「ザ・ロイヤルファミリー」は壮大な競馬ドラマになりそうな予感…馬券を買わない人でも毎回2度は泣かさせる?
毎週末に競馬場に通うヘビーな競馬ファンも、馬券は一度も買ったことがない素人も、秋ドラマの日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(TBS系)はまずまず面白く楽しめそうである。
■JRAも協力、武豊や戸崎圭太が実名出演
仕事にやりがいを感じられなかった税理士(妻夫木聡)が、競走馬に魅了されたワンマン社長(佐藤浩市)の秘書となり、2人で有馬記念で勝つというとんでもない夢を見る──。日本中央競馬会(JRA)、日本馬主協会連合会、日本騎手クラブ、生産牧場「社台ファーム」など、競馬関係者が全面バックアップしたスケールの大きなドラマだ。
「実際の厩舎内部や厩務員の仕事ぶり、パドックからレースに向かう馬の息遣い、騎乗前の騎手の点呼と緊張、テレビ中継では流れない馬群の後ろからの映像など、初めて見るシーンが多く、次が見たいと思わせますね」と、競馬歴60年のファンは話す。
GⅠレースは必ず馬券を買うという女性ファンも、「武豊や戸崎圭太らの人気ジョッキーが実名で出演して、ちょこっとセリフをしゃべったり、天皇賞や宝塚記念に出走したマイネルファンロンが新潟競馬の優勝馬の役で登場したりと、思わず拍手してしまうエピソード満載で楽しめます」と笑う。
有馬記念の直前に最終話
競馬はまったくの素人という視聴者にも見どころは多い。
まず北海道日高地方の四季。エゾシカがたたずむ白樺の小道、どこまでも広がる放牧場の向こうの雪の山並み、コンブ漁でにぎわう海の景色もある。「ワラ(飼い葉)をモグモグしてるお馬さんがかわいい」というSNS投稿も多い。
「そして、涙腺を刺激しまくりシーンが巧妙にちりばめられています。脚にクセがあり、走りが心配な馬まで購入して、『馬の価値はな、数字なんかじゃないんだよ』とうそぶくワンマン社長、自分が育てた馬がやっと出走できて大泣きする小さな牧場の牧場長(尾美としのり)、『勝ってほしいなあ』とそっとつぶやく元税理士の昔の恋人の思慕と、毎回必ず2回は泣かせます。ドラマはこれから、おそらく目黒蓮が演じる隠し子や何代も続くサラブレッドの血統など、人と馬の『継承=一族』が描かれていくのでしょう」(テレビ情報誌編集デスク)
毎話のクライマックスで、その週の主人公となった馬の出走シーンが流れ、思わず「がんばれ!」と応援してしまう仕掛けもうまい。
ドラマは12月28日開催の有馬記念の直前に最終話となるが、国内最高峰で勝つという夢は実現するのか。早見和真の同名原作では、実現するような、夢で終わるような……。
(コラムニスト・海原かみな)
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