背徳感と高揚感…関係はどんどん深まり
「悠馬くんは大手証券会社を経て起業した、いわゆる高学歴・高収入の男性です。ランニングとゴルフが趣味で、日に焼けた細マッチョ体型。清潔感があって、クールな雰囲気でした。私がエッセイを書いていると話すと、『そういう職業の女性に会ったのは初めて』と興味を持ってくれて…」
関係が深まるのに、時間はかからなかった。
「悠馬くんは自宅マンションとは別に、目黒区のタワマンの一室をオフィス兼セカンドハウスにしているんです。2度目のデートで『夜景がきれいだから』と誘われました。お誘いの瞬間、ああ、男女の関係になるなって、私もわかっていました」
久しぶりの恋愛、そして不倫――背徳感と高揚感が入り混じり、久美さんは次第にのめり込んでいく。
「連絡先を交換する時も、『LINEは家族にバレる可能性があるから、カカオにしよう』って言われて、女慣れしてるなとは思いました。奥さまは同い年で、小2の娘さんがいて、お嬢様学校に通っているそうです。
私から見れば、絵に描いたような幸せな家族。でも彼は、『仕事で成功しても、家庭を持っても、男としてもっと人生を謳歌したい』と言っていました」
クリスマスの忘れられない一言
デートや旅行は平日に。時間の融通が利く2人だからこそ、関係は深まった。しかし、幸せな分だけ、別れの瞬間が苦しくなる。
「彼をエントランスまで送って、ひとりで部屋に戻ると、まだ悠馬くんの香りが残っているんです。彼は何事もなかったように、奥さんと娘さんが待つ家に帰って、手料理を食べるんだと思うと…正直、つらかったです」
クリスマスは、彼がホテルの一室をリザーブしてくれて、ランチを楽しんだ。
だが、その帰り際、忘れられない一言を投げかけられたという。
――そういえばさ、娘へのクリスマスプレゼント、一緒に選んでくれない?
――えっ?
久美さんは、一瞬、言葉を失った。
自分が今、どの立場に立たされているのか、わからなくなったからだ。
結局、学校にも持っていける、高級ブランドの限定デザインの魔法瓶を選んだ。
実用的で、長く使えるもの。娘さんの日常に、何の違和感もなく溶け込む贈り物だった。
関連記事
ラブ 新着一覧
















