既婚者合コンにはもう興味がない
――I子さんは、ここまで話すと「すみません」とバッグから取り出したハンカチで額の汗をぬぐった。Aさんとの情交を思い出し、肌熱も上がってきたようだ。
グラスの水を飲み、彼女は言葉をつづける。
「私はいくども腰を振りながら、腹筋に力を入れました。そのたび、膣肉がキュッキュッとペニスを締めあげるんですよ。Aさんを逃したくない思いと、もっと快楽に浸りたい一心で、ペニスを貪りましたね。
生でつながっていることが、より女の欲情を満たしてくれるんです。しばらく腰を振っていると、彼『そろそろ、俺が上になるから』と正常位の姿勢になりました。
コンドームをしていない分、いつもより感じたみたい。私もいつになく濡れていて……ペニスが抜き差しされるたび、アソコからグチュグチュと水音が聞こえてきましたね。
やがて、彼の腰づかいが激しくなり、私『気持ちいいッ、今日はこのまま胎内(なか)に出して!』と叫んでいました。
次の瞬間、水鉄砲さながらに、膣奥でドクンドクンと彼のザーメンが噴射されたんです。
その日は、結局、二回も中出しをしてもらって……すごく幸せでした」
――その後のお付き合いはいかがですか?
「今も二週間ごとに逢っています。生理になりそうなときは、婦人科で処方してもらったホルモン剤でずらしていますね。あくまでもAさん優先のスケジュール。(笑)
既婚者合コンには……あれから行っていません。最初に誘ってくれた知人女性には何度か誘われましたが、上手に断っています。
Aさんという素敵なパートナーを見つけた今、他の男性には全く興味がわかないんです」
苦しいけど、抱かれる幸せに勝るものはない
――幸せいっぱいのI子さんだが、日々、苦悩との戦いだと言う。
「毎朝、AさんのFBをチェックすることが日課となりました。逢えない二週間、彼がどのように過ごしているのか気になってしまって……。ビジネスの食事会などでも女性が一緒に写っていると、心が苛立つんです。
家族との写真がアップされていた日には、もう悲しくて、息苦しくて……四十を過ぎてこんなにも苦しい恋愛をすると思わなかった。
ただ、逢える時は、寂しかった分だけ思いっきり抱いてもらいます。気分の浮き沈みも激しいのですが、やはり抱かれる幸せに勝るものは無くて……。
彼の私生活を盗み見していることは、いっさい口にしていません。女のプライドみたいなものですね。(笑)
セックス中、心も体も満たしてくれるAさんの存在は何よりも大切ですから、この幸せを一分一秒でも長く噛み締めていたい。もちろん、私も夫がいる身ですし、家庭を壊すことなく上手に付き合っていくつもり。
先のことなんて分かりません。今はただ、二週間ごとに抱きしめ合える歓びを励みに、毎日生きています」
――そこまで告げ、I子さんは「実はこれから、彼とデートなんです。今日もいっぱい抱いてもらいますね」とほほ笑み、立ち去った。
人の数だけ、愛の形がある。
どのような形であっても、筆者は、彼女たちの幸せを願ってやまない。 了
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