フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係
フジテレビによる前代未聞のやり直し会見は、改めて同局経営陣のずさんさ、ガバナンス不全を国内外に露呈した。お台場の「天皇」といわれる日枝久取締役相談役(87)は欠席の上、おとがめなし。港浩一社長(72)、嘉納修治会長(74)の2人の辞任はトカゲの尻尾切りに過ぎず、中居正広(52)の女性トラブルのきっかけをつくったとされる幹部社員A氏への調査は大甘、再発防止策もゼロ同然だからだ。
10時間超の会見で最も紛糾したのはトラブルの原因について言及した時だった。中居と被害女性の「認識の不一致」とした遠藤龍之介副会長(68)が発言を後に撤回した場面では「いい加減にしろ」などと怒号が飛び交った。
現場で取材した芸能リポーター平野早苗氏はこう言う。
「フジテレビで長く仕事をしてきた者としては、今回の会見はつらいものとなりました。2人の間で起きた事案に関して全く説明できないので真実が明らかにならず、登壇している5人の発言も奥歯に物が挟まった言い方で、それぞれの思いがストレートに伝わってきませんでした。心に響く言葉の少ない内容で、そのストレスが記者たちの“不規則発言”につながっていったと思います。そもそも同意、不同意について触れてはならないという全員の統一した認識を持たずに会見に臨んだのでしょうか? あの怒号の飛び方は尋常じゃなく、発言者も二次被害を考えるべきだったのではないでしょうか? フジテレビの再生に黄色信号がともる一幕でした」
「まさにフジテレビの落日を見た感じです」
元フジテレビの芸能評論家・中野義則氏はこうだ。
「フジテレビにとって正念場の会見でしたが、新社長を含む経営陣全員が崖から落ちて行くのを目の当たりにした気がします。まさにフジテレビの落日を見た感じです。登壇したフジ・メディア・ホールディングス社長の金光修さん(70)はその昔、深夜の『NONFIX』という番組で編成を仕切った時、『この番組は天下国家にツバを吐くものだ』と言っていたのを覚えています。巡り巡って、ツバを吐かれる側の人間になってしまったように見えました。日枝さんをはじめ、ロートルがトップに居座り続け、それがあらゆる問題の遠因、土壌になっているのに、その認識すらないのですから、どうしようもない」
フジテレビは中居と被害女性の間のトラブルを把握後も中居がMCの番組や特番を1年半も継続。番組の存続について中居に対する配慮が働いたのかという質問については否定していたが、「元SMAPでジャニーズ事務所にいた中居をフジテレビの方から切れるわけがない。蜜月どころかズブズブですから」と言うのはさるフジテレビ関係者だ。こう続ける。
「会見に登壇したフジ・メディアHDの金光修社長は日枝相談役について“現在のフジテレビの企業風土の礎をつくっているのは間違いない”と発言していましたが、金光社長もどっぷりその風土に乗っかった上で現在のポジションを築いてきました。というのも金光社長の元妻でフジテレビの社員プロデューサーだった重岡由美子氏はフジテレビから旧ジャニーズ事務所に現役出向した後、取締役に就任していますから。組織ぐるみでズブズブの象徴的人物と言えます。フジ側が旧ジャニーズの中居くんを特別扱いした上での忖度は言わずもがなです」
自局の女性社員の犠牲の上に成り立つ番組などおぞましい限りだが、その結果スポンサー離れに拍車がかかり、フジテレビ崩壊が現実味を帯びてきている。フジテレビとスポンサーの架け橋をしてきた広告プロデューサーはこう言う。
「設置した第三者委員会による調査がまともに行われれば、日枝さんを筆頭に現経営陣は全員退陣を求められるでしょう。そうでないと、スポンサー企業も一度CM停止をした手前、上げた拳を下ろせなくなります。春の改編期も近くて、フジとしてはスポンサーを戻さなきゃならないから焦っているのでしょうけど、日枝さんの首に鈴をつけることすらできていなかった。港社長ら2人の辞任ではトカゲの尻尾切りと言われて当然ですし、世の中の不信感をさらに助長させてしまった。何のための会見だったのかと思ってしまう」
お台場から聞こえるフジテレビの断末魔の叫び。ジャニーズの呪縛が骨に絡んでいる。
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