「ばけばけ」銀次郎、逃げて~! あさイチ・博多大吉の言葉に同意してしまった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-10-20 17:40
投稿日:2025-10-20 17:40

第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」#16

 傳(堤真一)の死から数日、機織り工場は閉鎖が決まり、トキ(髙石あかり)は仕事を失ってしまう。借金取り・森山(岩谷健司)は容赦なく松野家に返済を要求し、トキに遊女となるよう提案する。

 それでも、なんとかなるとお気楽な松野家の面々の中、銀二郎(寛一郎)は一人、危機感を覚える。銀二郎はトキを守るため、仕事を増やそうと森山に仕事を紹介してもらうが、朝から朝まで働くことになった銀二郎の負担は相当なものだった。

【こちらもどうぞ】「ばけばけ」“闇落ち”三之丞(板垣李光人)が切ない…トキ(髙石あかり)の言葉は優しいウソなのか

【本日のツボ】

銀二郎、松野家から出奔!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 それにしても松野家は婿殿を酷使し過ぎです。朝から晩まで働きづくめなうえに、夜は遊郭の客引きまで。松野家の借金のために、そこまで身を粉にして働いている銀二郎に対して、感謝するどころか、勘右衛門などは「我が家の格が下がる」ですから。「帰るぞ」と言うも、動こうとしない銀二郎。

「何をしちょる。これ以上、恥をさらすな」と勘右衛門の言葉に、「格を気にしとる暇はございません。一家5人、生きてゆかねばならぬのございます。そのために私は…。おじじ様もいっそ、鎧や刀を売って、金を作ってはいかがですか!」と、あの従順な銀二郎がついに爆発しました。 

「おじじ様、私はいずれ当主を継ぐものとして…」、そんな銀二郎の言葉を遮るように、「要らぬわ~。おぬしが恥を晒して得た金など、松野家には要らん! 一銭たりとも入れるでないぞ」と勘右衛門。武士のプライドが許さないようです。

 剣の稽古をしていたあの仲良き姿がもう見られないのかと思うと、悲しくなります。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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