他の女に負けたくない一心で
――続けて下さい。
「それからのことは、もうあまり記憶にはありません。仰向けにしたタクミ君のトランクスの脇を掴んで両手でおろすと、ぶるんと勃起が跳ね上がったんです。
長身でスリムなタクミ君ですが、その野太いペニスは「若いオス」そのものでした。
カリが張って、亀頭が真っ赤に充血して……サイズも大きいほうかな。尿道口から透明な汁が噴きだして、ライトに光っていて……とてもエロティック。
私が顔を股間に近づけて、亀頭をぱくっと咥えこむと『ううっ』と彼がうなったんです。その声がたまらなくセクシーで……。
気づいたら私、ペニスの根元をつかんで吸いしゃぶっていました。
硬くそそり立つ勃起の感触は、ここ数年忘れていた感じ。最後に主人とセックスしたのはいつだったかしら……と思いながらも、口内で雄々しく反りかえる勃起に舌を絡ませて、献身的なフェラチオをしていましたね。
タクミ君ほどのルックスの男性なら、出張ホストなどしなくても、女性に不自由しないでしょう。だからこそ、負けたくなかった。
自分が持っている限りのフェラテクで、彼を骨抜きにしたかったんです。
彼のモノを深々と咥えて吸いあげ、しゃぶり続けました。
陰嚢もやわやわと揉みしだき、張りつめたカリ首や裏スジもあますところなく刺激したんです。
ジュブ、ジュブ……と淫らな粘着音が響きました。
男の肉の味が濃くなって、私はよりいっそう愛撫に集中しました。
タクミ君は『ああ、ダメです……出ちゃいます……』と言いながら、私の乳房に手を伸ばして、乳首を摘まんできたんですね。
もう、今思い出しても、体がとろけそうに気持ちよかった。
心の中でタクミ君に『私の口の中で、いっぱいしぶかせて』と叫びながら、フェラチオを続けました。
そのうち、彼の太ももがぶるぶると震えだしてきて……射精の前兆だと思った私は、いっそうねっとりと舌を絡めて首を打ち振ったんです」
――続けて下さい。
「その直後でした。『ああっ、出るッ!』と呻いた彼は、私の口の中でドクドクと射精したんです。
まるで、水鉄砲のような勢いで――。
そして最後の一滴まで出しきるのを待って、私は口の中のザーメンをこぼさないよう、慎重にペニスを吐き出したんです。
彼を見ると、頬を真っ赤にしていましたね。ちょっと困惑した姿が愛らしかった。
だから、私は彼に見せつけるように、口内のザーメンをコクンと飲み干したんです。とても濃厚で、喉に引っかかるんですが、全然不快じゃありません。
むしろ、彼を絶頂に導けた悦びに包まれていました」
魔法が解けたような虚しさ
――その後のことをお聞かせください。
「すでに予定の時刻を10分ほど過ぎていたので、軽くシャワーを浴び、料金を払って帰路につきました。
タクミ君は最後までプロに徹底してくれて『今日はありがとうございました』と、ハグしてくれて……。
別れ際がつらかったです。
以前もそうでしたが、まるで夢から覚めたような、魔法が解けてしまったような虚しさが残りました。
それに……目くるめく濃密な時間を共有したにもかかわらず、お金を払う瞬間は『ああ、やっぱり私、お客なんだ』って、残酷な現実を突きつけられて……」
――風俗に行かれる男性も、「お金を払う瞬間は虚しい」と言うかたがいましたよ。
「その気持ち、すごくわかります。私は結局、お金で若くて美しい男との時間とサービスを買っていたんだなって思いました。
帰宅しても、頭の中はどこかふわふわしていて、どうしようもない悲しさがこみ上げてくるんです。
娘や主人と話している時も上の空で……。
心の悲しさや虚しさを埋めたいから出張ホストを呼んだのに、気づけばさらに傷が大きくなっている。
距離を見誤るとダメですね。
今さらですが、軽い恋人気分を味わえる『スタンダード・デートコース』のみのほうが、精神的に楽でした。
普段は明るくふるまってますが、ふとした時にネガティブになってしまう。
だけど、人前で涙は見せられない。
だから、私が泣くのはいつもお風呂でシャワーを浴びている時です。家族に聞こえないよう、シャワーをめいっぱい出して、思う存分声をあげて泣いた夜もあります。
タクミ君に逢いたくて、抱きしめられたくて……でもそれは叶わないし、たとえ叶っても再び暗い闇のような空虚がこみ上げてくる。
遊びと本気を上手に区別できる人って本当に幸せですね。
私は、そこまで精神的にタフじゃなかった……」
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