「トドみたい」発言で炎上の和田アキ子はナゼ"ご意見番の大御所"に上り詰めた? 本業は歌手なのに…

更新日:2024-08-14 17:03
投稿日:2024-08-14 17:00

 和田アキ子(74)以外が発していたら、果たしてこれほどまでに叩かれていただろうか。

「トドみたいなのが横たわっているみたいな。かわいいな」

 8月11日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)での和田の発言がネット上で波紋を呼んでいる。番組ではパリ五輪の女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手(26)を特集。競技場でうつ伏せになりながらカステラを食べている彼女の映像を見て、和田はそう言った。

「"和田アキ子だから叩かれた"という面は大きいと思います。番組でアッコさんは北口榛花選手のファンで、ドキュメンタリーを見て泣いたと言っていましたし、『トドみたい』の後に『かわいいな』と漏らしている。トドをどう思うかは人それぞれですし、かわいらしさの例えとして使ったのでしょう。番組をちゃんと見ていれば、そこまで違和感を抱くような発言ではなかった。ネットからの情報だけで叩いている人が大半ではないでしょうか」(芸能ライター)

 昨今の芸能人はテレビの視聴者ではなく、ネット記事の読者に気を遣わなければいけない状態になっている。特に、和田の言動はSNS上で標的にされやすい。ベテランの芸能記者が話す。

「7年前くらいからスポーツ紙のサイトなどが『和田アキ子の発言はアクセスを稼げる』と判断し、『アッコにおまかせ!』や『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)などをチェックし、発言をそのまま載せるような記事を出し始めました。ニワトリが先か、卵が先かわかりませんが、今ではネットやSNSで意見を言いたがるような人の需要に応えるようにコタツ記事が量産されています。和田さんもネットで取り上げられていることを知らないはずはないので、昔と比べて発言がおとなしくなってきたようには感じます」

 今回は、かわいらしさの形容で使った「トド」という表現が叩かれた。どうして和田アキ子の発言はネットでバッシングに遭うのか。

■その年のヒット曲がないのにNHK紅白歌合戦に例年出場、トリを務めたことも

「長年、"芸能界のご意見番"として大御所扱いをされてきましたが、なぜその地位を築けたのか不明に思われているからでしょう。確かに、歌手として物凄い実績があるかといえば、そうとは言いづらい。1968年に歌手デビューして以降、純粋なソロ曲でのオリコントップテン入りは1971年までに2曲あるだけです。2005年にm-flo、2018年にBOYS AND MEN研究生とコラボレーションした曲で10位以内になってはいますが……」(前出のベテランの芸能記者)

 数字だけを見ると、代表曲の売り上げも芳しくはない。1972年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞に輝いた『あの鐘を鳴らすのはあなた』は、オリコン最高53位で4.1万枚と売り上げ自体は低かった。「あの頃はー!」の歌い出しでよくモノマネもされる『古い日記』は1974年に発売され、オリコン最高44位で5.4万枚に終わっている。

「和田さんは音楽活動を欠かさず、毎年シングルを発売してきました。そして、今でもホールコンサートツアーを行えるほどのファンがいる。立派な歌手なのは間違いありません。ただ、やたらと周りから持ち上げられているようにネット民は感じるのでしょう。"リズム&ブルースの女王"と呼ばれ、その年のヒット曲がないのにNHK紅白歌合戦に毎年出場していたし、トリを務めたこともあった。その違和感を長年持ち続けられてきたのでしょう」(前出のベテラン芸能記者)

人脈の広さを誇示する言動、大手プロ以外のタレントには厳しめの意見も

 和田アキ子は1973年から『金曜10時! うわさのチャンネル!!』(日本テレビ系)に出演。ザ・デストロイヤー、せんだみつお、タモリなどと共演した同番組で"ゴッド姉ちゃん"という怖いキャラクターが定着した。

「当時のテレビには音楽やドラマが上で、バラエティーは下という序列があった。その中で、歌手の和田さんはプライドを捨てて暴れ回った。当時は"女らしさ"が重視された時代です。いじりを許容する大柄な女性なんていませんでした。そのため、バラエティーで重宝された。30代以降は司会者としてもテレビに欠かせない存在になりました。歯に衣着せぬ発言をする女性タレント自体が珍しい時代でしたし、自分がいじられても笑って許していた。テレビ界にとって稀有な存在で、いつの間にか"芸能界のご意見番"と言われるようになった。音楽番組もバラエティー番組も出るので、人脈は広くなるし、『アッコさんなら気軽に喋れる』というような親分的な存在でもありました。ザ・昭和の男社会の芸能界で、苦労して今の地位を築いてきた人です」(前出のベテラン芸能記者)

 85年に始まった『アッコにおまかせ!』はゲストを呼んでのトーク、ある場所からの生中継などが中心だったが、90年代後半にワイドショーのテイストを強め、芸能ニュースも取り扱うようになった。それが現在まで続いている。

「和田さんは、大手事務所のタレントはあまり批判せず、そうじゃない人には厳しく言うような場面もかつては目立っていた。芸能ニュースがあれば、『昨日電話をもらったんだけど』と人脈の広さを自慢するように取れる言動もあった。それらが視聴者の反感を買った面もあるでしょう。『タレントはプライベートで何かあったら和田アキ子に電話しないといけないのか』と面倒くささを感じさせていた。また、バラエティーで芸人たちが飲み会での和田の行為を面白おかしく、何度も喋ってきた。それはパワハラとも受け取られ、視聴者が引くような内容もありました。半分ネタだと思うんですけどね」(前出の芸能ライター)

