魔除けの花を吊るして家庭円満!幸せ爽やかな香りヒペリカム

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-06-30 06:00
投稿日:2021-06-30 06:00

「ヒペリカム」ってなんですか?

 ヒペリカムとは、中央アジアから地中海沿岸が原産のオトギリソウ科の低木・多年草のことでございます。

 愛すべき可愛らしいおばあちゃまOさんは、何度お教えしてもこの花を「ペペリカム」と呼んでおります。

「ヒペリカム」と一言でいってもたくさんの種類があり、多くの品種は赤い実を付けます。和名は分類名と同じ「オトギリソウ(弟切草)」で、「ヒペリカム」の名称は、学名をそのままカタカナ表記になおして用いられたものでございます。

 花よりも実を鑑賞することを目的としているもののほかに、ガーデニングや庭木としても人気の金糸梅(キンシバイ)やビヨウヤナギ(未央柳)もヒペリカムですし、もちろん、弟切草(オトギリソウ)もヒペリカム。ワタクシのような花屋であっても、混同している方も多いかもしれません。

 オトギリソウは、中国大陸をはじめ、日本や朝鮮半島などの山野や草地などに自生し、6~7月頃に可愛らしい黄色の花を咲かせる多年草でございます。

 古くから切り傷や神経痛、鎮痛作用や月経不順を癒す民間療法に用いられていた歴史があり、今では「小連翹(ショウレンギョウ)」という生薬名で漢方として使われております。

 オトギリソウの名前にはこんな由来がございます。

 平安時代、ある鷹匠の男が傷ついた鷹の治療薬としてオトギリソウを使っておりましたが、その原材料の薬草の名を仲間には秘密にしておりました。ですが、ある日その鷹匠の弟がうっかり恋人にその薬草の名前を教えてしまい、怒った鷹匠が弟を切り殺してしまいます。オトギリソウの葉にある黒い斑点は、その時に飛び散った弟の血痕とされ、その薬草の名前も「弟切草」になった……というものでございます。

 同じようにヨーロッパやアメリカの草地に自生しているヒペリカムの仲間で、「セイヨウオトギリ(西洋弟切)」と呼ばれる多年草の種類がございます。花色は黄色で、形も同じく可愛らしいお花でございます。

 古代ギリシャでも民間薬として使われていた記録があるそうで、今もハーブの位置づけとして認知されております。

セント・ジョーンズ・ワート(St. John's wort)」という英名は、6月の洗礼者ヨハネ(St.John)の祝日までに花が開花し、収穫をすることにちなんで名付けられたとのことでございます。

 ヒペリカムとは、ギリシャ語で「聖像の上」という意味。黄色の花は悪霊を祓うといわれ、古代ヨーロッパでは魔除けのために聖像の上に吊るしたといわれております。おまじないのために収穫された花は家のドアなどに吊るされ、人や家畜を災いから守る、とされております。

花よりも実を楽しむヒペリカム

 海外で「ヒペリカム」と呼んでいる品種の中でも、日本では江戸時代に中国からやってきた、ちょいとお花が大きめのヒペリカムを、西洋キンシバイやビヨウヤナギなどと細かく分類しております。

 ワタクシのような花屋が「ヒペリカム」として認識しているのは、その中でもコボウズオトギリソウ(小坊主弟切草)のこと。オトギリソウは多年草でありますが、コボウズオトギリソウは低木。切り花や鉢物として用いられ、「花」というより「実」を楽しむ目的として、改良されております。実の大きさも小粒や大粒、実色も従来の赤ばかりでなく、白やピンク、黄、オレンジ、黒などバリエーションもさまざま。そもそも「ハーブ」としても使用可能でございますから、もちろん香りもございます。

「なんの香り?」と聞かれれば「スパイシー&爽やか」な香り。

 切り花としてのヒペリカムは、輸入物がしっかりしているので年間通して購入可能。どんなお花とも相性抜群! 花屋にとって、なくてはならない商材の一つでございます。

 特に、今ごろの季節からは国産のヒペリカムが多く出回りはじめます。輸入物と比べると見た目が繊細な感じで、市場でも花屋同士の争奪戦が始まります。

 秋になれば、葉が紅葉した国産物も出回り、ヒペリカム独特の香りがさらに強まり、ますます楽しくなってまいりますのよ。

 そして、終盤戦に入っておりますが、今の時期、鉢物としてもヒペリカムは入手可能でございます。可愛らしい赤い実と黄色いツボミ、そして黄色の花が一鉢の中に混在し、お得感満載!

 黄色のきらめくお花は一日で散ってしまいますが、悲しむ間もなくすぐに実がなることから「きらめき」「悲しみは続かない」など、前向きな花言葉でございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


〆ラー卒業のアラフォーに!「かに鍋&水炊き」缶のススメ
 お酒を飲んだ後、人はなぜラーメンが食べたくなるのでしょうか? アルコールに浸った体が脂と塩分を欲しているのか…。  ...
虫歯1本に治療費100000円!? ベラボーな額を請求される米国の高額治療費
「アメリカに住んでます!」 と聞くと、日本にはないキラキラした素敵な生活を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。 ...
2024-02-26 19:02 ライフスタイル
子どもの友達に「ばあば」と間違えられたショック! 高齢出産の後悔4つ
 世間では、高齢出産する人がとても増えていますよね。晩婚化が進んだ背景や、不妊治療が保険診療になった変化も大きいでしょう...
親バカ上等!いうて夫よりマシかも?子どもの可愛すぎるお手伝い失敗談
 子どもはいつだって、ママを助けたい、褒められたい、役に立ちたいと思っていますよね。だから、小さい子どもはママを喜ばせよ...
おんにゃの子の匂いに夢中!“たまたま”君の恋が実るといいな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
日本海から吹きつける風の中、黙々と歩く少年たちが愛おしい
 早朝にも夕方にも見える空の色、学生服の少年少女、ミラーに映る電車。  どこか非現実的な景色は、まるで中村宏の絵画...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...