「卒論もAIが書けますよ」大学生の話に仰天!おばさんの私が気づいた“本当の”脅威

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2026-01-07 11:45
投稿日:2026-01-07 11:45

卒論もAIに頼む時代

 友人は黙ってしまった。友人は自分と同じように、私が文筆界隈にAIが侵食してくることを危惧していると思っていたはずだ。が、結果は違った。続けて馴染みの立ち飲み屋で、アルバイトの大学生がこう言っていた。

「大学の論文もAIがそれっぽく書いてくれるんですよ。“こんなふうに”とリクエストすると、ちゃんと文章ができあがっていますからねえ」

 そう楽しそうに言っていた。最近の学生にとってはきっとAIで書かれた文章が“善”なのだろう。これが私の思うAIの脅威だ。そもそも彼らには読書文化が減っていて、代わりに吸収しているのはSNSに散乱している、摩耗された感動ばかり。彼らを教える側は大変だろうと、同情をしてしまう。AIの話題で私にとどめを刺してきたのは、20代の某クライアント。企業広告の文章をオーダーされたが、企画主旨がどんどん変わってしまい、私の文章修正が難しくなっていた。

「AIは何を使っています? Chat GPT? それなら結構いい文章書いてくれますし、修正もしてくれますよ。使ってみてください」

 それならAIにオーダーすれば良いのに。本音を飲み込んで、言われた通りに試してみたが、表示された文章は血も涙もない、よく分からないものだった。文章に血や涙が必要なのかと問われると、それこそAIとの向き合い方と同じで「私は必要だ」と言いきりたい。うーん。たかがAI、されどAI。このままモヤモヤしたまま、AIとともに2026年を生きるのかと思っていたところ、たまたま同席した同業の文筆家がChat GPTの面白い使い方を教えてくれた。

「ああ、私も小林さんの言う検索エンジンの延長線みたいなものとして使ってますよ。でもせっかく何か質問をするんだからと思って、Chat GPTを渋谷GALに設定して、全てギャルっぽく答えてもらっているんですよ。和みますよ」

 なるほど、と膝を打つ。早速、その日から「難波のおばちゃん風に」「映画『極道の妻たち』の岩下志麻みたいに」「九州男児っぽく」と、回答イメージを変えるようにした。これが楽しい。ちょっとした悩み相談も爆笑で終わってしまう。今年は冗談めかしながらAIとつき合っていくかと、心づもりを決めた。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

小林久乃
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出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

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