更新日:2025-10-25 11:45
投稿日:2025-10-25 11:45
「一度、同居を始めてしまったら、きっと解消できないでしょう? 不安しかありませんよ。
それに、アプリには父親との同居が条件なんてまったく書いてなかったし、付き合い始めてからもそんな話はなかった。結婚に向けて動き出した途端、彩子ちゃんが言い出したんです」
タカオさんは彩子さんに、せめて新婚のうちは、夫婦だけでの生活を提案したものの、『無理』とバッサリ。
「この状態のまま、結婚へと進んでいいものですかね…。なんとか今の状況を打破したいのですが、彩子ちゃんが歩み寄る姿勢はゼロ。
最近、ほんとに彼女は俺と夫婦になりたいのかな? って疑問も持ち始めてしまっています。お父さんのことは抜きにして、俺という人間を見てくれているんだろうかって…」
結婚はしたいけれども、義父との同居は避けたい。ジレンマに陥った高尾さんはため息交じりにこぼします。
「中年の婚活は一筋縄ではいかないって仲間からは聞いていたんですけど、こういうことなんですかね。う〜ん…、でも、やっぱり同居はしたくないですね。
なんとかして、せめて最初の数年は夫婦だけで新生活を送れるように、もう一度彩子ちゃんと話してみようと思います」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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