「ガーデンシクラメン」攻略法! 間違った園芸方法に決別を

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-10-20 06:11
投稿日:2021-10-20 06:00

ガーデンシクラメンってなんですか?

ガーデンシクラメン」とは耐寒性が強く、寒い冬でも戸外にて育てることができるシクラメンのことでございます。

 冬のお庭に貴重な彩りを与え、華やかで豊かな装いを長期間与えてくれる、初心者にもやさしい頼れる優良選手でございます。

 長期間と言ってもどれくらいか? うまくいけば半年以上咲き続ける超ロングライフ。もっとうまいこといけば、来年、再来年と命をつないでくれる球根植物でございます。

 草丈は10センチから20センチといったところ。花色は赤やピンクや白、複色と様々。花姿も最近では「なんじゃ?」と思ってしまうような、従来のシクラメン的花姿とはだいぶかけ離れたものまで登場。

 品種改良が年々進み、豊富なラインナップで店頭に並ぶ様子は、まさに人気商品であることの証であることに間違いがございませんのよ。

「どうせ小さいシクラメンでしょ。普通のシクラメンと何が違うのさ!」と思ったアナタ。

 えぇ、違います。違いますよ。

 ガーデンシクラメンの歴史は浅く、まだ二十数年といったところでしょうか。日本のある育種家の方がお作りになった日本生まれ日本育ち、超絶マーベラスなシクラメンでございます。

 アナタもご存知のいわゆるシクラメンは、気温設定が低い冬の室内で楽しむものでございます。日中は良くても一日中戸外にて過ごすシクラメンは、環境によりますが大体弱って萎れてしまいます。実際、通常シクラメンを地植えにしてみたら、狂い咲きのすぐ後に腐って消えてしまいました。

 ですが、従来のシクラメンを品種改良して生まれたガーデンシクラメンは、通常のシクラメンの中でも寒さに強い選抜品種を改良して作られたもの。

 冬に近い、秋の深まったあたりから翌年の4月、5月までずっと咲き続け、秋から冬にかけてガーデニングには欠かせない商材としてすっかり浸透いたしました。

 ところがどっこい、必ずしもすべてがうまく咲くというわけではございません。

 葉っぱばかりで花をほとんど見たことがない……知らないうちに消えてなくなっていた……など、アナタにも心当たりございませんか?

 それはなぜか。ワタクシの数々の失敗を踏まえたうえでの攻略法を解説させていただきます。

植える時期は大切よ

 花屋であるワタクシが申し上げるのもなんなんですが、秋冬の定番商品ガーデンシクラメンは、9月でも売りに出している販売店がたくさんございます。

 まだまだ暑い9月だというのに、世の中「大人の事情」という諸問題がございます。「そろそろ秋準備」だなんて思っていたところに、秋冬商品が目の前にあれば、そりゃ買っちゃいますわ。

「買っちゃダメ」とは申しません。ただ、買うとアナタの作業工程が増えるので、それが面倒くせぇと思うアナタでしたら、ワタクシは9月のご購入をオススメいたしません。

 まだ暑い時期のシクラメンの一番の問題は高温障害でございます。

高温障害で起きる3つの弊害

葉の黄変

 蒸れによる弊害で、水が足りないと思ってどんどん水をあげてしまう方がいらっしゃいますが、水をあげればあげるほどドツボに陥ります。

灰色カビ病

 余分な水やりと暑さが原因で球根の真ん中からカビが生え、球根が腐ってお亡くなりになってしまいます。

葉の間延び

 葉の茎の部分がひょろひょろと間が抜けたように伸びていきます。これはパンジーやビオラにも同じ現象がみられるのでございますのよ。

 ガーデンシクラメンの植え付けベストシーズンは、関東以西にお住まいの方でしたら、10月下旬の気温が低くなってからでございます。もちろん、関東よりも北の寒い地方でしたら9月でも問題ないのでございますが、いずれにしても寒いと感じるようになってからがよろしいかと思います。

