「ばけばけ」おトキとヘブンの世界、巧みな画面構成に唸った。おじゃま虫、錦織がそこにいてよかったなあ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2026-01-05 17:07
投稿日:2026-01-05 17:07

第14週「カゾク、ナル、イイデスカ?」#66

 ヘブン(トミー・バストウ)は、錦織(吉沢亮)と2人で出雲に旅行にやってくる。ヘブンの好きな古事記の舞台を巡る2人は、旅の終わりに稲佐の浜を散歩する。出雲での旅の思い出を日本滞在記に書きたいと喜ぶヘブン。

 そこに松江にいるはずのトキ(髙石あかり)が現れる。驚く錦織に「ヘブンから突然呼び出された」と答えるトキ。呼び出された理由がわからないトキと錦織に、ヘブンは「大事な話がある」と告げる。

【こちらもどうぞ】「ばけばけ」ラスト3分が最高の演出だった。想いが一つになった2人、次回がなんと待ち遠しい!

【本日のツボ】

おじゃま虫 錦織

 ※※以下、ネタバレあります※※

 ヘブンの『日本滞在記』取材も大詰め。最後の訪問地は杵築、今でいう出雲大社です。浜辺を歩くヘブンと錦織のもとに、「ヘブン先生~」と駆け寄ってくるおトキ。「なぜ呼ばれたんだ?」と怪訝そうな錦織に、「電報で『シキュウコラレタシ』」とおトキ。

 日本語もまだおぼつかないヘブンが、錦織の手を借りずにどうやって電報を打ったのか、若干の疑問は残りますが、そこは正月に免じて深追いしないことにしましょう。なにより、おトキが嬉しそうなので。

 旅館でのヘブンの深刻な面持ち。何を切り出すのかと思えば、「ジツハ…カンセイ…シマス」と『日本滞在記』が完成するということでした。「おめでとうございます」と錦織。おトキに「杵築を訪れたことを書けばいよいよ完成だそうだ」と通訳します。

「そげですか」とその言葉に憂いが滲む。『滞在記』の完成はヘブンとの別れを意味し、そのことがわかっているおトキ、寂しさを堪えて「おめでとうございます」とヘブンに伝えます。

 ここでの画面構成が実に巧みでした。ふすまを挟んで、両端にヘブンとおトキ。中央にいるはずの錦織はふすまで隠れていて見えず、おトキとヘブン、ふたりだけの世界がそっと切り取られています。

 さらに、おトキのもとに駆け寄るヘブン。「トキサン タクサン タクサン テツダイ モライマシタ。フトン、コステ、ミズアメ、アズキトギバシ、オオガメ」なんのことかと思ったら怪談の数々でした。

「アナタ イナイ カンセイ デキナイ ノ ホン アリガトウ」。ふたりが見つめ合って話す背後に錦織。この時点ではまだ、自分がおじゃま虫であることには気づいていないようです。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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