ピルで確実に避妊するなら?心構えや男性任せの避妊の危うさ

リタ・トーコ ライター
更新日:2023-01-26 20:16
投稿日:2019-07-21 06:00
 前回の「日本はピル後進国! 『ピル=避妊』の考え方は遅れています」に引き続き、連載2回目の今回は、きっと女性のみなさんが知りたい、ピルを飲んでいる時の避妊についての話。「避妊を男性任せにしない」という心のあり方について、お伝えしていきます。

もっともポピュラーな避妊法、男性任せのコンドームの危うさとは?

 まずは、もっともポピュラーな避妊法である「コンドーム」。でも、この危うさについて、お伝えしていきます。

日本の避妊方法の8割が「コンドーム」によるもの

 ラブホテルに行くと、枕元に「どうぞ使ってください」と言わんばかりに完備してある「コンドーム」。薬局やコンビニでも簡単に手に入るし、比較的安価。

 そして、「付けるだけ」というもっとも手軽な避妊方法ということもあり、日本での避妊方法の82%(日本家族計画協会調べ、2016年)にものぼっています。

コンドームを付ける男性はわずか3〜4割!?

 今、お付き合いをしているパートナー、ワンナイトラブで関係を持った男性など、相手は誰でも良いのですが、ズバリ、セックスをする時、男性たちはコンドームを当たり前のように装着してくれましたか?付けてくれなかった経験を持つ女性は、すごく多いはず。

 リサーチしたところ、できればコンドームを付けたくないと思っている男性は約6割、そして、過去1年間で過半数以上の男性がコンドームなしのセックスを行っていたという、驚きのデータがありました。(オカモトラバーズ研究所調べ、2015年)

 いざ、盛り上がってしまうと、動物の本能か理性が効かずにリスクを忘れてしまうのが男性というもの。(そうではない男性方、すみません。)しかも、中には「俺は付けない派」など、公言している男性もいるから困ったものです。

避妊を男性任せにする危険!失敗率は3〜14%

「私の彼は、コンドームを付けてくれるから安心」なんて言う女性もいるでしょう。でも、うっかり破れてしまったり、途中で外れてしまったりする可能性はゼロではありませんよね。また、「挿入する直前にだけ付ければ良い」なんて考えを持つ男女もいますが、精子が含まれるアルカリ性の粘液「カウパー液」でも妊娠はします。

 ちなみに、私の友人は“カウパー液妊娠”をしました。彼氏に妊娠を伝えたところ、「出す時はゴムだったんだから、本当に俺の子か疑わしい」と言われたそう。実に嘆かわしい!

 と、話が飛びましたが、もちろん、中には前向きに女性との未来を考えてコンドームを付けてくれる男性もいるでしょう。それであっても、日本産婦人科学会によると、失敗率はなんと3〜14%。女性はセックスのたびに、そんな危うい橋を渡っていることを知るべきなんです。

「生理前だから大丈夫」なんて言っていてはダメ

 ちなみに、私は、女性側の意識にも問題があると思っています。「生理前だから、避妊しなくて大丈夫」なんて、つい伝えていませんか?実は、「生理前には妊娠しない」という考え方自体、間違いなんです。

 女性のホルモンバランスはとてもデリケート。不規則な生活習慣やストレスなどの影響で、簡単に生理周期は乱れます。つまり、排卵はいつでも起こる可能性があるということ。

 また、何らかの原因で起こる「不正出血」と呼ばれる出血を生理だと勘違いして、排卵日の計測を誤り、妊娠してしまうケースも多いです。

2017年には164,621件の数だけ女性の心が傷ついたのかも

 厚生労働省によると、2017年度の人工妊娠中絶件数は164,621件。この数値を見ると、これだけ多くの女性の心が傷ついたのかな、とつい思ってしまう私。一概には言えないけれど、想像。

 男性にとってのコンドームとは、「できれば付けたくないけど、妊娠させたら困るから付けるもの」というだけ。どちらかというとネガティブな存在でしょう。付ける派の男性の中には、「ジェントルマンだろ?」なんて妙に誇らしげに自慢する男性もいますが、それが「当たり前」という世界になるには、きっとまだまだ。

 だからこそ、女性が傷つかない手段の1つとして「ピル」という技を持っていても良いのでは?と思うのですが、いかがでしょうか?

