悲しみに暮れる人を慰める枕花とは…人の優しさと花のチカラ

斑目茂美 開運花師
更新日:2020-10-28 06:00
投稿日:2020-10-28 06:00

「枕花」にまつわる4つの疑問に答えます

1. 枕花っていつごろ頼むものなの?

 基本的に訃報を聞いてから、お通夜までの間に飾られるお花でございます。昨今ではお通夜やお葬式がない場合がございますので、「枕花」を飾るタイミングという概念も少し変わってきたように感じます。

 故人の枕元に飾って亡骸と共に焼くというのが本来の枕花でしたが(土地の習わしによります)、今は亡骸がお骨になった後もそのまま飾られることがございます。最近では、ご自宅にご遺体が戻らずにそのまま葬祭場に移動なさるケースもございます。そんなときは、枕花の持ち込みが可能かどうか、確認が必要でございます。

2. 予算ってどれくらい?

 花1本でも、枕花でございます。思いを花に寄せて贈られるものでございますから、気持ちなのでございます。一般的にはフラワーアレンジメントならば5000円~、花束ならば3000円~というパターンが多いようでございます。

3. どんな花が良いですか?

 どんなお花でも良いとは思いますが、お花屋さんでおススメする無難なお花は以下の通りでございます。

・菊:従来の和菊もあれば、最近は洋菊と呼ばれる華やかな菊もございます。
・ユリ:テッパン商材でございます。特にクリスチャンには絶対。香りが癒し。
・ガーベラ:人に限らず動物の枕花でもテッパン。花の可愛らしさが癒し。
・カーネーション:これもテッパン商材。
・デルフィニューム:お色が基本ブルーという点ではおススメ。悲しみの色。

「よくわからないなぁ」というアナタ。イメージをそのままお花屋さんにお伝えください。お花屋さんが、きっと親身にお話を聞いてくれるはずでございますから。

4. NGってあるの?

 基本的にはございません。故人のイメージの色やお花もあるでしょうから、それに沿ったお花で良いとは思います。ですが、一般的には赤や濃い色、またはとげのあるお花というものは避けられた方が無難でございます。ご遺族との考えの相違で誤解が発生してしまう可能性もございますので、ここは無難にいかれることをお薦めいたします。

 意外でしょうが、昨今では「四十九日法要まで持つ」という理由で、切花ではなく胡蝶蘭などの蘭鉢も大変に人気でございますのよ。

最後に

 盛大な葬儀であっても簡略化した葬儀であっても、「大切な誰かがこの世からいなくなってしまった」という事実は変わりません。どこをどう切りとっても、悲しいのでございます。ましてや、動かなくなってしまった大切な人や生き物が目の間に横たわっているというリアルは、肉体が存在する以上、骨になるまで諦めというものがつかないものなのでございます。

 諦めきれないご遺体を前に、悲しみにくれるご遺族を救うものは何なのか。それは故人やご遺族を慰めたいと思う、人の優しさでございます。そして、その優しさを体いっぱいに詰め込み、亡くなってすぐに届けられる「枕花」の存在はなんて大きい……と感じるのでございます。

 花の優しい色、香り、形、リアルな花は、きっとご遺族の五感に訴え、慰めてくれます。枕花が多ければ多いほど、花の慰めは美しいお花畑のような絶大な威力を発揮します。

「リアルにはリアルを」

 これがご遺族の近くで感じる花屋として、ワタクシの思うことでございます。一輪でも多くのお花が、残されたご遺族とこれから旅立つ故人の慰めの花になりますことを……遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


「夫のスマホを監視してます」円満なのは表面だけ? 実は怖~い“我が家の闇”7つ
 一見仲良し家族だけど、実は…という他人からは見えない家庭の闇。今回は、皆さんから寄せられた「我が家の闇」エピソードを紹...
「スケジュール管理ができない人」は一体何だというのか。運だけで生きてきた私に浮上した、ある疑惑
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
「住職おくって」に爆笑! 恥ずかしいLINEの“打ち間違い”3つ。欲しかったのはそれじゃない泣
 急いでLINEをしなければならないときや考え事をしている最中にLINEするときこそ、文面はよーく確認したほうがよいかも...
「とめ子って可愛い」時代錯誤と笑われた名前が“レトロブーム”で大逆転。28歳女性が気づいた“流行”の儚さ
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって異なる名前の傾向。名前が社会的ラベルになる現代では、名前を見ただけで性格...
【表現クイズ】江戸時代の“生理用品”、別名は「猿、馬、狐」どれでしょう(難易度★★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
パワハラで限界…「帰ってきなさい」母の一言に救われた。永久保存したい感動LINE3選
 表情や声のトーンが分からないLINEでも、気持ちは伝わるもの。あなたが何気なく送ったLINEも、誰かに保存されているか...
もはや付録が本体では??「美ST」1月号の“現品リップ+糸リフト級マスク”で元が取れすぎる。
 今月も美STがすごい。2026年1月号特別版を買ってみました。特別版は1,150円ですが「定価1,540円の現品リップ...
スナックの良し悪しは「ポテトサラダ」で決まる? ホステスが確信する“自分に合う”お店選びの極意
 自分に合うスナック、ぜひ大人のみなさんには見つけていただきたい!  ただやっぱり好みは人それぞれなので、なかな...
5歳児がHIPHOPで“国会”を学べるなんて! 庶民の私が娘を「知育教室」に通わせたワケ
「みーちゃんも試験うけて高級なおりこうさん学校いくよ」――保育園年長の娘が突然の“お受験宣言”。庶民的な家庭に生まれ、高...
イカ耳で警戒中! まあるい尻尾の“にゃんたま”先生、相変わらずキュートだね♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年よ、大掃除はお早めに! 冷蔵庫掃除に悪戦苦闘…おばさんが陥った“経年劣化”によるワナ
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
私の子どもは見えてないの? 写真がない孫の存在…義母の“愛情の序列”を思い知った母の決意
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
「ぴかるです」と言うたび笑われた…偏見だらけの社会でも“自分の名前”で生きる。22歳大学生の決意
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって“名前”の傾向が異なります。名前が“社会的ラベル”になる現代では、名前を...
「プレゼント渡さないで」って知らんがな!ママ友クリスマスでの最悪エピ4つ。ミスるとぼっち確定?
 クリスマスまであと一カ月。これからママ友とクリスマスイベントをする予定がある方は、トラブル回避のために必見! 今回は、...
美少年から国宝級“にゃんたま”まで!もふもふ9連発は「可愛い奇跡」がいっぱい♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年10月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずか...