ドラマも情報番組も…秋の改編経てもフジテレビ惨敗 幹部に醜聞発覚で“泣きっ面に蜂”
【芸能界クロスロード】
10月の改編期は信頼を回復させる絶好機だったはずのフジテレビ。新番組も1カ月を経過したが、依然、低空飛行が続いている。
早々に改編が発表されていた午後の情報番組「旬感LIVE とれたてっ!」。関西テレビがローカルで放送していたものを途中から受ける変則な形だが、視聴率はまるで視力検査のような(1%未満の)数字の日が続出。出演者で社会学者の古市憲寿に「視聴率ほぼ0%でしょう」とまで言われた。
「平日午後は視聴者が少ない時間帯とはいえ、深夜の通販番組並みの数字をフジも深刻に考えなければいけない」(テレビ関係者)
要因は明確。フジが受けるのは2時48分とあまりに中途半端。午後2時台の「ミヤネ屋」「ゴゴスマ」に本気で対抗するなら同じ時間帯から始めないと意味がない。途中で似たような番組に切り替える奇特な人はいない。レギュラーの吉本芸人も戸惑っているのか、キレがない。これ以上、恥をさらさず、早めの手当てが必要だ。
ドラマも深刻な状況だ。深夜枠を除くと期待のドラマの視聴率が軒並み悪い。三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は4話が3.7%と落ちる一方。三谷の過去の実績からして惨敗といっていい。
フジは三谷作品なら「いける」と踏んだのだろうが甘かった。他球団でエースとして活躍してきた投手をBクラス脱出の切り札として獲得したが、すでに往年の力はなかったようなものだ。フジの窮状を予測したように、TBSは宮藤官九郎のヒットドラマ「不適切にもほどがある!」を来春、スペシャルドラマとして放送する。三谷から宮藤作品にドラマの流れも変わりつつあるか。
“月9”初出演の沢口靖子の「絶対零度」も低視聴率に喘いでいる。沢口は25年続いた長寿番組「科捜研の女」(テレビ朝日系)の榊マリコ役を「私の分身」とまで言っていたほど思い入れがあった。新たな刑事役に向けショートヘアとアクションを取り入れたが、やはり沢口にアクションは似合わないと思う。
見かねたようにテレ朝が手を差し伸べ(?)正月特番として「科捜研」の放送がされると報じられている。警察モノを巡り綱引きの続く沢口も、そろそろ刑事役卒業の時期を迎えている。
次にどんな役を選ぶかは、本人と事務所の判断だが、個人的には悪女役の復活に期待したい。「科捜研」が始まった後、2007年、沢口は松本清張の「塗られた本」(TBS系・特番)に主演した。品性がありながら魔性を秘めた元銀座ホステスの女社長が、3人の男を手玉にとる役は沢口の新たな魅力だった。次はどんな悪女の期待も、沢口は「科捜研」に専念。悪女役は封印されてしまった。沢口はクール美女の一面を今も持っている。案外、悪女役が似合うような気がする。
仲間由紀恵と北村有起哉が夫婦になったホームドラマ「小さい頃は、神様がいて」もついに3%台に落ちた。北村と仲間という異色の組み合わせだが、話題性ではテレ朝が上回った。テレ朝は大泉洋と宮崎あおいが夫婦役を務めるドラマ「ちょっとだけエスパー」を放送。宮崎が復帰作にテレ朝を選んだわけだが、戸田恵梨香は来期のTBS日曜劇場「リブート」で女優復帰する。
秋の改編はさしたる成果も見いだせないなか、フジの幹部のスキャンダルが再び発覚した。フジメディアHD取締役・安田美智代氏が経費精算の疑義で辞任した。番組で信頼回復の前に、フジの幹部の膿を完全に出し切ることの方が先決のようだ。
(二田一比古/ジャーナリスト)
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