葛飾北斎の舞台で娘・お栄を演じる雛形あきこさんに聞く「枠に収まらない親子関係はすごく魅力的です」
「富嶽三十六景」で知られる江戸の浮世絵師、葛飾北斎。今、北斎が舞台や映画、展覧会などで取り上げられ、ブームになっている。本日17日が初日の舞台「新 画狂人 北斎」が上演される。父・北斎とともに生きる娘・お栄を演じる雛形あきこさんに話を聞いた。
今回の北斎の舞台は2023年にも出演した舞台の再演ですが、「新」とついていてほぼ新作のような内容です。私が演じる娘のお栄もまったく違う仕上がりで、1か0からのスタートのような感じです。
北斎というと「富嶽三十六景」の富士山のイメージが強いですが、調べてみると北斎漫画、肉筆画もあります。90歳近くまで長生きして引っ越し九十数回、ダメなところやチャーミングなところもあって調べれば調べるほど面白い人物です。お栄は一度結婚したけど、頭にあるのは絵のことばかりで離婚し、父親の元で絵を描く不思議な親子関係ですが、枠に収まらない2人がすごく魅力的です。
西岡德馬さんとは10代から仕事でご一緒させていただいています。この間、79歳になられたけど、エネルギッシュでそれこそ北斎みたい(笑)。宮本亞門さんはこうして欲しい、ああして欲しいというと何でも取り入れてくれる方です。「ここはお栄の心境として無理がないか」と繊細に話を聞いてくれます。今回、北斎と対立するキーマンの鳥居耀蔵をtimeleszの寺西拓人君が演じます。忙しい中でお稽古を頑張っていますが、寺西君がいない間にお芝居がどんどん変わっていくので大変だと思います。
私はグラビアの印象が強いと思いますが、元々はお芝居がやりたくてこの世界に入りました。前の事務所の野田義治社長には入る前に、最初にドラマやお芝居をやりたいと言いました。すると「うちはグラビアの事務所なので、それをやって、好きなことも絶対にやらせてあげる」と約束してくれた。そしてグラビアで売り出してくれて、ドラマやバラエティーと幅を広げることもできました。
「ストーカー・誘う女」でグラビアのイメージが一変
ドラマはやはり「ストーカー・誘う女」(1997年)、バラエティーは「めちゃ×2イケてるッ!」(96~2018年)が大きかったですね。
「ストーカー・誘う女」は20代です。今と違ってSNSがない時代ですから、最初は反響がよくわからなかったけど、視聴率がすごくよくなってきてから「すごいね」と言われることが多かったですね(最高視聴率25.6%=関東地区)。それまでドラマで主演したこともありましたが、グラビアのイメージが強かったので、あのドラマで自分の存在を認識していただけたと思っています。
昨年、事務所から独立して(夫と)2人の会社を設立。これまではお互いの仕事を一つ一つ見ることがあまりなかったけど、今は私を一番よく知ってくれている人がアドバイスして、それを受け入れる環境になりました。私にとっていい変化だなと思っています。
◆舞台「新 画狂人 北斎」(17~22日、紀伊国屋ホールを皮切りに全国で順次上演)
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