不妊症大国ニッポン…卵子凍結で産みたい人が産める社会へ

西史織 卵子凍結コンシェルジュ
更新日:2019-09-06 18:27
投稿日:2019-08-11 06:00
 子供を産みたい人がちゃんと産めるような社会にしたい。不妊治療で悲しむ人をゼロにしたい。これが私の願いであり、目標です。実際に不妊治療をして悩んだり苦しんだりしている人を近くでみてきました。

日本は世界一の不妊症大国

産みたい人が産める社会へ(写真:iStock)
産みたい人が産める社会へ (写真:iStock)

【01_卵子凍結】

 実は日本は世界一の不妊症大国。調査国全60カ国中、不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位なんです(2016年「国際生殖補助医療監視委員会」レポートより)。これは、私たちの知識不足と医療の両方に原因があると考えます。

 日本は医療の技術自体は高いのですが、法整備が遅れていることが問題です。欧米では自分の卵子が老化などが原因で妊娠できない場合、ドナーの卵子提供を受けることがメジャーですが、日本では倫理的観点から進まないという現状もあります。さらに知識不足から、独自の方法やサプリなどの間違った妊活をしているあいだに不妊治療が手遅れになるケースも多いようです。

独身でも正しい情報を知っておくことが大切

自分の身体は自分以外、誰も守ってくれない(写真:iStock)
自分の身体は自分以外、誰も守ってくれない (写真:iStock)

 つまり産みたくても産めなくて苦しんでいる女性がたくさんいる――。

 私はまだ結婚をしていないので、不妊治療の経験はないのですが、この問題は全く他人事とは思えませんでした。女性の社会活躍が当たり前となった日本では、私たちミレニアル世代はもっと晩婚化・晩産化になっていくでしょう。

 すると、必然的に高齢出産になり、不妊治療をするようになる割合が高くなります。これはどうにかしないといけない問題です。もっとも社会の構造を変えることは一朝一夕ではできませんし、そもそも個人でどうにかできるものでもありません。

 ですが、私たち自身ができることもあるんですよ!

 独身のうちから知識や情報を得て、自分の身体の状態をチェックする習慣や卵子凍結などの選択肢があることを知っていれば、もっと早く対処ができ、不妊治療をせずに済むかもしれない。これって、これから結婚や妊娠を望む私たち世代にとってすごく大事なことだと思うんです(私自身、卵子凍結を行っています。リアルな当事者目線も踏まえながらこの連載では実際にいろいろとお話ししていきたいと思っています)。

仕事と妊活を両立する難しさ

時間は無情に過ぎていく(写真:iStock)
時間は無情に過ぎていく (写真:iStock)

 私の先輩(30代前半・結婚5年目)は、4年ほど不妊治療に悩み、なかなか子どもを授かりませんでした。精神的にも肉体的にもすごく辛そうでしたし、何よりお仕事もされていたので両立するのに苦労していました。不妊治療では、身体のサイクルに合わせて通院しなければなりません。仕事が忙しいタイミングと重なると、治療のタイミングを逃してしまって次の月の排卵日まで待たないといけなくなることもあります。

 やっとの思いで予約を取っても、仕事帰りの19時にクリニックへ向かうと平気で1時間〜2時間待つことだってあるんですよ。何のための予約時間って感じですよね(苦笑)。その間、待合室で何してると思いますか? ほとんどの女性は仕事してます。黙々とパソコンを立ち上げてカタカタカタカタ……治療以前に画面とも格闘しています。想像以上にハードな現実です。

アメリカ女性は出産への意識が高い

出産への意識があるなら計画を立てるのも大切(写真:iStock)
出産への意識があるなら計画を立てるのも大切 (写真:iStock)

 では、日本と同様に晩婚化が問題となってるアメリカはどうなんでしょうか?

 アメリカでは、女性(Female)と技術(Technology)を掛け合わせた「フェムテック」という分野が発達しています。技術の力で女性の健康問題やライフスタイルの悩みを解決する試みのことで、シリコンバレーを起点にニューヨークや複数の州でも認知され、ここ数年、卵子凍結などのサービスを行うスタートアップ企業も勢いがあります。

 個人の尊厳が守られ、女性の自立心が強い国ということもあり、ひとりひとりの意識も高いです。自身の妊娠可能な年齢を自覚し、20代後半になるといつ妊娠するかなどのライフプランとキャリアプランを考え直すという文化があるようです。

 卵子凍結においても、日本が年間約700人に対し、アメリカでは9000人弱が行っているというデータもあるんですよ。

 アメリカ女性は、生理期間は仕事を調整するなど合理的な働き方をしていますが、日本では我慢して“当たり前”。残念ですが、ツラくても無理をしなければならない場面が多いですし、ましてや出産計画を立てる意識はまだまだ低いのかもしれません。日本の女性も大事なことをちゃんと話せる社会になったらいいですよね。

自然妊娠に挑む期間が長い人は注意

どうやって妊娠するのか分からない(写真:iStock)
どうやって妊娠するのか分からない (写真:iStock)

