色も香りもチョコレート♡大人の魅力あふれる花が幸せを運ぶ

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-09-29 06:00
投稿日:2021-09-29 06:00

チョコレートコスモスって何ですか

「チョコレートコスモス」とは、草丈50㎝程度のキク科コスモス属多年草の植物でございます。原産はメキシコで、日本にやってきたのは明治時代ですが、広まったのは大正時代といわれております。

 植物には珍しく全身で茶色の花を咲かせるのが特徴で、まるでチョコレートのようなほのかに甘い香りと独特な茶色が名前の由来とされているコスモスなのでございます。これはチョコレートにも含まれているバニリンという成分が含まれているためで、多種あるチョコレートコスモスの名前は「キャラメル・チョコレート」「ショコラ」「ストロベリーチョコレート」「リエル・ルージュ」など、茶色の花色によった名前が付けられております。

 大人っぽい深い茶色の花色は哀愁に満ちた黄昏色で、コスモスの花言葉も「恋の思い出」「恋の終わり」など、なんとなく悲しい大人の恋を連想させる花言葉は、ひとえにこの“哀愁カラー”が理由でございます。

 ちょうど今ごろ、お花屋さんの店頭では“秋咲き”や“四季咲き”のコスモスが並んでおります。一口に「チョコレートコスモス」といえど、お花屋さんで売られている種類は大きく分けて春から秋にかけて広い時期に咲くタイプと、秋に一斉に花を咲かせるタイプの2種類があり、春と秋にお花屋さんでは色々なチョコレートコスモスが販売されるのでございます。

何度育てても心が折れる

「チョコレートコスモスって育てるのが難しくて失敗するからキライ!」と思っているアナタ! そのお気持ち、お察しいたします。

 ワタクシがお花屋さんになったころ、初めて見たチョコレートコスモスの可憐さと香りに驚愕し、すぐに苗を購入。ウキウキでお庭に植えてみたものの、すぐに枯れてしまいました。

 その後も何度トライしてもダメ。「なんでやねん!」と頭にきて、そのあとは育てることを諦めて「チョコレートコスモスとは切り花で楽しむもの」と決めておりましたが……。

 今年の春ごろ、通勤途中の道路一帯に立ち並ぶ街路樹の足元に植わっている“チョコレートコスモス軍団”を発見。

 どなたがお水を与えているのかもわからない場所に大量に植えられた様を見て、「アホな人がいたもんだ」と鼻で笑っておりましたら、その後もエライ勢いでワイワイ咲き続け、真夏も続いているのを毎日見るにつけ、「アホだったのはワタクシだった」という気分になったのでございます。

 我が花屋で販売してみたところ……苗の割には高額商品にもかかわらず、良く売れます。そして、ワタクシよりもお客様のほうがよほど詳しく、皆さまから「最近のチョコレートコスモスは昔と全然違ってちゃんと育つわよ~」と教えていただいております。

チョコレートコスモスの育て方

 現在、野生の原種は絶滅したといわれているチョコレートコスモス。実は自家不和合性(じかふわごうせい)という性質を持っているため、結実いたしません。つまり、種ができない性質をもっております。

 “さし芽”か球根の“分球”でしか増やす方法がございません。

 原種のチョコレートコスモスは寒さに弱く、高温多湿にも弱い厄介な性質を持ちますが、お花屋さんの店頭に並ぶチョコレートコスモスは、路傍でもグングン育つ“キバナコスモス”との交配種がほとんどで、葉の形や花姿も“キバナコスモス”によく似ており、育てやすいのがありがたい特徴でございます。

 育てる際、気を付けていただきたい点が3つ。

 戸外の日当たりと風通しの良い場所にて管理。ただし、夏の直射日光は葉に悪影響でございますので、ほどほどに。

 冬は地上の葉は枯れますが、地下では生きております。水やりを枯れない程度でほどほどに。凍結防止にマンチング(凍結しないようにビニールや紙などで苗を上から覆うこと)を施せば、春にまた芽吹きます。

 育てる上で一番厄介なのが“うどんこ病”。日当たりが悪く風通しの悪い場所では、すぐにうどんこ病になってしまいます。お気を付けくださいませ。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


頭重感とは?MRIは異常なし、頭痛の“震源地”は肩こりだった!【薬剤師監修】今すぐできる改善法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
懐かしの「アジャパー」ポーズを激写! お茶目な“たまたま”にほっこり
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
仏様のお供えは「花」とは限らない! もうすぐお彼岸、仏花にまつわるケンミンSHOW的な話
 ねこ店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の仏事に手厚い土地柄の片田舎にあります。とりわけ、夏のお盆からお彼岸月の9月...
ロボット掃除機より優秀!? “激落ちくん”のお掃除スリッパが突き付けた我が家の床の現実
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
私の心が狭いのか? 甥っ子が放った「お金持ちだから好き」発言にモヤモヤした話
 あっという間に、9月ですね。早い! 夏休みの帰省で姪っ子や甥っ子に会った方も多いのでは。  筆者にも、5歳の甥っ子が...
テーブル下でこっそり放熱中…ステンレスで涼をとる賢い“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どものいない祭り
 都会の喧騒の中で見つけた祭り。  そこにははしゃぐ子どもの姿はなかった。  たまにはいいかな、自分のためだ...
ほっこり癒し漫画/第81回「センセッ ジカンデスヨッ」
【連載第81回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「鉄漿」って読める? ヒント:最古のメイク
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
子ども同士のLINEにもドラマが!将来の夢はスパイに忍者…ピュアな感じがたまらん
 最近では、小学生でもスマホを持っている子が増えていますよね。連絡ツールとして友達とLINEを使いこなし、時代は変わった...
女はお嫁さん要員? 年収800万でも「行き遅れ」と見下される田舎の地獄
 西新宿の高層ビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、悠々自...
毒親の介護をしたくない 実家から逃げた女が「決別」のため払った金額は
 西新宿のビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、おひとりさ...
田舎を捨てた「独身女」は不幸ですか 絶縁した家族が来て…今さら何の用?
 いまだ残暑が残る9月の初め。月曜日のAM7:30。  すでに汗ばむ陽気に包まれながら、西村咲子は新宿西口の高層ビ...
職場で飛び交う「大人のちくちく言葉」4選。無意識に同僚・後輩のモチベを下げてない?
 人の気持ちを不快にさせる、ちくちく言葉。子どものちくちく言葉は「アホ」「バカ」「マヌケ」などストレートですが、大人にな...
“たまたま”に見覚えあり!尾道市立美術館の「ケンちゃん」ではないかぃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大優勝!秋から元気な“開運最強”花5選。一輪挿しでも存在感たっぷりで映える1本を紹介
 台風10号の遠隔豪雨は、神奈川にあります猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも様々な影響を及ぼしました。大雨を睨みなが...