子どもの運動神経は“養う”もの…遺伝や才能なんて関係ない!

小阪有花 子どもの心スペシャリスト
更新日:2021-02-19 06:00
投稿日:2021-02-19 06:00
 自分の子は運動ができる子になってほしい——。世界的アスリートになってほしいとまでは言わずとも、健康のことを考えると、子どもには運動ができて欲しいと思いますよね。そう願いながらも「親が運動ができないから自分の子にも遺伝しているかもしれない」「お友達よりも走るのが遅いからあまり運動神経がよくないかもしれない」など、思い込んでいる親御さんは多いかと思います。

 しかし、それは間違いです。正しい身体の使い方を知れば、正しく運動神経を養うことができます。そして運動神経は、生まれてから小学生にあがるくらいまでの経験によって養われると言われています。今回は、運動のできる子を養うために取り入れて欲しい運動3選をご紹介したいと思います。

無理して立たせる必要なし!思う存分ハイハイをさせよう!

 ハイハイは神経の発達が腰から足へと進んできている証し。腕や足腰の関節・筋肉を使うハイハイは、まさに全身運動です。手足を上手に連動させて動かすことは、いずれ歩く動作にもつながりますし、胸の筋肉の発達や、股関節の柔軟性を助けます。中でも、股関節や足腰が柔軟に動くことは、将来あらゆるスポーツの動作において有利に働くことが多いのです。     

 ダンスやサッカーなどダイレクトに足を動かす競技はもちろん、野球でバットをスイングする動きは上半身に意識が行きがちですが、実は足腰から股関節の連動によって全身の体重がバットに乗り、ホームランを打つことができます。

 また、ハイハイは、手のひら全体で身体を支えるので、手指の動きが発達し、大脳を刺激して知能の発達も期待できます。さらに顔を上げて動くことで、動きながら物を見る力や、姿勢を安定的に保つ平衡感覚や反射神経も高まります。こうした要素が、転びそうな時にとっさに両手を前に出して頭や身体を守ることにもつながって、自分の身を自分で守れるようにもなるのです。

 このように、ハイハイはさまざまな効果が期待できます。たくさん楽しませてあげましょう。もし、なかなかハイハイを始めない子には、少し離れた場所におもちゃなど興味を引くものを置いて誘導すると効果的です。

歩き始めたら裸足ライフで足裏の感覚を鍛えよう

 歩けるようになったら、無理のない範囲でなるべく裸足で生活させるようにしましょう。先述した通りあらゆるスポーツにおいて下半身の発達や柔軟性は重要な要素となります。

 立って歩いたり走ったりすることはもちろん、テニスやフットサルといった急激なストップ&ゴーを必要とするスポーツでは、足裏で地面を噛む力が非常に重要となります。つまり、土踏まずのある足を作る必要があるのです。

 近年、土踏まずのない扁平足の子どもが増えていて、足裏で衝撃を吸収できないために、疲れやすい、転びやすい、という弊害がおきています。なので、幼少期から足の指で地面をしっかりつかんで蹴り上げながら歩く習慣を身につけましょう。

両手を自由に使えるようになったらボール遊びを取り入れて

 子どもが大好きなボール遊びも運動神経の発達をサポートしてくれます。初めは大人がボールをコロコロ転がし、子どもにキャッチさせるところから始めてみましょう。

 ボールをキャッチする際に行う、握る・つかむという動作は、ボールやラケットなどの道具を使う競技において重要な要素となります。最初はボールをつかんで、振り回したりたたきつけたりするだけですが、こちらも手のひら全体を使うことで大脳を刺激する効果があります。

 また徐々に利き手がはっきりしてくる時期ですので、手の感覚を鋭くするために左右の手を均等に使って遊ぶとよいでしょう。

 やがて投げる動作が加われば全身運動へと変わり、身体全体の運動機能を刺激するのに効果的です。その時はゴム製の少し硬いボールや色々な大きさのボールを試してみましょう。

おわりに

 運動や勉強に対して遺伝や才能の有無で判断し、たくさんの可能性を捨ててしまうのはとてももったいないことです。キックボクシングの世界王者・那須川天心選手の専属トレーナーも「彼の身体能力は中の上」というコメントを残しています。

