昨年、40歳にしてフリーランスからフルタイム総合職へと転職しました。
エージェントを利用して転職活動を進めましたが、当然のように大企業への転職は難しく、採用が決まったのはベンチャー企業。肩書きも特にない、いわゆる平社員からのスタートです。
今の職種は営業なのですが、20代のようにあちこち出張に行き、慌ただしく働く毎日。体力的にも精神的にも決して楽ではありませんが、仕事のやりがいや楽しさを感じる瞬間もあります。
とはいえ、やはり求められるスキルも高く、そのプレッシャーに押し潰されそうになる場面も少なくありません。
妊娠・出産・子育てで細切れになったキャリア
今回の転職活動を通じて痛感したのは、私のように妊娠・出産・子育てを経てキャリアが細切れになった人間にとって、40代での転職がいかに厳しいかということ。
夫のせいにするつもりはなく、私自身が選んだ道ではありますが、やはりこのキャリアのブランクがあることで、中年になってからのキャリア形成に苦労しているのは事実です。
特に、男女の賃金格差のデータを見ていると、この「細切れキャリア」の影響が表れていると感じます。
Job総研が実施した「2023年 賃金格差の実態調査」によると、男性の平均年収は692.8万円で中央値640万円、最頻値(最も多い層)は550万円であるのに対し、女性の平均年収は517.2万円、中央値460万円、最頻値は380万円という結果に。
このデータからも分かるように、男女の間にはまだまだ大きな賃金格差が存在します。
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キャリアを継続しても、夫と同じ収入にはならない?
もし産休・育休を取得しながらキャリアを継続していたら、今ごろ夫と同じくらいの収入を得られていたのでしょうか?
ここについては正直、疑問が残ります。
OECD(経済協力開発機構)の調査でも、日本の男女の賃金格差は加盟国の中でも特に大きいと指摘されています。
例えば、OECDの最新データでは、日本の男女の賃金格差は22.1%(2022年時点)と、平均の11.9%を大きく上回っています。
ただ、この問題を「日本社会が悪い」と一概に断じるのも違うのかもしれません。
というのも、日本の女性は諸外国の女性と比べて、社会進出への意欲が相対的に低いというデータもあるからです。
例えば、厚生労働省の「働く女性の実態調査」によると、日本の女性の就業率は年々増加しているものの、フルタイムでの就業率や管理職の割合は先進国の中でも低水準にとどまっています。
また、日本の女性は出産後に「パートや非正規で働く」という選択をする人が多く、キャリアよりも家庭を優先する傾向が強いとも言われています。
つまり、男女の賃金格差は、社会構造だけでなく、日本の女性自身の選択の影響も大きいのです。
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