息子のお友達から“シングルマザーだもんね!”と言われた日

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-11-23 06:00
投稿日:2021-11-23 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化できたこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

実は「シングルマザー」という言葉が好きじゃない

「シングルマザーです」と、日々隠すことなく伝えている私ですが、実は「シングルマザー」という言葉があまり好きではありません。それと同じくらい「母子家庭」という言葉も。

 そう思うのは、わざわざそう口にしなければいけない時、思い切った気持ちで話さなければいけないことが多く、プレッシャーを感じるからかもしれません。

「シングルマザー」は“ただの言葉”なのに、無駄に“想像させる”言葉。 そして、デリケートでネガティブな印象を与えがちです。

 でも、世の中それで浸透しているので、共通言語として使うしかありません。

「◯◯くん家はシングルマザーだもんね!」に固まった

 離婚してすぐのこと。仲の良い3組のママ友&子供たちで、恒例のママ友会をしました。子供たちは子供同士で自由に遊び、ママたちはおしゃべりをして、わいわいとしたいつもの雰囲気を楽しんでいたのですが……。

 デザートのケーキをみんなで食べていたら、息子の1歳年上の5歳の女の子が、突然「◯◯くん家は、シングルマザーだもんね!」と言いました。

 その瞬間、なんとなく空気がピタリと止まりました。なぜか、その子のママの気持ちになってしまい、「うわ! 気まずいよね! ごめん!」と、どうしてもすぐに顔を見ることができませんでした。

 そして、ばつが悪いことに、4歳の息子は「シングルマザー」という言葉を知りませんでした。

 聞き流してくれたら良かったのに、「え? シングルマザーってなあに?」と、すかさず聞き返した息子。さらに「(どういう意味?)」という顔をして、自分のママを見るその女の子。

 なんともいえないカオスな雰囲気に耐えかねて、私はつい「シングルマザーってね、どんな子にも“ママはひとりだけ”って意味なんだよ〜!」と、少々おどけて横から口を出しました。

 二人は「ふーん」と。それ以上興味を持たれずに会話は終わったものの、今、このシーンを思い出しても、少し胸がギュッとしてしまいます。まだまだ小さな子供たちに公の場でしっかりと嘘をついてしまい、ママたちにも気を使わせてしまったこと、「どうすればベストだったかな?」と、考えてしまいます。

想像するよりほかありませんが……

 なんといっても気の毒なのは、ママ友でした(笑)。突然、自分の娘が「シングルマザーだもんね!」なんて言葉を発するなんて思わなかったことでしょう。

 想像するよりほかありませんが、ママとパパが「◯◯くんママ、シングルマザーになったんだって」という話をしていて、それをその子が耳にしたのかもしれませんし、私から離婚の話を聞いたママ友が、その子に話したのかもしれません。

 ただ、そのママ友はきっと、「『シングルマザー』って言っちゃダメだよ」とは言わなかったと思うのです。だって、言ってはいけない言葉でも悪い言葉でもありませんし。

 さらには、「言っちゃダメ」と言うと、言いたがるのが子供だということを、私たち「ママ」は知っていますから(笑)。

 ただ、子供はひたすらに好奇心旺盛で、知識を伝えたがります。あっけらかんと無邪気に放たれたその言葉に、少し胸が痛みつつ、「周りの子供はこんな感じなんだな」と、直球で教えてもらうきっかけになりました。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ストゼロでも消えない死への恐怖。介護に離婚…友人それぞれが歩む人生に救われた夜。人が最後に行きつく先は
 学生時代から今に至るまで赤羽に20年住む百恵。非正規雇用、独身だが、行きつけのスナックが居場所となり、不自由なく暮らし...
48歳、乳がん検診の「要精密検査」に衝撃。独居暮らし男の孤独死に重なる…誰にも看取られない恐怖
 学生時代から今に至るまで赤羽に20年住む百恵。非正規雇用、独身だが、行きつけのスナックが居場所となり、不自由なく暮らし...
40代は“知人の訃報”がくる年齢だ。憎んだ男の「死亡通知書」で20年ぶりに集う同級生、独身の私はどう映る?
 板チョコのような重い扉を百恵が開けると、真っ赤な口紅を施したママさんがいつものように明るく出迎えてくれた。 「い...
「20年モノのフライパン」がかっこいい? 貧乏戦線に異状あり!
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
お酒の席の“あのルール”に物申したい! グラスに注ぐベストタイミングは…
 働く側としても、お客さんとしても大好きなスナック。今後も良いところをどんどん書いていければと思っているのですが、今回は...
若者が『めおと日和』の“昭和な恋愛”に胸キュンするのは何故? タイパ重視じゃないもどかしさ
 アラフィフ独女ライターのmirae.です。前回のコラムでは、「50代の恋愛にときめきは必要なのか?」というテーマについ...
婚活に介護…もう頑張れない。アラフォー女性が抱えがちな問題、6つのケースを聞いた
 今回ご紹介するのは、アラフォー女性の悲鳴。「もう頑張れない」と思っていることを教えてもらいました。同じ悩みを抱えている...
怒った中年の顔は「ブス」だと知った。更年期世代がイラついた時にするべき大事なアレ
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ゴロンする一瞬♡ 奇跡のモフモフ“にゃんたま”とプニプニ頬っぺが尊すぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「現金がよかった」ってそりゃないよ~!『母の日』のガッカリエピソード
 日頃の感謝を伝えるために贈った母の日のプレゼント。なのに微妙〜な反応をされたら悲しいですよね。今回はそんな“母の日のガ...
女性の「理想の顔」ランキングが発表。石原さとみや新垣結衣を抜いた第1位は、上品なイメージのあの女優!
 もしも憧れの芸能人の顔に近づけるとしたら……あなたは誰を「理想」だと感じますか?
好きならやってよ…って、それ「やりがい搾取」されてない? 職場で警戒したい言葉5つ
 ここ数年でよく見聞きするようになった「やりがい搾取」。仕事や日常生活で相手のやる気を利用して低賃金で働かせるような言動...
ぷにぷに肉球が愛おしい♡ 青空に映える癒しの“にゃんたま”爆弾
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第98回「先日のお礼です!パワー!」
【連載第98回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【11万いいね】横澤夏子の“ママチャリ”写真がリアルすぎ!「うちの保育園にいそう」「ママ友になりたい」と共感の嵐
 こんな人、いるいる〜!と共感せずにはいられない「ちょっとイラっとくる女」ネタでブレイクして以来、テレビで大活躍のお笑い...
上半期“ママ友界隈”のびっくりエピソード。パンツ見えそうなミニスカにヒヤヒヤ…!【お花見編】
 今年も早いものでもう6月。この半年で、あなたにはどんな思い出ができたでしょうか?  今回は上半期を振り返り、春の...