「恋する乙女」を完璧に演じる
さらに、大学生になって新に再会して以降は、リアルな乙女の表情を連発する。
新が救いの手を差し伸べようとした際の「じゃあ、助けてください……」と嬉しそうにうつむいた後の上目遣い。新の居酒屋のマネージャーとして「葵が必要」と言われた際に「嬉しいです」と言って見せるあどけないくしゃくしゃの笑顔。
恋敵・優香のもとへ向かってしまった新の後ろ姿を見つめる切なく憂いを帯びた眼差し。どれもが、平手が「恋する乙女」を完璧に演じられると証明しているようだった。
一方でソシオパスとして敵をターゲットにした時の狂気っぷりはそれと真逆だ。
かつての同級生に絡まれた際には凄まじい睨みをきかせながらも冷笑的に「あんたが私に勝てるわけないでしょう」と平手打ちを食わせ続ける。
「ディフェ~ンス」
優香が新にキスをしようとした際には、横から割って入り優香の口元をわし掴みしながら「ディフェ~ンス」と防ぎ、「相手の同意を得ていないキスは強制わいせつ罪です」と、大きな眼をギラギラと見開き、挑発的でヒリつくような笑みを突き付けた。
それぞれのシーンで、数秒前の彼女と同じ人物なのだろうかと思わせるほど、どれが本当の彼女なのか分からない、あるいはすべてが本当の彼女にも見える人格の入れ替わりようで、振り幅の凄さが際立っている。
「とにかく平手がいい。ハマり役」
また、本家イソはインフルエンサーらしくヘアメイクやファッションにも注目が集まっていたが、日本版ではモデルとしても活躍してきた平手が奇抜な格好からハイブランドまで完璧に着こなし、抜群のオーラを放っている。
こうした平手の予想を上回る多面性に、既存ファン以外からも「これまで苦手だったけど一気に好きになった」「とにかく平手がいい。ハマり役」「すごい演技する女優さんいると思ったら欅坂の子だったんだ」と称賛の声が後を絶たない。
そればかりか本家ファンからも「イソより好きかも」「平手だけ本家超えてる」「平手ちゃん可愛い」との声が多くあがり始めている。
「六本木クラス」からはじまる国際派女優への道
今作は韓国をはじめ世界7つの国と地域で配信されることも決まっている。帰国子女の葵としてわずかなシーンで英語のセリフを披露した平手だが、まだ若く、今から英語の鍛錬をすれば海外で活躍する俳優になれるかもしれない。
ただ、平手は欅坂46時代からすでに、言語の壁を越えてその存在感とパフォーマンスで多くの海外ファンを獲得してきた。作品がネット上で見られる今、日本にいながらにして、さらに世界が平手に熱狂する日もそう遠くはないだろう。
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