新たなスタートを切るメンバーたちの可能性
平手抜きでも欅坂46は欅坂46であったし、大人や社会の反抗を欅坂46自身が大人になったらどうするのかという問いには、山﨑が継承する形で答えを出せるとも思った。だからこそ、平手のイメージを払拭するための欅坂46改名は必要ないと配信ライブで強く思った。
今回の改名は当然、大人たち主導で進められたものだろう。平手と共に自分たちも欅坂46の一員としてグループを築き上げた1期生が改名を望むはずはないし、乃木坂46、欅坂46、けやき坂46(現・日向坂46)のメンバーを募集した「坂道グループ合同オーディション」に合格した中でも、“欅坂46”に憧れ、配属を希望し、加入した2期生もそのグループ名が変わることはショックだったに違いない。
菅井が欅坂46の終わりと改名への経緯を、泣くのをこらえながら語っているその周りで、多くの1期生、2期生が涙していた。
だが、メンバーたちはすでに前を向いているという。むしろ輝かしい未来を切り拓ける力があるメンバーたちだからこそ、真っ白なスタートラインから全く新しいグループとして大きく羽ばたける可能性は十分にある。
筆者はTwitter上で欅坂46ファンを対象にアンケートで、グループ改名を受け入れられるか否かについて問うてみた。
改名は「受け入れられる」が4割
総投票数743票の内訳をみると、「受け入れられる」(43%)が最も多かった。配信ライブを見てあらためて、グループ名がなんであろうと応援していくという声が多数あがっていた。
一方で「受け入れられない」(26%)という声も少なくはない。あまりの突然の発表に現役メンバーのファンはもちろん、平手ファンも彼女が全力で守ろうとしてきた欅坂46の消滅に複雑な思いを寄せていた。「改名以後を見て決める」(31%)を合わせ、57%と過半数強の改名に戸惑うファンの心を動かせるか。これはメンバーたちの奮起だけでなく、これまでグループの停滞を招いたとして多くの批判を浴びてきた欅坂46運営の手腕にもかかっている。
改名前にまずは欅坂46としてラストシングルとなる8月配信リリースの「誰がその鐘を鳴らすのか?」のパフォーマンスや、10月開催予定の「欅坂46ラストライブ」をできるだけ多くの人々に見て欲しい。もちろん、筆者も見たい。悔しさを飲み込んで、平手のいない新しいグループを創り上げる覚悟を決めたメンバーたちの力強い息吹きが必ずや感じ取れるはずだ。
そのメンバーたちで新しい坂を全力で駆け上がり“未だかつて見たことがない”素晴らしいグループになることを期待したい。
エンタメ 新着一覧