フワちゃんの「禊」はなぜ長引いた? 復帰騒動に見る“大手事務所とフリー芸人”の格差

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-11-19 15:17
投稿日:2025-11-19 11:45

芸能界での風当たりは強くはないが

 しかし、フワちゃんの復帰大歓迎派も意外と多い。以前から交流が深い立川志らく師匠は「フワちゃんはフワちゃんらしく生きていけばいい。どんな世界でも光り輝けるはず」と温かい言葉を寄せている。

 プロレス界のレジェンド武藤敬司もX上で「プロレス頑張れよ!」と激励。フワちゃんもそれに「今後は正式に後輩として、背中追いかけさせていただきます!」と答え、芸能界での風当たりは強くはないようだ。

「プロレスを禊にするな」と反感を抱く人もいる一方、フワちゃんの参戦を喜ぶプロレスファンも結構いるのだ。

 実はフワちゃんは既に2022年に番組の企画でプロレスデビューしていて、その際に脳震盪も疑われるくらいの体当たりの試合を見せた。人気絶頂だったフワちゃんは真摯に練習に取り組み、セコンドでも一切ふざけずに全身で挑んだ姿を覚えていたスターダムファンも多い。

 実際に「僕たちはフワちゃんがプロレスに真摯に向き合ってる姿を現場で見てる。そりゃ応援するよ」とのコメントがバズっていた。人が真摯に取り組んだことは自分の身をやがて救うんだなと感心してしまった。

 騒動の時はもう芸能界復帰は絶望的だと思われたフワちゃんだが、芸能界の仲間とプロレスファンからの後押しにより、完全復活するのも近そうだ。

 しかも好都合なことに、ネットフリックスの『極悪女王』のヒットから始まり、上谷沙弥のブレイクなどを通じて、女子プロレス界隈も盛り上がってきている。フワちゃんという飛び道具は、意外にもプロレス界の起爆剤になるのではないだろうか。

フリー芸人のリスクの高さが浮き彫りに

 ようやく完結した「やす子vsフワちゃん」の顛末だが、個人的にはやはり「フリー芸人のリスクの高さ」が気になった。

 現在、芸能界は空前の個人事務所芸人ブームだ。ラランドやさらば青春の光、みなみかわ、ダウ90000など、人気芸人たちがあえて大手事務所に所属せず、自ら事務所を設立したりフリーで活動したりしている。

 その令和っぽさや柔軟性がウケているのだと思うが、この事件を通じて「事務所」の強さが生々しいほど分かった。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」アンパンマンマーチの歌詞に込めた思い。千尋(中沢元紀)や寛先生(竹野内豊)の写真にホロリ…
 ある日、アンパンマンをテレビアニメ化したいとテレビプロデューサーの武山(前原滉)が訪ねてくる。だが嵩(北村匠海)は、ア...
桧山珠美 2025-09-25 15:44 エンタメ
【芸能クイズ】「畑芽育」を正しく読める? 他にもいる、実は“常用漢字外”の読み方をする芸能人は誰?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」石橋蓮司の“なりきりアンパンマン”が見れるとは! 登美子(松嶋菜々子)は毒親返上か
 のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真...
桧山珠美 2025-09-22 16:22 エンタメ
「あんぱん」嵩とヤムさんの再会にグッときた。でも顔をよく見たら…気になった“余計な”こと
 客席はたくさんの子どもたちで埋まり、その様子をカメラに収めるのぶ(今田美桜)。ミュージカルが終了すると、会場は大きな拍...
桧山珠美 2025-09-20 11:47 エンタメ
「あんぱん」のぶの“お手柄”総決算の回。ヤムさん(阿部サダヲ)と蘭子(河合優実)の繋がりは“前世”からの縁なのか?
 のぶ(今田美桜)は草吉(阿部サダヲ)にあんぱんを焼いてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。蘭子(河合優実)からこのま...
桧山珠美 2025-09-18 17:16 エンタメ
加藤清史郎の“奇跡の成長”を「放送局占拠」で見た。寺田心ら子役出身者がイケメンになっている件
 加藤清史郎くんのイケメンぶりには目を見張るものがあります。現在、櫻井翔主演「放送局占拠」(日本テレビ)に出演しています...
『あんぱん』担当編集者の“セリフ”にモヤッ…。そしてメイコはまた歌うのだろうか
 ようやく世に出た絵本『あんぱんまん』は売れないままだった。それでものぶ(今田美桜)は、子どもたちに読み聞かせを続ける。...
桧山珠美 2025-10-06 16:33 エンタメ
Snow Manの1人勝ちに歯止めをかけるか?timeleszとSixTONES、激化する“2番手争い”の行方
 嵐の活動休止以降、長らくSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下SE社)は様々な指標でSno...
こじらぶ 2025-09-15 11:45 エンタメ
横浜流星が“レア動画”に降臨!でも…あれっ? 大河ドラマで「国民的俳優」となった代償か
 今年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に主演し、興行収入120億円を突破して歴代実写邦画2位となった映画『国宝...
堺屋大地 2025-09-14 11:45 エンタメ
『あんぱん』津田健次郎に演技賞を差し上げたい。東海林の“最後”が完璧だった。ひとつだけ残念だったこと
 東海林(津田健次郎)の訪問からほどなくして、琴子(鳴海唯)から手紙が届く。そこには東海林が上京した本当の理由が書かれて...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『有吉の壁』ブーム期待も…人気キャラの“展開”に冷めた視線。番組の過剰な介入で萎えるファンの複雑心理
 日本テレビ・水曜7時からの人気番組『有吉の壁』(日本テレビ系)。なんとこの10月でレギュラー放送開始から5年半を越える...
『あんぱん』お色気や国民的アニメの時代、のぶの行為に子供は喜べるのだろうか
 のぶ(今田美桜)は八木(妻夫木聡)の会社で子どもたちに『あんぱんまん』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『あんぱん』あれっ、今“あんぱんまん”って言った? 開始2分で誕生。嵩の創作の苦悩が見たい
 嵩(北村匠海)は再び“おじさんあんぱんまん”の絵を描き始め、物語はほぼ完成する。原画を見つめながら、嵩の話に耳を傾ける...
桧山珠美 2025-09-13 11:35 エンタメ
【芸能クイズ】伊東市長で話題の東洋大学、フワちゃんは卒業済み。では同大学出身“ではない”有名人は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
中島裕翔がJUMP電撃卒業。退社か残留か…山下智久、赤西仁、中島健人らの活動から“今後”を考察する
 8月28日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、SE社)は、Hey! Say! JUM...
こじらぶ 2025-09-07 11:45 エンタメ
『あんぱん』手嶋治虫をも魅了するのぶ、魔性の女では? ヤムおんちゃん「老けたな」が届かない若々しい美貌
 蘭子(河合優実)が柳井家に草吉(阿部サダヲ)を連れてくる。久々の再会に大喜びののぶ(今田美桜)たち。そのころ、手嶌(眞...
桧山珠美 2025-09-06 12:30 エンタメ