MLBワールドシリーズを楽しんだ日本人はもうプロ野球を見ない!地上波中継は消滅?
「あんな凄いの見たら、日本のプロ野球を楽しめなくなっちゃうよ」なんて声も上がるほど、米メジャーリーグのポストシーズンはエキサイティングだった。大谷翔平が3本塁打に10奪三振、山本由伸は完投勝利、延長18回の熱戦とサヨナラホームラン、ブルージェイズの猛打と、スーパーベースボールの醍醐味を存分に味わわせてくれた。
それはそのまま視聴率にも表れていた。ドジャースが崖っぷちに追い込まれたワールドシリーズ第6戦の世帯視聴率は20.7%、その試合結果を伝えたNHKの正午のニュースは24.1%と記録的な高さで、優勝が決まった第7戦はBS放送だったが、世帯視聴率に換算するとやはり20%前後だ。
これと比べると、同じ時期に開催された日本シリーズは、「へえ~、やってたの?」というくらい注目度は低かった。視聴率も阪神の大阪、ソフトバンクの福岡でこそ高くなったが、東京圏では優勝がかかった第5戦がようやく10.6%で、第3戦など5%ギリギリと、ドラマだったら途中打ち切りの黄色信号が点滅する数字だ。
「視聴率の低さもそうですが、全国中継したキー局ががっくりきたのは、日本プロ野球の最大のイベントなのに、まったく話題にならなかったことです。ジャパン野球がもうオワコンであることがはっきりしたわけで、今後は番組スポンサー探しに苦労するでしょうね。テレビ局内では、いっそプロ野球の地上波放送をやめてしまおうという声も出ています」(テレビ情報誌編集デスク)
■村上や岡本まで行ってしまう
すでに、日本テレビでさえ、巨人主催ゲームの地上波放送は20試合(2025年)まで減らしている。
ましてや、不人気チーム同士の対戦などどこも放送したがらない。放送権料や中継の機材・人件費がかさむ一方で、1~2%まで落ちた低視聴率がそのままCM収入の減少になって、いまや「野球中継は巨額赤字コンテンツで、もう見切りをつける時期」(大手広告代理店スポーツ担当営業マン)なのだという。
「これで、ヤクルトの村上宗隆、巨人の岡本和真、西武の今井達也らまでメジャーに行ったら、日本のプロ野球はまったく見られなくなってしまうでしょうね。見たいのは、彼らが巨人や阪神、日本ハムなどと戦う試合ではなく、メジャーで活躍する姿なのですから。日本のプロ野球は、好きな人だけが専門チャンネルやネット配信で見る時代になるのでしょう」(前出の営業マン)
地上波のプロ野球中継は来シーズンが最後かもしれない。
(コラムニスト・海原かみな)
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