NHK「未解決事件」レギュラー化…中身が濃すぎて息切れが心配
AIを駆使して、難事件もたちどころに犯人逮捕とならないだろうか。NHKシリーズ「未解決事件」を見るたびにそう思わずにいられない。これまで「グリコ・森永事件」「ロッキード事件」「松本清張と帝銀事件」など、不可解な未解決事件をドキュメンタリーと再現ドラマで取り上げ、この10月からレギュラー化された。
「東京ドラマアウォードやギャラクシー賞を受賞するなど、高く評価されてきました。膨大な資料を調べ直し、新たな取材で新事実・新証言を発掘し、さらに最新の技術で証拠や映像を再分析と、まあ時間もカネもかけてます。事件発生当時は、プライバシーや捜査上の秘密もあって報じられなかったことも、何年かたって明らかにできることも多い。謎解きミステリーとしても秀抜です。産休・育休明けのエースアナ、和久田麻由子をさっそくキャスター兼ナレーターに起用したことでも、NHKがこの番組に力を入れているのがわかります」(テレビ情報誌編集デスク)
NHKはこの10月から、スマホやタブレットで総合とEテレを同時視聴・見逃し再生が可能になる有料配信(受信料契約世帯は追加なし)をスタートさせた。「未解決事件」のレギュラー化は新業務の目玉番組でもあるのだ。
来週は積水ハウス「56億円地面師事件」
レギュラー化第1弾のファイル01は、東京・八王子のスーパー「ナンペイ」強盗殺人事件。18日放送のファイル02は、再現ドラマ+ドキュメンタリーの2本立てで「北朝鮮 拉致事件」だ。ドラマ編では公安刑事(高良健吾)の難航する捜査と拉致被害者の蓮池薫さんの体験が描かれる。ドキュメンタリー編では当時の外事警察官らの証言で、なぜ捜査は行き詰まったままなのかを浮き彫りに。さらに、25日放送のファイル03は、都心の一等地の所有者に成りすまして、積水ハウスから56億円をだまし取った「地面師詐欺事件」の巧妙な手口を解明する。
「未解決事件には免田栄さんのような冤罪もあるわけで、犯人たちは凶悪な事件を起こしながら、いまもシャバでのうのうと暮らしています。この番組をきっかけに、新たな情報が提供され、真犯人逮捕につながったらと思いますね」(元検事の弁護士)
心配なのは息切れ。これだけ中身の濃い番組を毎週続けていくのは、NHKでも相当しんどいはずだ。無理せず、1週間おきくらいでいいんじゃないか。
(コラムニスト・海原かみな)
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