ザブングル加藤は市長とコンビ結成。運営側の思惑とは
『M-1』では1回戦の各日にその日一番活躍したアマチュアに送られる「ナイスアマチュア賞」や、活躍したキッズ漫才師に贈られる「ナイスキッズ賞」などという賞が用意されています。昨年までは、方言や伝統衣装を使用したり、地域の名物などをテーマにした漫才を披露したコンビを表彰する「ジモトスター賞」なるものもありました。
これらの動きは、『M-1』運営からの「アマチュアもどんどん参加してほしい」というメッセージでしょう。漫才、そしてお笑いのすそ野を広げたいというよしもとの思惑が手に取るようにわかります。
その流れに乗るように、先日『M-1グランプリ2007』ファイナリストであるザブングル(2021年解散)の加藤さんが出身地である三重県四日市市の市長と組んでM-1に挑戦することが発表され、ピン芸人であるやす子さんも、先日イベントに登壇した際に熊谷市の市長からコンビ提案をされていました。
かつてはアマチュアから変ホ長調が決勝に、当時小学生だった、まえだまえだが準決勝に進んだこともありました。それもあって、アマチュアやキッズの参加者も増えてゆき、その後ナイスアマチュア賞からプロの芸人になったコンビが続々と誕生するようになりました。
『M-1』グランプリは初代審査委員長・島田紳助氏の言葉に端を発して「力のない芸人を辞めさすため」「埋もれているスターの発掘」という狙いがあると言われていました。
しかし、『M-1』の創立に携わった元・吉本興業ホールディングス取締役・谷 良一さんによると、そもそもの立ち上げのきっかけは上司からの 「漫才プロジェクトを作って低迷している漫才を盛り上げろ」というものだったと言います。
漫才を「見るもの」から「やるもの」へ
『M-1』の存在が国民的行事になり、“漫才”という世間に演芸が浸透した現在。M-1グランプリファイナリストたちが全国20か所超を行脚する『M-1』ツアーも大盛況で終わりました。つまり、今がまさに立ち上げのきっかけともなった「漫才をさらに盛り上げる」ための重要なタイミング。
『M-1』でお笑いのすそ野を広げ、野球やサッカーのように「見るもの」から「誰もが自らもやるもの」へと移行する段階に仕掛けているのです。
学生芸人が隆盛を究めているのも、その仕掛けの結実に繋がる動きなのではないでしょうか。早稲田大学のお笑いサークル『LUDO』の入会希望者も500人を超えているのだそうです。(※6/28放映abema『しくじり先生 俺みたいになるな』より)
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