興収178億円! 映画「国宝」は年末も大盛況 新たに“聞く「国宝」”もジワリ人気の流れに

更新日:2025-12-23 17:03
投稿日:2025-12-23 17:00

 邦画実写歴代興行収入1位、映画「国宝」ブームは衰え知らず。都内ではモーニング、またはレイトショー帯に移ったものの「国宝見た?」に乗り遅れんとばかりに映画館には人が集まっている。唯一午後13時台に上映している新宿ピカデリーは週末は完売で2時間前に行っても空振りで、ようやっと平日行ってみると、最前列と2列目以外は満席という盛況ぶり。平日の昼だけに中高年層が多いが、中には学生など若いカップルも多かった。

 上映時間3時間という長時間問題について、高齢者の携帯が鳴りやまないトラブルはあったものの、途中でトイレ休憩の人もおらず「3時間、あんまり気にならなかったね」と話している人を何人も見かけた。タイパ世代の若者もしっかり映画に集中しているのは珍しい。芸能界でも若槻千夏(41)が同作をきっかけに歌舞伎に興味を持ち始めたと明かすなど、歌舞伎への窓口にもなっている。

「原作を読むよりも想像の世界が広がる」

 そんな映画館の盛況ぶりも含め、「国宝」ブームは別のデバイスでも起きている。「オーディオブック」という“聞く「国宝」”である。ナレーションは八代目尾上菊五郎(48)。映画では姉の寺島しのぶ(52)が主人公・吉沢亮(31)の師匠・渡辺謙(66)の妻を演じているが、媒体を超えた姉弟共演を実現している。コンテンツとしては、Amazonオーディブルの評価は4.9と高評価。歌舞伎独特の芝居の言い回しはもちろん、菊五郎の声色づかいはさすが一流歌舞伎役者。「悪役が聞いているだけで憎らしく聞こえてくる。吉田修一の原作を読むよりも想像の世界が広がる」(40代女性)という声も。

「近年、携帯の動画疲れしたサラリーマン層や、キンドルなど電子書籍を読むのも面倒になってきた中高年層、電車や運転など移動中などの情報取得など多用途でオーディオブックが人気になってきています。そんなオーディオブックの入口が『国宝』になっているそうです」(ITジャーナリスト)

 興行収入178億円を突破し、順風満帆な「国宝」。次はデバイスをまたいで記録を残しそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 大ヒット昨登場には20年周期の法則も。関連記事【もっと読む】『「国宝」が22年ぶりに邦画歴代興行収入1位を更新 大ヒット作“20年周期”の法則』…も合わせて読みたい。

エンタメ 新着一覧


石田ひかり53歳、今を生きる女性に伝えたい“楽しく生きていく”ためのメッセージ|映画『ルノワール』
 1986年のデビューから、映画『ふたり』『はるか、ノスタルジイ』や、連続ドラマ『悪女』、連続テレビ小説『ひらり』、『あ...
望月ふみ 2025-07-10 11:50 エンタメ
『あんぱん』ツダケンの“にゃあ”が秀逸だにゃあ!「月刊くじら」には色々とツッコミどころもあるが
『月刊くじら』創刊号は2日で2000部を売り切り、好調な滑り出しを見せる。嵩(北村匠海)は『月刊くじら』編集部に異動に。...
桧山珠美 2025-07-09 17:00 エンタメ
【10万いいね】鈴木えみ、20年前→現在の比較写真が“美しすぎる”と絶賛「変わらなすぎ!」「今の方が可愛い説まである」
 ファッションモデルから俳優業まで、幅広い分野で活躍する鈴木えみさん(39)。2025年7月7日に自身のInstagra...
春ドラマの評判を調査!本命『最後から二番目の恋』は2位。1位は意外な快進撃。日常系が人気、刺激疲れか?
 2025年の春ドラマが、次々とフィナーレ。今期はSNSでバズった顔ぶれも多く、ドラマファンからしても楽しいシーズンだっ...
「あんぱん」嵩は受かるのか…って次週予告編でネタバレか? アンパンマン声優の姿もチラリ
 のぶ(今田美桜)の家で暮らすことになったメイコ(原菜乃華)は、夢に向かって一歩を踏み出す。そしてのぶも、月刊誌の刊行に...
桧山珠美 2025-07-05 08:00 エンタメ
『あんぱん』のど自慢といえば「ひよっこ」有村架純を思い出す。メイコが歌うのはどの歌なのか?
 夕刊の話がなくなり、時間を持て余すのぶ(今田美桜)だったが、夕刊の代わりに月刊誌を出せることに。岩清水(倉悠貴)と歓喜...
桧山珠美 2025-07-03 18:11 エンタメ
TOKIO 国分太一騒動で危うい“料理イケメン”たち「男子ごはん」での気になる発言
 またひとり、旧ジャニーズのタレントが消えてしまいました。今度はTOKIOの国分太一(50)です。今月20日、無期限の活...
東海林(津田健次郎)はエラいのかポンコツなのか? ともあれ“ツダケン”の魅力的な演技に惚れ惚れ
 高知新報が夕刊発行の申請をし、のぶ(今田美桜)は編集長を任された東海林(津田健次郎)と先輩記者の岩清水(倉悠貴)と共に...
桧山珠美 2025-07-01 18:19 エンタメ
【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ
大泉洋こそ“真のモテ男”じゃないか?「かくかくしかじか」の圧倒的な存在感に新たな一面を見た
  先日、いろんな意味で話題の映画「かくかくしかじか」を鑑賞してまいりました。「東京タラレバ娘」や「海月姫」などのヒット...
「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