欅坂46脱退・平手が唱え続けた“みんなで欅”…欅魂の継承<後>

こじらぶ ライター
更新日:2020-01-29 18:20
投稿日:2020-01-29 17:05

抵抗感を抱いていた人々の心を動かした二期生

 筆者がTwitter上で行った、二期生加入発表があった時どう思ったかを尋ねたアンケートでは、総投票数993票中、

・「歓迎した」(27%)
・「抵抗は無かった」(13%)
・「少し抵抗があった」(37%)
・「とても抵抗があった」(23%)

 およそ6割が少なからず抵抗感を抱いていたという結果が出た。

 しかし、平手を支える側にまで成長した田村や、平手不在時に代わってセンターを務め反響を呼んだ森田に象徴されるように、すべての二期生にも先輩をサポートするばかりか、欅坂46の完全な一員、戦力として奮闘する姿が昨年1年を通じて見られ、非常に胸を打たれるものがあった。

 そんな昨年の二期生のライブや音楽番組での貢献度、成長ぶりを受けて、筆者が再度Twitter上で、〈はじめは二期生加入に抵抗があったファン〉を対象に、現在は二期生をどう思うかを尋ねてみると――。

 総投票数351票中、

・「今は受け入れられた」(85%)
・「まだ受け入れられない」(15%)

 と、相当数のファンの心を二期生が動かしたことも証明された。

 平手が欅坂46を離れる際には、一期生はもちろん、過ごした時間は短いが、平手から欅坂46の神髄を継承していた二期生たちからの引き止めもあった。平手が心身の限界だったとはいえ、はっきりと「卒業」とせず「脱退」としたのも、まだ共に欅坂46を創り上げて行きたかった二期生への心残りがあったからだろう。

平手の脱退後に期待される「みんなで欅」

 昨年9月に自身の冠番組「欅って、書けない?」(毎週日曜24時35分~、テレビ東京)で欅坂46初の選抜発表があって以来、二期生加入後初となる9thシングルは長らく発売が延期になっていた。しかし、1月23日の発表をもってセンター平手はグループを脱退、同じく選抜に選ばれていた一期生・佐藤詩織(23)が休業に入った。

 この9thシングルの選抜がそのまま引き継がれ、平手と佐藤のポジションに誰かが“代理”で入るのか、一旦選抜制度も含め白紙に戻し、全く新しい9thシングルが制作されるのかは現在のところ発表されていない。

 絶対的エースでこれまですべてのシングルでセンターを務めてきた平手の脱退により、欅坂46はその9thシングルで必然的に新センターが誕生することになる。

 だが、平手がデビュー時からセンターに固定され、その計り知れない重圧も一因となって人気絶頂の中、4年半でグループから脱退したことを受け、ファンからは固定センターへの疑問や、ひとりの女の子に過大なプレッシャーを与えるようなことをすべきではない、負担の少ないWセンターにするべき、曲のイメージに合うようその時々でセンターを変える方が良いのでは、といった意見が寄せられた。

 誰かひとりの突出した才能に頼るのではなく、平手と四年半苦楽を共にした一期生と、平手から“欅魂”を継承された二期生の総合力、まさしく“みんなで欅”となって今後の欅坂46を創り上げていくべきということだろう。

 果たして、次の9thシングルで、新しい“みんなで欅”の姿を見せられるか。ファンを納得させることができるか。平手ら4人の一期生が抜けた、欅坂46の今後を占う大きな転換期になることは間違いない。

平手脱退後の欅坂46

 だが残念ながら、それ以前に、グループの象徴でもあった平手脱退により、今後欅坂46を応援する気にはなれなくなったという声も多く見られるのも事実だ。ただ、平手という存在を通して、欅坂46グループとしての素晴らしさを知った筆者としては、平手ファンにはどうか、今後も欅坂46を応援し続けて欲しい。

 平手は誰よりも欅坂46というグループを想っていた。そして自らの心身が満身創痍であったにも関わらず、昨年数々のライブや音楽番組出演を通じて、加入後間もなかった二期生にその身を削って“欅魂”を継承した。

 平手は自分が目立つこと以上に、他のメンバーが褒められることを喜ぶ人間だった。平手が抜けたからといって平手ファンが欅坂46を見放すことは、平手が最も望んでいない、悲しいことであろう。ズタボロになりながらも、必死にグループを守ろうと闘い続けた平手のためにも、平手を支え続けた一期生、平手から“欅魂”を継承した二期生のためにも、今後も欅坂46を応援して欲しいと切に願う。

 ロックバンドのメンバーが「脱退」後空白の時間を経てまたバンドに戻るように、「脱退」した平手友梨奈が心身を癒しまた欅坂46に戻りたいと思えた時、その居場所があるように。

 まずは1月29日(水)に発売となった欅坂46のDVD&Blu-ray「欅坂46 LIVE at 東京ドーム ~ARENA TOUR 2019 FINAL~」をぜひ一度見ていただきたい。

 現地で観覧していたという卒業メンバーも含めた、元祖・欅坂46一期生21人と、二期生9人すべての努力の結晶で辿り着いた東京ドームの地。そこには欅坂46としてラストライブと決め先頭に立ち二期生に“欅魂”を継承しようとする平手と、それに必死に応える二期生を含めた“平手友梨奈がいた欅坂46”最後の「みんなで欅」の姿がある。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...