愛子さんラオス訪問と“買春法”改正 戦前なら「不敬罪」になる女性誌の問題提起に拍手

更新日:2025-11-30 17:03
投稿日:2025-11-30 17:00

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】

「皇室内幕 愛子さま(23)ラオスの奮闘で高市早苗首相(64)『買春法改正』の決意」

 これは女性セブン(12月4日号)の巻頭特集のタイトルである。

 天皇の長女・愛子さんは11月17日から22日まで、初めての海外公務となるラオスを訪問した。週刊文春(11月27日号)はかの地での歓迎ぶりをこう伝えている。

<特産のシルクで作られた民族衣装を纏う女性たちが、華やかに伝統舞踊を舞い、日本から単身やってきたプリンセスを出迎える。

『コープチャイ(ありがとう)』

 十時間を超える移動の疲れを見せることなく、手を合わせ、ラオス式の挨拶をかわした愛子さま。柔らかな立ち振る舞いには、天皇直系の風格が漂っていた>

 ラオスは国民の平均年齢が25歳という若い国。

 それは、ベトナム戦争(1955~75年)下、米軍による激しい空爆に遭ったからだ。今も不発弾の脅威にさらされている。

 戦争の記憶継承という両陛下の痛切な願いを継承される愛子さんの「平和へのご覚悟が感じ取れます」(放送作家のつげのり子)。

 ラオスの現地メディア「The Laotian Times」は日本のプリンセスについてこう報じていたという。

<日本の伝統では、何世紀も続く皇統を継承できるのは男性のみとされるが、女性が皇位に就くことに対する国民の支持が高いことは世論調査が示している>

 ラオスでも盛り上がる「愛子天皇待望論」。だが、そのことと冒頭の女性セブンの高市首相が「買春法」を改正することとどう結びつくのだろう? 戦前なら「不敬罪」である。

 私は長いこと週刊誌をやってきたが、この女性セブンのタイトルには驚かされた。ぼけた頭では内容が想像もできず、慌ててコンビニへヨタヨタと走った。記事は文春同様、愛子さんがラオスを訪れたことから始まる。そこから、

<現在、その貧困に乗じた一部の日本人による蛮行が、大きな問題になっている>

 というのだ。ハハ~ン、そうきたか。

<アジア最貧国ともいわれるラオスの農村家庭では、子供たちが売春のために売られていくことも日常茶飯事だといいます。これに目をつけた日本人男性が、幼い子供たちを“買う”ために、こぞって渡航しているという実態があるのです。事態を重く見た駐ラオス日本大使館は今年6月、ラオスで児童買春を行わないように、と異例の注意喚起を発しました。今年8月には、ラオスで児童買春に及んだ日本人男性2人が『児童ポルノ禁止法違反』で逮捕されています>(国際ジャーナリスト=同誌から)

 それに呼応するかのように、愛子さんのラオス訪問直前の11月11日、国会答弁で、高市首相はこう発言したのである。

<売春防止法について、“買春行為の罰則化を検討するように”と、法務大臣に指示を出したのです。これまで、時の首相が買春行為の罰則化について言及したことはほとんどなく、異例の発言といえる。法改正に向けた、高市首相の強い決意が感じられました>(政治部記者=同誌から)

 1956年に制定された売春防止法は売る側だけが罰せられ、買う側に罰則規定がない。しかし、世界では「買う側にこそ問題がある」という法体系を採用している国が多い。

<(高市首相は=筆者注)ラオスの悲惨な実態を知った愛子さまに共感した部分もあったのかもしれません>(皇室ジャーナリスト)と同誌は書いていた。

 なるほど、なるほど。週刊誌の“牽強付会”的な記事作りには何かと批判が多いが、今回のセブンのやり方は、後味がさっぱりしていて、気持ちがいい。 (文中一部敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

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