 その言葉に学べば、身体能力にかかわらず、世界チャンピオンにすらなれる可能性があるのです。子どもは「苦手」なのではなく身体の使い方を「知らない」だけ。

 まずは、子どもの可能性を信じることから始めましょう。

小阪有花
記事一覧
子どもの心スペシャリスト
保育コンサルタント。アイドル時代の旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。09年に引退後、保育園の先生を経て現職に。チャイルドカウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター、家族療法カウンセラーなどの資格を持つ。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


上半期“ママ友界隈”のびっくりエピソード。パンツ見えそうなミニスカにヒヤヒヤ…!【お花見編】
 今年も早いものでもう6月。この半年で、あなたにはどんな思い出ができたでしょうか?  今回は上半期を振り返り、春の...
【女偏の漢字探し】「鮱(ボラ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
大人の学び直し=リスキリングで価値ある人材になる。忙しい毎日でも続けられる5つのコツ
 人生100年時代の現代では、キャリアを築く上でリスキリングが重要だといわれています。今回は、リスキリングを続けるコツを...
ゲッ…ママ友からの「非常識LINE」に驚愕。我が家をBBQ場にするつもり!?
 子どもの学校生活や交友関係を考えると、ママ友は簡単に切ったり無視したりできませんよね。だからこそ、ママ友にまつわる悩み...
姑と夫が思う「デキる嫁」の特徴4つ…って理想高すぎじゃないですか!?
 今回は、“デキる嫁”の特徴をご紹介! 嫁となる女性からは「ふざけんな!」なんて不満や怒りの声も聞こえそうですが、姑や夫...
貧乏OLがゴルフを趣味にできる? デビューまでの金額を合計したら…やっぱセレブの遊びじゃん!
 ゴルフを趣味にしてみようかな…。興味があることはとりあえず1回やってみる精神の私は、近所のスポーツクラブのゴルフレッス...
「あ、転職に失敗したな」入社1日目で悟った6つの瞬間。ギスギス空気、社員の顔色が悪すぎ…
 転職・就職して、入社1日目! どんな経験ができるんだろうとワクワクして入社したのも束の間、「あ、やっぱこの会社失敗だっ...
夫の不倫→離婚争いで義母が激変「子どもには二度と会わせない」ってなんでだよ!【身内のありえない発言】
 嫁と姑の付き合い方が見直され、昔ほどフィーチャーされにくくなった「嫁姑問題」。とはいえ、人間関係が発生するところにトラ...
ねこ神様、地底の世界へ帰る…? “にゃんたま”丸見えのお姿に、はは~!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
職場の嫌いな人、無視するのは待って! やってはいけない「3つのNG対応」と賢い付き合い方
「職場に嫌いな人がいて、ストレスがたまる…」「嫌いな人と一緒に仕事をしなくてはならなくて、雰囲気が悪くなってしまう」この...
ひぇぇ~! 恐るべき「ドクダミ」の繁殖力…引っこ抜くのは絶対NG。罪悪感もお金もかけない除去方法は?
 ドクダミの白い花が美しい季節になりました。個人的には決して嫌いではありませんが、今の季節ごろから、美しい花が目立つせい...
女の“風呂後”が入浴時間よりも長い謎。中年になるほど時間がかかるのはなぜ?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
うわぁ…子供の「友達の親」苦手なタイプだわ。無理して付きあう or 付き合わないの判断基準は?
 あなたは子供の「友達の親」が苦手な場合、無理して付き合いますか?    “子供”でつながった関係は、普通の友達とは...
不安的中! 私が出会った「ヤバい新人」。定時前に“勝手に”帰る中条あやみ似の美人社員、その理由は…
 2025年のGWも、あっという間に終了し早くも6月に。今年入った新入社員たちも、そろそろ会社の雰囲気に慣れてきた頃では...
天才モデル猫、爆誕! 完璧ルックスの美“たまたま”に刮目せよ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
結婚はしたけど…既婚女性が「家に帰りたくない」7つの切ない理由
 独身女性からしたら、既婚女性に「幸せそうでいいな」と羨ましさがあるかもしれません。ですが「家に帰りたくない」と涙を流し...