「ありえない」と言われても…
自分なりに、一生懸命に仕事を続けようと思ってきたけれど、さまざまな事情によって、思い通りにいかないと感じているタダシさん。妻である芽美さんから、そんなタダシさんの振る舞いについて「だらしない」「ありえない」と責められるたびに、気持ちが落ち込んできたそうです。
「今は、好き好んでアルバイトをしているわけでもないし、本当なら僕も、正社員でバリバリ働きたいですよ。
だけど、お恥ずかしながらも“これ”という能力もないので、こっちが正社員を希望しても、先方から『社員は厳しいけれど、アルバイトなら…』って言われちゃうことも多くて。そうなると、まずはバイトで働いて、そこで存在感を出して、社員にしてくれるのを期待するしかないじゃないですか」
妻が家事や子育てをしながら、フリーランスで収入を得て生計を立てていることについては「正直、羨ましいし、僕にも何か能力があれば良かったのになぁって思います」とのこと。
「申し訳ないと思いつつも、僕にはできることが限られているので、今は、妻の能力にお世話になるしかないんです」と、つぶやきます。
妻を見るだけで劣等感
「今後、コロナ禍が明けてくれれば、状況は色々変わりますよね? きっと。僕みたいな、これという実績のない40代は、とにかく飲食系での就職が厳しいんですよ。
それを妻は理解しないで、理想ばかり押し付けてくるから、おかしくなるんだと思います。
何度か理解してもらおうと、実態を僕からも説明しましたが、妻は『家庭に対して、あなたは無責任すぎる』と言って、怒るだけ。
今の家庭には、癒やしもなければ安堵もありませんから、僕は心が休まりませんし、妻を見るだけで、劣等感が湧いてきます。
早く、コロナ禍が明けてくれないかなぁって、じっと我慢をしていますけどね」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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