 先日、秋田の友人が「ストーブつけるか迷う」と言っていた気温が14℃。同日、ワタクシの住む神奈川は20℃をゆうに超え、「暑い!」といっていた徳島では28℃でございました。

 ということで、植える時期はアナタが寒いと判断したころがベストシーズンでございます。「お店に売っているころが植え時」というわけでは必ずしもないということを念頭においてくださいませ。

 またシクラメンはご存知の通り、球根植物でございますので、いくら耐寒性に優れたガーデンシクラメンとはいえ気温-5℃以下の地方には不向きでございます。球根が凍りますので室内での管理にてお気をつけくださいませ。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


鮮やかな朱色にハッとする 見つけたのは秋が忘れていった物
 ずいぶんと歩いたけれど、ひときわ映える朱色にハッとして顔を上げた。 「秋の忘れ物」もきっと鳥に見つかって、最後は...
共働き夫婦はいつ洗濯物を干すのが正解? 一長一短な6つの選択肢
 現代では、多くの夫婦が共働きですよね。そこで問題となるのが「洗濯物をいつ干すか」という点です。特に朝からのフルタイム出...
Tバックで足が速くなる? 40女が自己ベストを更新できたワケ
 先日行われた「第18回湘南国際マラソン」の「ファンラン10kmの部」に参加してきました。ランニング歴15年にして初の1...
カメラマンの本領発揮! ウブ“たまたま”を追いかけパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節約は正義!家庭で過ごすクリスマスアイデア【飾りつけ編・レシピ編】
 一年の最後の大イベントといえば、やっぱりクリスマスですよね。特に子供のいる家庭では、部屋の飾りつけやパーティー料理など...
2023-12-07 06:00 ライフスタイル
縁起悪っ!ポインセチアが毎年グッタリな人へ…NG事項と育て方のコツ
 クリスマスを彩る真っ赤なポインセチアですが、実は暑い地方が原産で「寒いのは苦手」。そんなポインセチアを綺麗に長く楽しむ...
「うちの夫が美容に目覚めたら…」謎のこだわりと行き過ぎた美意識エピ
 美容といえば、女性を連想しますよね。でも最近では、男性もメイクやスキンケアをするなど美意識に変化が現れています。  ...
探し物のほうも「見つけられるタイミング」をうかがっている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
気が重すぎる…。年末年始に義実家への帰省を円滑に回避する4つの方法
 年末年始が近づくにつれて「義実家への帰省がしんどい」と、気が重くなる妻たち。せっかくの新年なのに、1日中気を遣って食事...
お気に入りの柔軟剤♡ドラム洗濯機の乾燥モードでどうなる?
 初めまして! 大切なお洋服を洗っても、イヤ~な臭いがするとテンションが落ちてしまうコクハクガールズ1期生の「よもも」と...
1日8時間労働は働きすぎ? 理想の働き方を手に入れる方法
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  海外のTikToke...
16年物グレゴリー「フローラルタペストリー」を卒業!ネットで新調し涙
 趣味もファッションもその時の流行りや年齢で変化しますが、それとは別にいつまでも好きなモノってありませんか?  30代...
子供のおねだり攻撃をかわす4つの対策&絶対やってはいけない行動
 子供はいつでも自分の欲求を全力でぶつけてきます。だからこそ、子育ては本当に体力&忍耐勝負! 特にママたちを困らせるのが...
一心に、朝日に向けて飛ぶその眼は何を視ているのか
 思いはそれぞれでも同じ方向を向いて、必死に羽を羽ばたかせて一心に飛ぶ。  疲れたら声を掛け合い、ときには目的地を...
ツートン“たまたま”が港で御開帳♡ モフ腹&肉球も見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
嫌味まぶしてる?こんな年賀状にイラッ! 地雷を踏む5項目に気を付けて
 最近では、クリスマスや新年の挨拶もデジタルで済ませる人が増えていますよね。  そんな中、結婚や出産など「報告した...