 友達と「今日生理痛ツラい」くらいの雑談はしても、それ以上のことってなかなか話さないのが現実だと思います。例えば、「生理痛酷いんだったら、子宮内膜症の可能性もあるから病院行った方がいいんじゃない?」とか、「そろそろ卵子の質が落ちてくる歳だから将来の為に凍結しようと思うんだけど、どう考えてる?」とか話しませんよね。ほとんどが「いや、そんなこと知らないし」「分からない」というのが現状かもしれません。

 ミレニアル世代の私たちが10代の頃に学校で受けた性教育って、「性行為をしたら子どもができるから避妊しなさい」といった驚くほどザックリとした決まり文句ぐらいで、妊娠するための知識はきちんと教えられていません。それでいて大人になった今、先輩や友達が直面してるのは、「何回トライしても妊娠できない。なんで?」といった、どうやって妊娠するのか分からない状況です。

 分からなくて当然ですよね、だって性行為したら妊娠するとしか教えられてないんですもん。「子供ができない」となって、初めて妊活についてネットで調べたり、周りの友達に聞いたりします。

「あれ? なかなか妊娠しないな。でも、もうちょっと頑張ってみよう」と自然妊娠に挑む期間が長いと、不妊治療が必要な人も開始年齢が遅れてしまいます。

 時間は残酷で、年齢によって不妊治療の成功率は変わってきてしまうのです。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


すき間時間で簡単に!人気のお小遣い稼ぎ「ポイ活」のススメ
「もう少し収入が増えたら、ちょっと贅沢なお食事ができるのに……」「エステに毎月通える生活って羨ましいな……」「趣味のため...
南の島での奇跡の出会い…忘れられない“にゃんたま”の思い出
 忘れられないにゃんたまωがある。  あれは5年前、私がまだにゃんたまカメラマンとして駆け出しの頃。遠い南の島へ船...
1月25日~1月31日のエレメント占い 今週のあなたの運勢は?
 これまで約1万8000人を鑑定してきた占い師・林知佳が、火・地・風・水の4つのエレメントの可愛いキャラクターとともに、...
正直うざい挨拶LINE…相手を傷つけたくない時の対処法!
 彼氏や友達など、「おはよう」の挨拶だけをLINEで送ってくる人っていますよね。もともと連絡をとるのが好きな人であれば良...
“お母さんからのLINEあるある”8選!なんでそうなった!?
 一生懸命、スマホを操作するお母さんの姿は、見ていてほっこりしますよね。でも、送られてくるLINEの内容は本当に不思議!...
説得力や根拠じゃない!自分の意見を伝える時に大切なこと
「どう思う?」「なぜそう感じるの?」と言った意見を求められる場面は少なくありません。職場であればなおさらでしょう。そんな...
こんなの見たことない!今年にピッタリなウシ柄“にゃんたま”
 今年はうし年?な、にゃんたま様に出逢いました。  こんな白黒猫の柄、見たことない! 頭部は綺麗なハチワレ模様であ...
香りで癒されたい貴方にオススメ!洋ランの女王「カトレア」
 とある著名な女性霊能者にお会いしたときのお話でございます。  散歩しているだけで地縛霊に取り憑かれる、いわゆる憑...
1月18日~1月24日のエレメント占い 今週のあなたの運勢は?
 これまで約1万8000人を鑑定してきた占い師・林知佳が、火・地・風・水の4つのエレメントの可愛いキャラクターとともに、...
見極めて! 性格が悪い女性の特徴&上手に付き合うポイント
 学校や会社など、必ずひとりは「性格が悪いかも?」と思う女性っていますよね。「苦手だな……」と思っても無視するわけにいか...
まるで栗まんじゅう!冬空に映える“にゃんたま”君で妄想する
 ニャンタマニアのみなさま、きょうは、栗まんじゅうなにゃんたま君です。  栗まんじゅうといえば、ドラえもんの道具で...
無印良品の歯ブラシをレポート!シンプルで暮らしもスッキリ
 無印良品のアイテムは、シンプルでどんなテイストのお部屋にも馴染んでくれますよね。おうち時間が長い今、毎日の生活を少しだ...
LINEで誤爆…爆笑から修羅場まですぐ削除したい内容9選
 連絡ツールとして多くの人が使っているLINEですが、2017年12月13日に送信取り消し機能が追加されました。でも、送...
自信のない人が“自己肯定感”を高めるために今すぐできること
 自分に自信がない人やHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の傾向にある人は、自己肯定感が低い人が少なくないかもしれ...
汚れた手足と可愛いお顔“にゃんたま”のギャップにきゅんです
 冷たい北風を避けて、陽だまりでコロンコロン♪のにゃんたま君。  外猫ならではの汚れた手足に甘えん坊な顔立ち。この...
金運UPにも効果大! 女性の守護神に捧げる“マーガレット”
 ある年の年末、猫店長「さぶ」率いるわがお花屋さんに一人の男性客からお花のご注文の電話がございました。  この男性...