今までは池袋に集中していた
メンズコンカフェとは、メンズがキャストのコンセプトカフェです。コンセプトカフェとは、お店に執事なり学園なり、なんらかの世界観があるというもの。女性キャストによるメイドカフェなどのコンカフェが圧倒的に多いのですが、男性キャストによるメンズコンカフェもじわじわと数を増やしています。
今まで、メンズコンカフェは池袋に集中していました。こうしたカフェは、非日常的な世界観であることも多く、池袋の乙女ロードというエリアに通うアニメや2.5次元が好きな女性たちとの相性がとても良かったのです。しかし今年になり、歌舞伎町のほうにメンズコンカフェが6~7軒も新規オープンしているのです。
なぜ歌舞伎町?
今年の7月に歌舞伎町にオープンしたメンズ和装コンカフェ「朝霧」の店長である“とーまさん”は「コロナ禍で閉店する店が出て、今までなかなか空きが出なかった良い立地の物件が出てきたんです」と語ります。「朝霧」も、ゴジラがいるTOHO新宿のすぐ裏手のエリアでオープンできました。
「歌舞伎町でメンズコンカフェを営業してみたい」と前々から考えていた人たちが、コロナ禍をチャンスととらえ、新規出店を仕掛けているのです。オリンピック直前の、感染者が増え始めていた時期だっただけに、出店は「賭けだった」と言います。
キャストは元アイドル
なぜ、和のメンズコンカフェを作ったかというと「男おいらん」など和の舞台が話題だったし、女性も喜ぶのではと考えたからなんだとか。女性は巫女のコンカフェがあるけれど、男性は和の衣装があまりないと考えたので制服もデザイナーに依頼してわざわざ作ったのです。すると、「着物風の衣装を着たい」とキャストに応募してくる男の子が何人も現れました。
キャストに応募してくるのは半分がコンカフェ未経験者で、もう半分が元メンズ地下アイドルやアイドル予備軍なのだとか。30人も入れば満員のこの店では登録スタッフが30人いて、常時8人ほどが出勤して、みなさんマスクをしていてもイケメンです。
チェキやオリシャンも
いざオープンしてみると、10代から30代までの女性たちの支持を受け、おひとりさまも少なくないのだとか。「和の雰囲気が落ち着くし、男の子たちもかっこいい」と、評判は上々で、先日のハロウィンの日は満席になるほどの盛況。コロナ禍をチャンスを見て、思い切ってオープンしてどうやら正解だったようです。
お店自体の利用はドリンク込みで1,500円からとリーズナブルですが、キャストと一緒にチェキ(1枚1,500円)を撮ったり、店のキャラクターがプリントされたオリジナルシャンパン(20,000円~)も用意されているし、キャストにプレゼントを渡すのもOKとのことなので、貢ぎたいスイッチが入った時にも対応してもらえそうです。実際、何十枚もチェキを撮るお客様もいるのです(料金はすべて税込)。
あたらしい流行に
メンズコンカフェには、地下アイドルや2.5次元舞台が好きな女性たちが多く通っているそうです。コロナ禍以降、メンズ地下アイドルのライブに行きづらくなった女の子たちがメンズコンカフェに通うようになったという説も。店長のとーまさんによると「メンズコンカフェの時代が来た」とのこと。
ひとつのコンカフェに通い詰めたり、いろいろなコンカフェを渡り歩いたり、楽しみかたは人それぞれ。とはいえ、“推し”ができたらやはり推しを目当てに同じ店に通い詰める人も。
ホストクラブとは違い、シャンパンを入れてもコールはないし、席にもついてはくれません。けれど、こうした時期なので、濃い接触をせず、お茶を飲みながらフロアを行き交う男子を眺めていられれば満足、という女子が大勢いるのでしょう。メンズコンカフェの勢いは、しばらく続きそうです。
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