ハマる女子続出 WEB漫画「明日、私は誰かのカノジョ」って?

内藤みか 作家
更新日:2020-12-17 06:00
投稿日:2020-12-17 06:00
 近ごろは、紙のコミック雑誌だけでなく、電子コミック連載でのヒット作も増えてきました。その中でも紙と電子で累計40万部を突破し、快進撃を続けているのがサイコミで連載中の『明日、私は誰かのカノジョ』(をのひなお・著)。一体どんな話で、なぜ人気なのでしょうか。

漫画の登場人物もマスク姿

 コミックの舞台設定は、レンタル彼女。近ごろレンタル彼女を題材した作品が増えてきていますが、このコミックはレンタル彼女をする女の子からの目線で描かれていて、とてもリアルなのが特徴です。どうリアルかというと、女の子の服装やメイクまで違いを丁寧に描かれている点もそうですが、ウィズコロナも設定に取り入れるなど時代に寄り添っているのです。

 たとえば街で友達に会う時や電車に乗っている時などは、登場人物もちゃんとマスクをしています。そして全員がしているわけではなく、なかにはマスクを外しているキャラもいたりして、そうした細かな点に目が行き届いているところも楽しく、読み返すたびに新たな発見があるのです。

レンタル彼女の本音が見える

 そして、この漫画を読むと、今まで知らなかったレンタル彼女やホストクラブなどの仕組みが見えてきます。「男の人たちはそうやって予約するんだ!」とか、「こんな風にリピーターになっていくんだね」などと、妙に勉強になってしまうのです。レンタル彼女は、本物の彼女を上手に演じる必要がある仕事。デビュー前には研修もあるんだそうで、なかなか大変なお仕事なのですね……。

 そして、登場するレンタル彼女たちが駆使するテクニックを読むと、男性が女性にどういう態度を望んでいるのかも透けて見えてきます。そっと彼の手に触れてみたり、にっこり微笑んでみたり。彼より一歩引いて振る舞う、そのささやかな気配りがポイントが高いんだな、などと参考になること多数なのです。

コメント欄がアツすぎる!

 この連載漫画は、毎週金曜日になった瞬間の0時に最新話がアップされます。各話ごとにコメントを書き込むことができるのですが、近ごろは更新されて何時間もたたないうちにコメント数が1000になっていることもあり、更新されたら即読みに行くファンが大勢いることがわかります。

 また、そのコメントもかなりの推理や分析がされています。キャラの実家がお金持ちかどうかを想像してみたり、今後の物語の流れをみんなで予測してみたりと、大変盛り上がっています。読者同士でヒートアップしながら更新を待つのでしょう。次の話がアップされる頃にはコメントは3000を超え、とても全部は読めないボリュームに……!

登場人物を友達のように

 私自身、初期からこのコミックのファンで、全4巻電子で購入もしています。先日行われた「次に来るマンガ大賞2020」にエントリーされた時は、これでこの漫画を知ってくれる人が増える!と、ワクワクしました。

 この漫画の登場人物は、どの子も、心の中に人に言えない闇の部分を抱えていて、それを隠して必死に生きています。彼女たちのように世の中には道をまっすぐに進めず、道に迷ったり時には後戻りしたりしながら頑張って生きている人もいるので、共感する人は大勢いるのではないでしょうか。

毎週の貴重な楽しみに

 コメント欄を読んでいても、登場人物がまずい方向に進みそうになると「それはやめて!」などと、心配する声が相次ぎます。まるでキャラが実在していて自分の親友であるかのようにのめり込んでしまうのは、ウィズコロナでなかなか友達に会えない寂しさもあるのかもしれません。

 出かける予定もあまりなく、静かに日々を過ごしている人にとって、この漫画の更新は、貴重なイベントになっているのです。そして1週間の期待を裏切らない「そう来たか〜!」が待っているスゴイ展開っぷり。おうち生活の楽しみが欲しいかたは、一度読んでみてはいかがでしょう。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

ライフスタイル 新着一覧


【動物&飼い主ほっこり漫画】第100回「お散歩のバイトだワンワン」
【連載第100回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
独身と既婚、正反対な女ふたりの悲しい共通点。高級ディナーより“551の肉まん”が羨ましい理由
 実久は妻子ある男性と交際をしているが、その日は彼に「仕事が入った、先に行っていて」と言われ、大磯のプールリゾートに先乗...
仕事や恋に謳歌する私と、髪を振り乱して子育てする彼女。本当に「幸せ」なのはどっち?
 実久は妻子ある男性と交際をしているが、その日は彼に「仕事が入った、先に行っていて」と言われてしまう。大磯のプールリゾー...
子供の粗相は許して当然? 鼻につく母親の口ぶり…私は「子連れの女」に同情することにした
 東海道線・グリーン車で都内から1時間弱。それからバスで10分くらい。やっとたどり着いたのは、歴史あるのどかなリゾートホ...
プロ童貞の足が「渋谷」から遠のいたワケ。行かなくなった街と人気が出た街、どう違う?
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
夫が「子育て」のこと全然わかってない! 妻が心底ゲンナリした無知発言
 男性も育児に関わるようになった時代ですが、まだまだ女性がメインでしている家庭は多い様子。そして夫の一言に「子育てわかっ...
“謝罪”LINEにイラッ「ごめんねww」って笑いごとじゃないのだが?
 自分が原因の問題に対して謝罪をするとき、心をこめないとかえって相手を怒らせてしまいます。文字や絵文字でしか伝えられない...
マジ最悪! “隣人ガチャ”大ハズレ、悪夢の引っ越し体験談。浮気相手が隣ってどんな確率?
 異動や転職、結婚などで新生活をスタートさせる際、引っ越しをする人もいますよね。その際、隣人ガチャでハズレを引き、トラブ...
漫画かよ!本当にあった「超高額」プレゼント。場末のスナック嬢からセレブに大逆転
 夜職のお姉さんお兄さんが、お客さんから超高級なプレゼントをもらっていたり、札束で会計をしている。そんな動画、見たことな...
暑すぎる…!「夏バテ」に負けそうな時、どうしてる? 私のセルフケアを教えます
「最近なんだかだるい」「食欲がわかない」こんな夏特有の不調に悩まされていませんか? 気温や湿度の急激な変化、冷房や紫外線...
惚れてまうやろ~!猫さまの素晴らしいお姿、“たまたま”様の神対応にズキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
石丸伸二、議席ゼロでも“上から目線”の謎。ひろゆきやホリエモンの批判をかわすロジックが斬新すぎません?
 7月20日(日)に投開票が迫る参議院選挙。昨年の東京都知事選で小池百合子氏に次いで約165万票も獲得し、石丸旋風を巻き...
『最後から二番目の恋』千明の“現象”にわかる~! 中年の無様な姿も可愛らしいじゃないか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
デパコス VS プチプラ、コスメはどっちがいいの? みんなの意見を聞いた「高級品はテンション上がる!」「低予算で楽しめて最高」
 あなたはコスメを購入するとき、デパコス派? プチプラ派? 高級感あふれるデパコスを愛用する人もいれば、手軽に楽しめるプ...
我が子のため…って追い詰めてるかもよ? ダメ親の特徴と“やりすぎ”行動
「我が子にはこんな子に育ってほしい」「我が子のため」と思うあまり、行動がエスカレートしてしまう親は一定数いるもの。あなた...
「♪教えてあげないよ、チャン!」ポリンキー“35年目の秘密”だと…? 公開中の初代リメイク動画を見なきゃ
 2025年7月、株式会社湖池屋が展開するお菓子「ポリンキー」が35周年を迎えました。35周年を記念して“あの懐かしいC...