更新日:2025-11-10 11:45
投稿日:2025-11-10 11:45
悪気はないけれど…埋まらない距離感
「“うちの孫”って言うなら、なんで世話しようとしなかったんだろうね?」
ユカがそう言ったとき、私は思わず頷いた。息子の孫も“うちの血筋”なのに、どうしても距離ができてしまうのだ。
こうした「実家びいき構造」は珍しくない。
娘の出産には張り切って駆けつけるのに、息子の嫁が出産するときは「向こうの実家が見るでしょ?」と一歩引く。
あのドラマ『渡る世間は鬼ばかり』でも、第一、第二シリーズ辺りでは、幸楽の姑・キミが、嫁の五月の子(孫)と実娘・久子の子(孫)を露骨に区別し、久子の孫を溺愛していたように。
それは悪気ではなく、“育てた娘の延長線上に孫がいる”という感覚があるからだ。
“遠慮”が“無関心”に変わる
「母は“娘の子は手の内が分かる”って言うの。離乳食も“ユカはこれが好きだったから、この子もきっと同じ”って思い込んでる。
でも弟の子には“何を食べてるか分からない”“やり方が違う”って距離を取っちゃう」
面倒を見る時間が多いほど情は深まる。娘が里帰りすれば、“育児を一緒に経験する”感覚になる。
でも息子の孫は、嫁への遠慮で接する機会が減り、「情が湧きにくい→距離ができる→ますます関わらない」というスパイラルに陥るのだ。
「弟のお嫁さんが“お義母さん、私の子には全然会いに来てくれないんです”って泣いたことがあってね。でも母は“だって呼ばれないもの”って。呼ばないのは気を使わせるからなのに」
“遠慮”が“無関心”に変わり、“無関心”が“差別”に見えてしまう構造。その歪みは、孫が成長するにつれどんどん明確になる。
関連記事
- 可愛いのは“実の娘”の子どもだけ…義母からの孫差別に苦悩する妻。なぜ「うちの孫」と言われない?
- 「どんな親なの?と笑われる」キラキラもシワシワも…名前が“生きづらさ”を生む現代。親からの愛にラベルを貼るな
- 私は“お義母さん”と結婚したんじゃない! 姑はまるで上司…「実家マウント」に妻がとった対抗策
- 義母vs実母の“初孫”バトル勃発! マウント合戦に巻き込まれた新妻の叫び「私たちは代理戦争の駒じゃない」
- 元芸能人「売れるため覚悟を決めた」“暗黙の関係”を選んだ女の後悔。スポットライトの裏で失ったもの
- 「私はペット代わりじゃない!」“犬ファースト”男が求める伴侶の条件。28歳女性が別れを決意した瞬間
ライフスタイル 新着一覧
職場で後輩がたびたびため息をついていると、「大丈夫かな?」と気になったり、「職場の空気が悪くなる…」とモヤモヤしたりし...
自分の存在や状況、感情を認めてあげられる自己肯定感が高い人は、明るく前向きですよね。そんな人が羨ましくて「私もそうなり...
最近メイクすらしない日々だったのですが、不意に撮られた写真に愕然…。あ、せめてちゃんとメイクしよう。そういえば美容雑誌...
7月末、Ⅹで大きな波紋を呼んだのは、一般女性の投稿だった。結婚式の後撮りで着用予定だったウェディングドレスを元AV女優...
踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「暑い!」というより「痛い!」が正しいような気がする今年の夏。
外に出かけようものなら「命懸けかい?」と、ためら...
女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
日本とは違った体験や景色が味わえる、それが海外旅行の魅力。しかし、その“違い”が思わぬトラブルを呼ぶこともあるんです。...
2025年参院選で争点のひとつに「就職氷河期世代」の支援策もかかげられた。
1993年から2005年にかけて社...
令和を迎えた今の時代にも、姑の行動に深刻な不快感を示す妻もチラホラ…。一方、激しい対立をするほどの事柄ではなくても妻が...
「えっ、ブラ紐見えてたかも…?」ふとした瞬間に自分のブラ紐が見えていることに気づくと、恥ずかしさで焦ってしまいますよね。...
色々な理由で帰省をしない人はたくさんいます。帰りたくない理由があるのなら、無理にしなくていいのかも。
(コクハク...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【連載第101回】
ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!
「しっぽの...
知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
















