人はなぜ死者に花を手向けるのか? 古代から続く花のチカラ

斑目茂美 開運花師
更新日:2019-10-12 06:00
投稿日:2019-10-12 06:00

亡くなったペットと共に現れたお客様

 お花屋さんという御商売は、本当にさまざまなお客様のいらっしゃる場所でございます。ワタクシのお店は神奈川でもちょっぴりカントリー風情満載の立地ということもあってか、ご来店なさるのは必ずしもお花を買う方とも、日本語OKな方とも限らず、もっと言えばそれが「ヒト」とも限らないのでございます。

 先日も我がお店の近くにある巨大有名会社の敷地内に、どうやったらキッチンカーの出入り許可が取れるのか……などと、明らかにお花とは全く関係無いご相談にやってくる謎の外国人が飛び込んできた時には「そんなこと知らんがな!」と食い気味にお答え致しましたが、結局手を尽くして連絡先を探るという……。

 毎日がオモシロお客様万歳の、ブサ可愛猫店長「さぶ」率いる我がお店に、今日も悩ましくもさすがのワタクシもちょっと驚くようなお客様がご来店したのでございます。

お客様「あの〜うちのワンコが死にまして、火葬するのにお花が必要なのです。」

ワタクシ「それは大変でしたね。棺の中に入れるお花でございますね。女の子?男の子?小さいワンコちゃんでござんすか?」

お客様「あの、見てもらえます?」

ワタクシ「は?」

お客様「今、車の中にいるんで連れてきます」

ワタクシ「嘘でしょ?」

 ワタクシとの会話もそこそこにお車になにやら荷物を取りに行かれたお客様。

 これなんですけど……と差し出された小さな箱。

 お客様「開けて見て判断してください」

 恐る恐る箱を開けると、そこには安らかな顔で横たわる1匹のワンちゃんがおりました。

 亡くなってるけど「初めまして」のワンちゃんに一同、涙腺崩壊。店内にいる者全員でご予算なんてそっちのけでワイワイお花を棺に入れて「虹の橋でお母さんが来るの待ってるんだよ!」と生きている時をまるで知らないワンちゃんに向かって泣きながら呼びかけるという始末。

 しかし人はなぜ大事な誰かが亡くなった時に「花」を手向けるのでしょうか。

 知りたいですよね〜。ということで、今週は開運ではございませんが「悲しみと手向けの花」の解説でございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


それ“和牛”違いですよ! コントのような「おばさん」二人の会話に更年期の私が救われたわけ
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
失敗ばかりの「ミモザの鉢植え」、成功の秘訣は“マニュアル外”の育て方にあり? 4年目で気づいたコツ
 晩秋の風がひんやりと肌を撫でるころ、ワタクシの中でそわそわし始める植物がございます。それはずばり、ミモザちゃん。 ...
一生ついて行きます! 職場にいた“理想の女上司”エピソード集「とにかく帰っていい」の言葉に泣いた…
 あなたにとって「理想的な女上司」とはどんな人物ですか? 漠然としたイメージ、あるいは具体的な条件などはあるでしょうか。...
LINEの誤爆で思い出す、中学時代の“ある事件”。女子同士の「手紙回し」にあった残酷な一面
 あの頃の手紙は、今のSNSより不器用で、でもずっと真剣だった。速さに追われる時代に、言葉を選ぶ“間”の大切さを思い出さ...
え、私の息子はどこに? 義母のインスタで知った“孫”格差。プレゼントやお年玉にも露骨な線引きが…
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
 “にゃんたま”の不敵な笑みにノックダウン!「キミはどう撮るのかな?」
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【漢字探し】「椛(モミジ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
「お漏らししたのよ〜」って何歳の話!? 実家で震えた家族のありえない言動5つ。結婚・出産話もしんどい…
 楽しみにしていた連休、久しぶりの実家。でも実際に帰省してみると、想像以上に精神的ダメージを受けることも少なくありません...
プチプラハンガー戦国時代!結局100均が最強だった。セリア、ダイソーで“ちょうど良い”ピンチ&アーチ型を発見♪
 ハンガーへのこだわりは、MAWAのハンガーを購入してから。使いやすく、型崩れしないハンガーに感動。そこからMAWAを買...
賞味期限じゃない?ホステスが“客のボトル”を捨てるワケ。キープされる常連の条件
 みんさんはボトルキープってしたことありますか? なんかかっこいいですよね、いかにも「常連」って感じが出ますし…。 ...
こんなはずじゃなかった!“イメチェン失敗”の切なすぎるエピソード。頑張りすぎて「整形?」
 過去、イメチェンに失敗したことはありますか? メイクにファッション、ヘアスタイル……思い切って踏み出した結果、思いがけ...
キラキラ輝く猫さまの曲線美…見よ、これが太陽系に輝く“にゃんたま”だ!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
は? 遅刻するのは「待たされたくないから」!? 常習者の謎ムーブ5選。待たされる気持ちにもなって!
 人と待ち合わせをしたら時間を守るのがマナーです。でも、中には約束時間を守れず、毎回遅刻してくる人も…。今回は、毎回のよ...
あれ?誰とも喋ってない… 「コミュニケーションにはお金がかかる」という現実。孤独と戦うおばさんの生存術
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
「普通が得する時代に…」キラキラネーム世代が陥る“名付け疲れ”。唯一無二の名前=愛の証だった時代の功罪
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって“名前”の傾向が異なります。名前が“社会的ラベル”になる現代では、名前を...
「あと10分」で4時間待ち!“遅刻”擁護派の私がキレた瞬間。やっと来た友達の信じられない一言
 みなさんは友人間での“遅刻”について、どう考えますか? 遅刻で友情に亀裂が入ったという衝撃エピソードを、みなさんにも共...