵をtimeleszの寺西拓人君が演じます。忙しい中でお稽古を頑張っていますが、寺西君がいない間にお芝居がどんどん変わっていくので大変だと思います。

 私はグラビアの印象が強いと思いますが、元々はお芝居がやりたくてこの世界に入りました。前の事務所の野田義治社長には入る前に、最初にドラマやお芝居をやりたいと言いました。すると「うちはグラビアの事務所なので、それをやって、好きなことも絶対にやらせてあげる」と約束してくれた。そしてグラビアで売り出してくれて、ドラマやバラエティーと幅を広げることもできました。

「ストーカー・誘う女」でグラビアのイメージが一変

 ドラマはやはり「ストーカー・誘う女」(1997年)、バラエティーは「めちゃ×2イケてるッ!」(96~2018年)が大きかったですね。

「ストーカー・誘う女」は20代です。今と違ってSNSがない時代ですから、最初は反響がよくわからなかったけど、視聴率がすごくよくなってきてから「すごいね」と言われることが多かったですね(最高視聴率25.6%=関東地区)。それまでドラマで主演したこともありましたが、グラビアのイメージが強かったので、あのドラマで自分の存在を認識していただけたと思っています。

 昨年、事務所から独立して(夫と)2人の会社を設立。これまではお互いの仕事を一つ一つ見ることがあまりなかったけど、今は私を一番よく知ってくれている人がアドバイスして、それを受け入れる環境になりました。私にとっていい変化だなと思っています。

◆舞台「新 画狂人 北斎」(17~22日、紀伊国屋ホールを皮切りに全国で順次上演)

エンタメ 新着一覧


東海林(津田健次郎)はエラいのかポンコツなのか? ともあれ“ツダケン”の魅力的な演技に惚れ惚れ
 高知新報が夕刊発行の申請をし、のぶ(今田美桜)は編集長を任された東海林(津田健次郎)と先輩記者の岩清水(倉悠貴)と共に...
桧山珠美 2025-07-01 18:19 エンタメ
【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ
大泉洋こそ“真のモテ男”じゃないか?「かくかくしかじか」の圧倒的な存在感に新たな一面を見た
  先日、いろんな意味で話題の映画「かくかくしかじか」を鑑賞してまいりました。「東京タラレバ娘」や「海月姫」などのヒット...
「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ
曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ
【募集】2025春ドラマの感想は? 面白かった&ガッカリを教えて!『対岸の家事』『最後から二番目の恋』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「面白かった」作品や「...
72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
 去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グラ...
「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