ピルでの避妊は安心?大前提として知っておきたいこと

 ピルを飲めば妊娠しない。これは、科学的に信用できる事実。ただし、女性として、大前提として知っておきたいことをまとめました。

ピルの飲み忘れには十分に注意!

 ピルがどんなに優秀でも、人間は万能ではありません。ピルは正しく飲むことで、妊娠する確率を0.3%にまで下げることができます。つまり、99.7%は避妊の効果に期待できるということ。でも、実は飲み忘れることが原因で、妊娠率が8%になるとも言われているんです。(日本産科婦人科学会調べ)

 基本的にピルは、毎日同じ時間に飲むというのが鉄則です。飲み忘れが24時間以内の場合には、気づいた時点で1錠&予定時刻に1錠飲むことで効果は継続されます。でも、48時間以上経ってしまった場合には効果が切れてしまう。これが厄介。

 意外と忘れるんですよね。薬を飲むことって。だからこそ、アラームをかけるなど、忘れない工夫を。ご飯を食べたりお風呂に入ったりするように、日々の習慣に組み込むことが大切なんです。

性感染症などの病気は予防できない

 当たり前ですが、ピルを飲んでいるからといってセックスに関しての全ての安心が約束されるわけではありません。危惧するべきことの1つが、性感染症への感染。

 HIV(エイズ)やクラミジア、淋病、梅毒など、自分には関係のないことだと思ってしまいがちな病気は、実は近年、急激に広がっています。

 感染しても自覚症状がないことが多いため、パートナーが以前にセックスを行った人が原因でうつることも十分にあり得ること。避妊目的でピルを飲んでいる方は、この怖さをしっかり頭に入れておくべきでしょう。

女性も男性も避妊をするのが1番良い形!

 避妊、そして、性感染症予防のために、女性はピル、男性はコンドームをそれぞれ使用するのが1番良い形。私はそう思います。楽しく気持ちが良いセックスのため、未来を守るための避妊の両方を共同作業で。これがベストでしょう。とはいえ、そんなの理想論なんですが。

 性感染症に関して言うと、お互いに検査を受ける以外、どうやったって安全確認ができませんしね。だけど避妊に関しては、ピルを飲むことで女性自身が管理できるんです!これは、とても安心感を得られること。

 でも、たとえば関係が長く、性感染症の恐れがないパートナーであれば、ピルだけで避妊を行うのもありですね。「絶対に浮気しない男性」と、言い切れるのであれば。

 まぁ本心を言うと、万が一のことが起きた時に後悔しないと固く誓えるなら、むしろオギノ式だろうと、膣外射精だろうと、何をしてもいいとも思うんですけどね。「望まない妊娠」なんて言葉が減れば、もう少し世の中幸せになるような気がします。

 さて、次回は、病院でどうやってピルをもらうかということに照準を当てて、書こうかなと思います。

リタ・トーコ
記事一覧
ライター
引きこもり既婚ライター。夫とのゆるい幸せを楽しみつつ、つい浮つく。類は友を呼ぶのか、周りに似た友人が多い。人生1回きり。興味に負け続ける女。好きな言葉は「自己責任」。

