ポテンシャルに脱帽!日本でも馴染みの花「タラスピ」活用法

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-06-02 06:00
投稿日:2021-06-02 06:00

タラスピって何ですか?

 タラスピ(ナズナ)は、ヨーロッパ原産の一年草で、帰化植物として日本の山野にも自生しています。タラスピとはナズナの学名のこと。古より日本で親しまれてきたナズナは「薺」と書き、「春の七草」として知られ、現代でもお正月後の体を整えるために食べられる「七草粥」でナズナを食べる習慣が残っております。

 ナズナには利尿作用や解毒作用、止血作用があるほか、胃腸の調子を整えるといわれております。まだ寒さの残る時期のナズナの葉は甘く、天ぷらやおひたしにしても美味。また、花が咲く3月以降に乾燥させて「ナズナ茶」として飲むと、便秘解消やむくみ改善が期待できるともいわれております。

 ナズナという名前から、撫でることで穢れを取り除くことができる、縁起の良いものともいわれているのでございます。

「ナズナ~? ぺんぺん草のことでしょ~?」と思ったアナタ。

 ハイ正解! 公園や道端で風に吹かれてフワフワ咲いている、「春の七草」というより、これって雑草じゃね? とワタクシたちにはエラく身近に咲いているように感じる、あのお花のことでございます。

 一口にタラスピ(ナズナ)と呼ばれる植物には数種類ありますが、ここではグンバイナズナマメグンバイナズナについて書かせていただいております。

 タラスピの花は、先端のふわっとした部分に、2~3㎜程度の小さな白い花がまとまってクチュっと咲いておりますが、ワタクシでも馴染深いタラスピ(ナズナ)は10~20㎝程度の長い茎に、可愛らしい緑色の小さなハート型の種が連なるようにくっついております。

 グンバイナズナの名前の由来は、この平たいハート型の種子が、昔の武将が指揮をとるのに手にしていたうちわ状の軍配に似ているから、とのことでございます。

 我々には馴染み深い別名「ぺんぺん草」の由来は、種の形が三味線のバチに似ているから。三味線の音色を擬音語で表せば「ぺんぺん」って言いますものね。

 なるほど、英語では「shepherd’s purse」(羊飼いの財布)と呼び、これもやはり種の形が羊飼いのお財布の形に似ているから、とのことでございますよ。

 日本で見かけるタラスピは春先に草丈10~20㎝程度で風に吹かれてフワフワと軽やかに可愛らしいお花でございますが、原産地では60㎝ほどになるものもあり、超ロング!

 ちょっと以前に切り花として輸入された長~いタラスピ(ナズナ)を初めて見たときの衝撃といったら……タラスピなんて名前も知らず、ナズナに似てるな~と思いながら何に使うかもわからず、「これっておひたしにして食べるの?」と花市場のお兄様に尋ねたくらいでございます。

タラスピのポテンシャルの高さに驚愕

「なんだかんだ言っても、所詮ぺんぺん草でしょ~」と思ったアナタ。

 お気持ちはわかりますが……ところがどっこい! ビックリしますよ。

 ワタクシたち花屋では最近、馴染み深い「ナズナ」とも「ぺんぺん草」とも呼ばず、敬意をもって「タラスピ」と呼んで販売させていただいております。

 なぜって? 花屋にとってタラスピはある意味、ちょっと困ったときに助けてくれる「救世主」みたいなものだからでございます。

 今、お花の世界でも「ナチュラルブーム」の真っただ中でございます。

 フラワーアレンジメントも、ブーケの使用素材にミントやゼラニウムなどいわゆるハーブ系のグリーン素材、ニゲラやレーズフラワーのような、華美とは対極の優しく自然なお花を使うことが多くなってまいりました。ナチュラルな仕上げをしたい場合は、ハーブなどと一緒に、迷わずタラスピを投入。自分でも「おやや〜」と思うほどの出来栄えでございます。

 実際、「ちょっと! ずいぶんとおしゃれなアレンジでないかい! 」と驚嘆の声が出てしまう、ちょっぴり値が張るアレンジやブーケをよくよく見ると……使ってあるんですわ! ぺんぺん草が! いや、タラスピが!!

 花言葉「全てを捧げます」のとおり、決して出しゃばらず、奥ゆかしい可愛さで、アレンジ全体のオシャレ度の底上げをしてくれるのでございますのよ。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ロマンチックおばさんですがなにか? 親の小言もスルーし、好きな服を着続けてきた51歳独女の決意
 パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。先日、SNSで話題になった「ロマンチックおばさん」。とあ...
尊すぎる! 親子“たまたま”に遭遇♡ パパを超える日は来るかな?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
東日本大震災津波伝承館にて~伝えて、記憶する。
 伝えてゆくということ、そして、記憶するということ。  東日本大震災から14年目となる、2025年3月11日、何を...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第92回「町のちいさな動物病院にハルがキタ」
【連載第92回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏漢字探し】「燗」の中に隠れた漢字は?(難易度★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
56歳で初めて包丁を握ったYO! 万年実家暮らし男性が力説する「テキトーな自炊」の愉しみ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
主婦vs丸の内バリキャリの「マウント合戦」は漫才よりも笑える。“負け顔”ができる女芸人の観察
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。SNS・mixiのコミュニティに麻梨乃が書き込むと、2人の同期生...
早稲田卒、商社OLの称号は「貧乏な夢追い人」とは違うの。誰よりも高い“現在地”は私だよね?
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。約20年後、懐かしさで当時使用していたSNS・mixiのコミュニ...
ゲッ…まだ「mixi」見てるの? 独身女2人の即レスに“意地悪な幸せ”を感じる上から目線の主婦
 mixiでの呼びかけに、応答があったのは2人だけだった。  当然だろう。そこはもう誰もいない公園なのだ。あの頃は...
否定ばかりする人のLINEがしんどい…。我慢せず、受け手側ができる3つの対応策とは?
 LINEのやりとりで、相手から否定ばかりの内容が届いたら対応に困りますよね。  腹が立ち、関係をやめたいと思って...
金運を上げる花5選!植物で開運を狙う基本のキ。黄色いお花だけではない【開運花師おすすめ】
 いくらやりくりを頑張っても、追いつかない物価高。こうなったらもう金運を呼び込むしかないかも?  お花や開運に関する...
辻希美は第5子妊娠の衝撃度。長女希空とは18歳差に…年の差きょうだいの良さと熟考すべきこと
 元モーニング娘。の辻希美(37)と夫の俳優・杉浦太陽(43)が3日、第5子妊娠を発表した。  2007年6月に結...
一気に距離が縮まる会話術! 社長も平社員も、みんな笑顔になる「あの話」は鉄板エピソード
 例えば今目の前に距離を縮めたい相手がいたら、みなさんは何をしますか? 私なら、その人の子供時代の話を聞きます。 ...
「子持ち様」認定されないように…非常識な親バカママ友あるあると3つの対処法
 子供がいると避けて通れないのが、ママ友とのお付き合い。  今回は、思わずイラッとしたママ友の親バカ行動をご紹介。周...
職場の「1on1ミーティング」を苦痛に感じる3つの原因。今すぐ取り入れたい対策方法は?
 近年、企業で取り入れられている「1on1ミーティング」をご存知ですか? 新しい手法を取り入れるのは良いことですが、蓋を...
堤防の上は“たまたま”のランウェイならぬ、ニャンウェイ♡ 見せ場のターンの瞬間をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...