 過去の印象が現在の"アッコバッシング"につながっているのだろうか。

「ネットで和田さんのトド発言を叩いている人たちは、『歌手として売れているわけでもないし、芸人のような話術があるわけでもないのに、なんで大御所として偉そうにしているんだ』と心の底で思ってきたのではないでしょうか。その気持ちが攻撃を生んでいるのかもしれない。ただ、和田さんは北口選手への悪意はなかったと思いますよ」(前出の芸能ライター)

 北口選手の耳に届いているかすらわからない状況で、「トド発言」は一人歩きしている。

  ◇  ◇  ◇

 タレントはプライベートで何かあったら和田アキ子に報告しなくてはいけないと思わせた例の一つに、ホリプロの後輩でもある石原さとみ(37)が出産した際の「電話ない」発言がある。

 ●関連記事【もっと読む】「和田アキ子が出産した石原さとみから「電話ない」と発言…関係者が憂慮する“2人の溝”」…では当時の様子を伝えている。

エンタメ 新着一覧


オリラジ藤森慎吾がテレビで"愛妻家"猛アピールも…恋リア視聴者から批判続出のワケ
 今年4月に一般女性と結婚したオリエンタルラジオの藤森慎吾(41)が、チャラ男キャラから"愛妻家"に転身。7月には日本テ...
2024-09-11 17:03 エンタメ
「東出昌大の再婚を叩いたら負け」なのか? SNS社会は彼に試されている…
 2015年1月、朝ドラ『ごちそうさん』で夫婦役を演じた杏と結婚して3人の子を授かるも、映画『寝ても覚めても』で共演して...
堺屋大地 2024-09-11 06:00 エンタメ
夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…
 8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。竹中(高橋努)は渾身の記事を書き、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純...
桧山珠美 2024-09-09 17:40 エンタメ
永山絢斗は執行猶予期間中の"見切り発車"でも 「東リベ」「コールドケース」続編に現実味
 2023年に大麻取締法違反容疑で逮捕・起訴され、執行猶予中の永山絢斗(35)が9月2日に所属事務所「パパドゥ」を退社、...
2024-09-09 17:03 エンタメ
元TBS美人アナ“マイバッハ社長”とのセレブ婚が一転…空白の8年で改名と移住、離婚決断の裏事情
《私事で恐縮ですが、この度婚姻関係を解消する運びとなりました》  8月31日に自身のインスタグラムで離婚を発表したのが...
2024-09-10 12:08 エンタメ
そんなに女性天皇がいやなのか…最近の雅子皇后いじめの裏にあるもの
 雅子皇后に“異変”が起きていると週刊誌が騒いでいる。  週刊新潮(9月5日号)によれば、今夏、那須の御用邸へ静養へ行...
2024-09-08 17:03 エンタメ
【写真特集】若っ!金髪姿の岡田将生。浴衣、くるんくるんパーマヘアも…
【この写真の本文に戻る⇒】岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
この投稿をInstagramで見る 映画『ラストマイル』公式【大ヒット上映中】(@...
松下奈緒が見据える世界進出の可能性 「スカイキャッスル」セレブ妻役で役者としての“幅と深み”を獲得
 主演ドラマ「スカイキャッスル」(テレビ朝日系)で演じる浅見紗英が、ハマリ役だと評判なのは松下奈緒(39)。  原作は...
2024-09-07 17:03 エンタメ
あのちゃん人気の理由は「若者に支持される“陰キャ”」…唯一無二ポジションでライバル不在
 歌手でタレントの、あのが4日、都内で5年ぶりの写真集「あの写真集 あの在処」(小学館)の発売記念取材会に出席した。 ...
2024-09-07 17:03 エンタメ
朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
若槻千夏に悪評噴出「第2のフワちゃん」の声まで…23年間所属した事務所“円満退社”のウラ
 タレント若槻千夏(40)が8月末で23年間所属した芸能事務所「プラチナムプロダクション」を退社し、独立を発表。今後は自...
2024-09-06 17:03 エンタメ
なにわ男子・長尾謙杜と交際か…フジテレビ原田葵アナ“におわせ”インスタの波紋
 昨年9月に「週刊文春」(文芸春秋)で、元セクシー女優の三上悠亜(31)との交際が報じられた、人気グループ・なにわ男子の...
2024-09-06 17:03 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
やす子“ナマ痴漢”被害の波紋…「24時間テレビ」チャリティーマラソン中に沿道から胸タッチの波紋
 先日放送された「24時間テレビ47」でチャリティーマラソンを走ったお笑い芸人のやす子(26)が、沿道の男性から、胸を触...
2024-09-05 17:03 エンタメ
篠田麻里子の新恋人が“また起業家”で蘇る「まりちゃん」離婚騒動の記憶…濡れ場好演で復活も
《現在私にはお付き合いしている男性の方がいます。一般の方なので詳細は差し控えますが、私や娘のことを大事にしてくれる、とて...
2024-09-05 17:03 エンタメ