ラブ 新着一覧


「僕を応援して!」とアピった20代イケメンが女性たちから総スカン。壮大な勘違いを見抜けますか?
「推し」に課金することが当たり前になってきたこの頃、その流れに便乗する人が出てきています。「自分を応援してほしい」という...
内藤みか 2025-02-13 06:00 ラブ
親の反対、相手の浮気…つらい選択をした男女が振り返る「好きなのに別れた理由」6選
「好きなのに別れた」という苦しい選択をした人たち。未練や後悔が残りそうな選択ですが、なぜそんなつらい決断をする必要があっ...
恋バナ調査隊 2025-02-13 06:00 ラブ
もう離れよう…「体目当て」の関係に気付いた5つの残酷な瞬間。異変や不安は見逃さないで
「彼は私の体だけが目当てなのかな…」、そんな不安を抱えている女性は必見! 似たような状況なら、残念ながらあなたの不安は的...
恋バナ調査隊 2025-02-11 06:00 ラブ
喧嘩中でもちょっと待った! 夫や彼氏…男のプライドをズタズタに傷つけるNGワード8選
 雄々しく見える「男のプライド」は、実はちょっとした言葉でも傷ついてしまうデリケートなもの…。でも、女性の中には無意識に...
恋バナ調査隊 2025-02-11 06:00 ラブ
職場バレンタインは“3つの先手”で揉め事回避!受け取った夫のチョコには不倫バレの証拠も?
 いよいよ、バレンタイン。好きな相手を想ってチョコレートを準備するのは楽しい一方で、職場でのバレンタインはぶっちゃけめん...
恋バナ調査隊 2025-02-10 17:10 ラブ
推し活も夜の娯楽も“色恋営業”がなくちゃ面白くない!? 51歳独女が実践する「傷付かない楽しみ方」
 パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。前回のコラムで私が実際に見た“色恋営業”の修羅場について...
mirae.(みれ) 2025-02-10 06:00 ラブ
「昔の僕は若かったなって感じですよ」愛のない結婚生活6年目、浮気相手との未来を語る34歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.232〜女性編〜」では、自ら懇願して結婚した夫の浮気に気付きつつ、自分が捨てられることに強い...
並木まき 2025-02-08 06:00 ラブ
「一か八か。避妊なしの一夜で授かり婚したのですが…」結婚生活の終焉を恐れるゆるキャリ38歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-02-08 06:00 ラブ
休日にLINEを送って失敗した3人の女。職場の男性へ“攻め”のお誘いしたのに盛大に誤爆…!
 職場の男性に片思いしている場合、休日にLINEを送って距離を縮めたいと思う人は多いはず。  でも、いざLINEを...
恋バナ調査隊 2025-02-08 06:00 ラブ
夫との子作り卒業。30代で性生活が無くなるのが不安です(38歳パート、2児のママ)
 38歳2児(10歳と8歳)のママです。週3回パートにでています。41歳の夫は会社員時代の職場の上司部下で、10年前に結...
植草美幸 2025-02-07 06:00 ラブ
アラフォー・アラフィフ世代のマチアプ恋愛。彼との関係が長続きする女性がやっている“単純”なこと
 せっかくマッチングアプリで知り合ったのに、実際に会ったら何を話したらいいのかわからなくて沈黙ばかりだった…。そんな経験...
内藤みか 2025-02-06 06:00 ラブ
“女の可愛い”に騙された男たち。「女性の可愛いは信じられない」発言につながる3つの原因は?
 男性と女性では、考え方や重要視しているポイントが違うことがあります。とくに男たちが声を揃えるのが「女の可愛いは当てにな...
恋バナ調査隊 2025-02-06 06:00 ラブ
不倫発覚で人生詰んだ女たちのドロドロLINE6選。え、わざと? 些細な匂わせでピンと来た!
 不倫をしている女性って「絶対にバレない」という謎の自信がある人が多いようですが、匂わせ発言や些細やりとりで不倫の事実が...
恋バナ調査隊 2025-02-05 06:00 ラブ
義実家嫌い界隈で注目される「死後離婚」のリアル。知っておきたいメリット&デメリットは?
 皆さんは「死後離婚」という言葉を聞いたことがありますか? 実は今、死後離婚を考える人が増えているというのです。今回は、...
恋バナ調査隊 2025-02-04 06:00 ラブ
墓場まで持っていく!「私だけの秘密」こそ夫婦円満の秘訣かもしれない
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
豆木メイ 2025-02-04 06:00 ラブ
「大人バレンタインのグルマン系香り術」【調香師が解説】貴女の脳を満たす甘い香りはどれ?
 女子にとって2月のイベントといえばバレンタインデー! 本命がいてもいなくても、チョコレートのような甘~い香りで気持ちを...
太田奈月 2025-02-04 06:00 ラブ